電験3種の公式を理論・電力・機械・法規の4科目で一覧にしました。合格ナビが収録する本試験問題352問(7回分)を解説と照らし合わせ、その公式を使って解く問題の数と問題へのリンクを公式ごとに掲載。例題は2通りの方法で検算し、関数電卓が使えない試験で必要な数学もまとめています。
目次
結論:電験3種で使う公式は、理論の静電気・磁気・交流・直流回路、電力の水力・送配電、機械の誘導機・直流機・変圧器・電動機応用、法規の電気施設管理と電気設備技術基準の数値に分かれます。合格ナビが収録する本試験問題352問(7回分)を当サイトの解説と照らし合わせると、使う問題が多かったのは、理論の直流回路(オームの法則・キルヒホッフの法則)9問、直線電流の磁界と平行導体の力6問、静電エネルギー6問、電力の線路損失6問、機械の直流機の電圧・逆起電力5問でした(2026-10-02 集計)。試験では関数電卓が使えないため、三角関数の値は √ と三角比の関係から求めます。公式集のPDFは配布していませんが、この記事の表が当サイトの公式一覧です。受験案内の「使用できるもの」にも公式集は挙がっていません。
合格ナビは、電気技術者試験センターが公表した電験三種の本試験問題を7回分(令和4年度上期〜令和7年度下期のうち、令和6年度下期を除く)352問収録しています(理論87問・電力90問・機械86問・法規89問)。下の表の「使う問題」は、そのうち答えを出すのにその公式を使う問題の数です(当サイトの解説で確認。数え方は記事の最後に書いています)。試験全体の出題頻度ではなく、当サイトが収録する7回分での数です。
| 科目 | 公式 | 使う問題 |
|---|---|---|
| 理論 | 直流回路:V=RI、合成抵抗、キルヒホッフの法則 | 9問 |
| 理論 | 直線電流の磁界 H=I/(2πr)、平行導体の力 F=μ0I1I2/(2πr)、電磁力 F=BIl | 6問 |
| 理論 | 静電エネルギー W=CV²/2=Q²/(2C) | 6問 |
| 理論 | 平行平板コンデンサ C=ε0εrS/d | 4問 |
| 理論 | 共振周波数 f0=1/(2π√(LC)) | 3問 |
| 理論 | クーロンの法則 F=Q1Q2/(4πε0r²) | 2問 |
| 理論 | 時定数 τ=RC、τ=L/R | 2問 |
| 電力 | 線路損失(三相3線式)p=3I²R | 6問 |
| 電力 | 電圧降下(三相3線式)v≒√3I(Rcosθ+Xsinθ) | 4問 |
| 電力 | 水力発電の出力 P=9.8QHη | 3問 |
| 電力 | 百分率インピーダンス %Z と短絡電流 Is=(100/%Z)In | 3問 |
| 電力 | 電線のたるみ D=WS²/(8T) と実長 L=S+8D²/(3S) | 3問 |
| 機械 | 直流電動機 V=E+IaRa、E=kΦN | 5問 |
| 機械 | 同期速度 Ns=120f/p、回転速度 N=Ns(1−s) | 4問 |
| 機械 | 変圧器の効率と最大効率の条件(鉄損=銅損) | 3問 |
| 機械 | 変圧器の短絡試験 Z=V/I、R=P/I²、X=√(Z²−R²) | 3問 |
| 機械 | 巻上機 P=mgv/η、ポンプ P=9.8QH/η | 4問 |
| 機械 | 誘導機の電力の比 P2:Pc2:Po=1:s:(1−s) | 2問 |
| 機械 | 照度 E=F/S、点光源 E=(I/r²)cosθ | 2問 |
| 法規 | 需要率=最大需要電力/設備容量×100 | 2問 |
| 法規 | 低圧電線路の漏えい電流は最大供給電流の2,000分の1以下 | 2問 |
理論の公式①:静電気と磁気
静電気と磁気の公式は、記号の意味と単位を一緒に覚えると取り違えが減ります。
| 公式 | 記号と単位 | 使う問題 |
|---|---|---|
| クーロンの法則 F=Q1Q2/(4πε0r²) | Q:電荷[C]、r:距離[m]、ε0:真空の誘電率。1/(4πε0)≒9×10⁹ | 2問 |
| 平行平板コンデンサ C=ε0εrS/d | εr:比誘電率、S:電極の面積[m²]、d:間隔[m] | 4問 |
| 静電エネルギー W=CV²/2=Q²/(2C)=QV/2 | C:静電容量[F]、V:電圧[V]、Q:電荷[C] | 6問 |
| 直線電流の磁界 H=I/(2πr) | I:電流[A]、r:導体からの距離[m]、H の単位は[A/m] | 6問(下の2式と合わせて) |
| 平行導体の1mあたりの力 F=μ0I1I2/(2πr) | μ0=4π×10⁻⁷ H/m なので F=2×10⁻⁷×I1I2/r [N/m] | (同上) |
| 電磁力 F=BIl | B:磁束密度[T]、l:導体の長さ[m] | (同上) |
数値で確かめると、真空中で0.3m離れた2µCと3µCの電荷の間の力は、9×10⁹×2×10⁻⁶×3×10⁻⁶÷0.3²=0.6N です(1/(4πε0) を9×10⁹に丸めず計算しても約0.599N)。静電エネルギーの3つの形は、Q=CV を代入すると互いに書き換えられます。
この公式を使う問題を解く:
- クーロンの法則:帯電した2つの導体球をつり下げたときの力(令和5年度下期)
- 平行平板コンデンサ:誘電体が2層あるときの等電位線(令和6年度上期)
- 平行平板コンデンサ:比誘電率の違う2つを並列にしたとき(令和5年度上期)
- 静電エネルギー:充電したコンデンサと空のコンデンサを並列にしたとき(令和7年度上期)
- 静電エネルギー:コンデンサ2つの並列と直列の比較(令和4年度下期)
- 直線電流の磁界と円形コイルの磁界が等しくなる条件(令和7年度上期)
- 平行な2本の電流がつくる磁界が零になる距離(令和6年度上期)
- 3本の平行導体の1mあたりに働く力(令和4年度下期)
理論の公式②:交流・過渡現象・直流回路
| 公式 | 記号と単位 | 使う問題 |
|---|---|---|
| 共振周波数 f0=1/(2π√(LC)) | L:インダクタンス[H]、C:静電容量[F]。共振ではωL=1/(ωC) | 3問 |
| 時定数 τ=RC(RC回路)、τ=L/R(RL回路) | 単位は[s]。τ だけ時間がたつと、充電の電圧は最終値の約63.2% | 2問 |
| オームの法則 V=RI、直列 R=R1+R2、並列 R=R1R2/(R1+R2)、キルヒホッフの法則 | 当サイトの小分類「直流回路」の問題で使う | 9問 |
例題(自作):インダクタンス0.1Hのコイルと静電容量10µFのコンデンサの直列回路の共振周波数を求めます。
- 公式:f0=1/(2π√(LC))
- 代入:LC=0.1×10×10⁻⁶=10⁻⁶ なので √(LC)=10⁻³。f0=1/(2π×10⁻³)
- 結果:f0≒159Hz
- 別の方法で確かめる:ω0=2πf0=1/√(LC)=1,000rad/s のとき、XL=ω0L=1,000×0.1=100Ω、XC=1/(ω0C)=1/(1,000×10×10⁻⁶)=100Ω で、XL と XC が等しい(共振の条件を満たす)
直流回路の式の立て方は、キルヒホッフの法則の例題とテブナンの定理の記事で、本試験問題を2通りの方法で解いて確かめています。分圧・重ね合わせ・ミルマン・Y-Δ変換は回路の定理の記事、コンデンサの式はコンデンサの記事、交流の基本量は交流の基本量の記事にまとめています。
この公式を使う問題を解く:
- 共振周波数:2つのLC直列共振回路をさらに直列にしたとき(令和6年度上期)
- 共振周波数:RLC直列共振回路の性質(令和5年度上期)
- 共振:電流が最大になる周波数でのコイルの電圧(令和4年度上期)
- 時定数:コンデンサを放電させる回路の記述の正誤(令和5年度下期)
- 直流回路:2つの電源がある回路で6Ωの抵抗にかかる電圧(令和5年度下期)
- 直流回路:電圧源と電流源がある回路の電流(令和5年度上期)
- 直流回路:ブリッジ回路と電圧(令和4年度下期)
電力の公式:水力発電・送配電・短絡・架空電線
| 公式 | 記号と単位 | 使う問題 |
|---|---|---|
| 水力発電の出力 P=9.8QHη [kW] | Q:流量[m³/s]、H:有効落差[m]、η:総合効率 | 3問 |
| 三相3線式の電圧降下 v≒√3I(Rcosθ+Xsinθ) [V] | I:線電流[A]、R・X:1線あたりの抵抗とリアクタンス[Ω]、cosθ:負荷の力率 | 4問 |
| 三相3線式の線路損失 p=3I²R [W] | R:1線あたりの抵抗。単相2線式は2I²R | 6問 |
| 百分率インピーダンス %Z=ZIn/En×100、三相短絡電流 Is=(100/%Z)In | In:定格電流、En:定格相電圧 | 3問 |
| 電線のたるみ D=WS²/(8T)、電線の実長 L=S+8D²/(3S) | W:電線1mあたりの荷重[N/m]、S:径間[m]、T:水平張力[N] | 3問 |
例題1(自作):三相3線式の線路で、線電流120A、1線あたりの抵抗0.6Ω・リアクタンス0.4Ω、負荷の力率0.8(遅れ)のときの電圧降下を求めます。
- 公式:v≒√3I(Rcosθ+Xsinθ)
- 代入:sinθ=√(1−0.8²)=0.6。v≒√3×120×(0.6×0.8+0.4×0.6)=√3×120×0.72
- 結果:v≒149.6V
- 別の方法で確かめる:受電端の線間電圧を6,600Vとして、相電圧(6,600÷√3)に線電流と線路のインピーダンスの積を複素数で足し、送電端の電圧を求めると、線間で約149.6V高くなり、近似式の値とほぼ一致します
例題2(自作):定格容量10MV·A、定格電圧6.6kV、百分率インピーダンス10%の三相変圧器の二次側で三相短絡したときの短絡電流を求めます(電源側のインピーダンスは考えない)。
- 公式:Is=(100/%Z)In、In=容量÷(√3×電圧)
- 代入:In=10×10⁶÷(√3×6,600)≒874.8A、Is=(100÷10)×874.8
- 結果:Is≒8,748A
- 別の方法で確かめる:オーム値に直すと Z=(%Z/100)×V²/容量=0.1×6,600²÷(10×10⁶)≒0.4356Ω。相電圧6,600÷√3≒3,810.5V を0.4356Ωで割っても約8,748A
この公式を使う問題を解く:
- 水力発電の理論水力 P=9.8QH の単位の検証(令和7年度上期)
- 揚水発電所の揚水と発電の計算(令和6年度上期)
- 電圧降下率の制約から負荷電力の上限を求める(令和5年度上期)
- 配電線路の電圧調整(令和4年度下期)
- 力率が変わっても線路損失が同じときの負荷の比(令和7年度上期)
- 送電損失を5%以下にする電線の断面積(令和6年度上期)
- 容量と%インピーダンスが違う変圧器の並行運転(令和5年度上期)
- 架空電線路のたるみ(令和5年度下期)
機械の公式:誘導機・直流機・変圧器・電動機応用・照明
| 公式 | 記号と単位 | 使う問題 |
|---|---|---|
| 同期速度 Ns=120f/p [min⁻¹]、回転速度 N=Ns(1−s)、滑り s=(Ns−N)/Ns | f:周波数[Hz]、p:極数 | 4問 |
| 誘導機の電力の比 P2:Pc2:Po=1:s:(1−s) | P2:二次入力、Pc2:二次銅損、Po:機械的出力 | 2問 |
| 直流電動機 V=E+IaRa、E=kΦN | E:逆起電力[V]、Ia:電機子電流[A]、Ra:電機子抵抗[Ω]、Φ:磁束、N:回転速度 | 5問 |
| 変圧器の効率 η=αP/(αP+Pi+α²Pc)×100 [%] | α:負荷率、P:全負荷の出力、Pi:鉄損、Pc:全負荷の銅損。最大効率は Pi=α²Pc のとき | 3問 |
| 変圧器の短絡試験 Z=V/I、R=P/I²、X=√(Z²−R²) | V・I・P:短絡試験の電圧・電流・電力 | 3問 |
| 巻上機 P=mgv/η [W]、ポンプ P=9.8QH/η [kW] | m:質量[kg]、v:速度[m/s]、Q:流量[m³/s]、H:全揚程[m] | 4問 |
| 照度 E=F/S [lx]、点光源の水平面照度 E=(I/r²)cosθ | F:光束[lm]、S:面積[m²]、I:光度[cd]、r:光源までの距離[m] | 2問 |
例題3(自作):周波数50Hz、4極の三相誘導電動機が滑り3%で回っているときの回転速度を求めます。
- 公式:Ns=120f/p、N=Ns(1−s)
- 代入:Ns=120×50÷4=1,500min⁻¹、N=1,500×(1−0.03)
- 結果:N=1,455min⁻¹
- 別の方法で確かめる:逆に滑りを計算すると s=(1,500−1,455)÷1,500=0.03 で、3%に戻ります
例題4(自作):容量100kV·A、鉄損400W、全負荷の銅損1,600Wの変圧器を力率1で使うとき、効率が最大になる負荷と、そのときの効率を求めます。
- 公式:最大効率は鉄損=銅損(Pi=α²Pc)のとき。α=√(Pi/Pc)
- 代入:α=√(400÷1,600)=0.5。出力50kW、銅損0.5²×1,600=400W、η=50÷(50+0.4+0.4)×100
- 結果:負荷率50%で最大、η≒98.43%
- 別の方法で確かめる:全負荷(α=1)では η=100÷(100+0.4+1.6)×100≒98.04% で、50%のときより低くなります。α を0.001刻みで変えて計算しても、効率が最大になるのは α=0.5 でした
機械の出題範囲と攻略の順番は、電験三種 機械の記事にまとめています。
この公式を使う問題を解く:
- V/f一定制御の誘導電動機の回転速度(令和6年度上期)
- 8極の誘導電動機のトルク(令和5年度上期)
- 小形直流電動機の負荷時の回転数(令和7年度下期)
- 小形直流電動機の始動電流から定格運転時の効率を求める(令和7年度上期)
- 力率が変わったときの変圧器の全負荷効率(令和7年度上期)
- 単相変圧器の短絡試験から漏れリアクタンスを求める(令和7年度下期)
- ポンプを駆動する電動機の入力(令和4年度下期)
- 光束・照度・光度の単位(令和5年度上期)
法規の公式:需要率と、技術基準の数値
この記事で扱う法規の公式は、電気施設管理の需要率・負荷率・不等率と、電気設備に関する技術基準を定める省令の数値です。
| 公式 | 中身 | 使う問題 |
|---|---|---|
| 需要率=最大需要電力/設備容量×100 [%] | 設備容量に対して、実際に使われた最大の電力の割合 | 2問 |
| 負荷率=平均需要電力/最大需要電力×100 [%] | ある期間の平均と最大の比 | (表の集計の対象外) |
| 不等率=各負荷の最大需要電力の和/合成最大需要電力 | 最大になる時刻がずれるほど1より大きくなる | (表の集計の対象外) |
| 低圧電線路の漏えい電流 ≦ 最大供給電流×1/2,000 | 電気設備に関する技術基準を定める省令22条 | 2問 |
電気設備に関する技術基準を定める省令22条は、「低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は、使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の二千分の一を超えないようにしなければならない。」と定めています(条文の出典は e-Gov 法令検索。2026-10-02 時点の現行条文:電気設備に関する技術基準を定める省令)。
例題5(自作):最大供給電流100Aの低圧電線路で、許される漏えい電流の上限を求めます。
- 公式:漏えい電流 ≦ 最大供給電流×1/2,000
- 代入:100×1/2,000
- 結果:0.05A=50mA
- 別の方法で確かめる:50mA を2,000倍すると100Aで、最大供給電流に戻ります
需要率の例として、設備容量600kWで需要率60%なら最大需要電力は600×0.6=360kW、その期間の平均需要電力が270kWなら負荷率は270÷360×100=75%です。
この公式を使う問題を解く:
電験3種の数学:関数電卓なしで解くために
電気技術者試験センターは、試験で使える電卓を「四則演算、開平計算(√)を行うための電卓」とし、関数電卓は使用できないと案内しています(規定の原文と、使える電卓・使えない電卓の整理は電験3種の電卓で扱っています)。このため、公式と一緒に次の数学を手で使えるようにしておく必要があります。
| 数学 | 内容 | 使う場面の例 |
|---|---|---|
| 三角比 | sin30°=1/2、cos30°=√3/2、sin45°=cos45°=1/√2、sin60°=√3/2 | 交流のベクトル、照度の入射角 |
| sin²θ+cos²θ=1 | cosθ=0.8 なら sinθ=√(1−0.64)=0.6 | 力率と電圧降下・無効電力 |
| 平方根 | √2≒1.414、√3≒1.732 | 三相の線間電圧と相電圧、三相電力 |
| 指数と接頭語 | µ=10⁻⁶、m=10⁻³、k=10³、M=10⁶ | 静電容量[µF]、容量[MV·A] |
| 複素数 | Z=R+jX、Z の大きさは √(R²+X²) | 交流回路、短絡試験のリアクタンス |
| 比例・反比例 | 損失は電流の2乗に比例、たるみは張力に反比例 | 電圧を上げたときの損失、張力を変えたときのたるみ |
「電験3種の数学は難しいか」は人によって違いますが、上の表のとおり、使うのは四則演算と平方根、三角比、指数、複素数の計算です。どれも公式の例題を解くときに一緒に練習できます。
電験三種の公式集PDFはある?試験に持ち込める?
「電験三種 公式集 pdf」と探す人向けに、先に事実を整理します。
- 当サイトの公式一覧:この記事の表(科目別の公式と、その公式を使う本試験問題の数・リンク)が、当サイトの公式一覧です。この記事のPDF版は配布していません
- センターが公表しているもの:電気技術者試験センターが公表しているのは、本試験の問題と解答です。試験概要と令和8年度上期の受験案内の全文に「公式集」の語はありません
- 試験に持ち込めるか:令和8年度上期の受験案内では、筆記方式で使用できるものとして電卓・時計・ストップウォッチ・眼鏡/ルーペなどが挙げられ、公式集や参考書は挙がっていません。CBT方式では、貸出された筆記用具、ログイン情報シート、電卓、公的証明書以外の物は、試験室に持ち込めないとされています
試験室に持ち込めるもの:CBT方式は「貸出された筆記用具、ログイン情報シート、電卓、公的証明書以外の物は、試験室に持ち込めません」。筆記方式の使用できるものは電卓・時計・ストップウォッチ・眼鏡/ルーペなど。最終確認日:2026-10-04。出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期 受験案内。
公式集が使用できるものに挙がっていないため、試験では式を覚えているか、問題文に式が示されているか(FAQのとおり、示される問題もあります)が分かれ目になります。公式集を探すより、自分で整理表を作って問題と一緒に覚えるほうが、記号や単位まで身につきます。
公式が覚えられないときの整理表の作り方
公式を一覧で眺めても覚えられないときは、1公式1行の整理表を自分で作ります。次の4列を埋めると、式だけでなく使う場面まで残ります。
| 列 | 書くこと | 例(共振周波数) |
|---|---|---|
| 公式 | 式の形 | f0=1/(2π√(LC)) |
| 記号と単位 | 記号の意味と単位 | L:[H]、C:[F]、f0:[Hz] |
| 使う場面 | どんな問題で使うか(1文) | LC直列回路で電流が最大になる周波数 |
| 検算 | 別の式か逆算で確かめる方法 | ω0L=1/(ω0C) を満たすか確認 |
どの公式から整理するかは、前掲の表の「使う問題」の多い順が目安です(当サイトの収録7回分での数で、試験全体の出題頻度ではありません)。直流回路9問、直線電流の磁界・静電エネルギー・線路損失が各6問、と続きます。
上の表は「当サイトの解説で解答に使う問題」の集計なので、基本の公式のうち、集計の対象にならなかったものを次の表に補います。数値は当サイトの例で、それぞれ別の方法で確かめています。
| 公式 | 記号と単位 | 数値例と確かめ |
|---|---|---|
| 正弦波交流の実効値=最大値/√2 | 最大値[V] | 最大値100V → 実効値70.7V。1周期を数値で二乗平均しても70.71V |
| リアクタンス XL=2πfL、XC=1/(2πfC) | f:[Hz]、L:[H]、C:[F]、XL・XC:[Ω] | 50Hz・0.1H → XL=31.4Ω。50Hz・100µF → XC=31.8Ω |
| インピーダンス Z=√(R²+X²) | R・X・Z:[Ω] | R=30Ω・X=40Ω → Z=50Ω。複素数 30+j40 の大きさも50Ω |
| 三相電力 P=√3VIcosθ | V:線間電圧[V]、I:線電流[A] | 200V・10A・力率0.8 → 2,771W。相電圧×相電流×3でも2,771W |
| Y結線 V線=√3V相、△結線 I線=√3I相 | V相・I相:相の電圧・電流 | 相電圧115.5V → 線間電圧約200V。相電流5.77A → 線電流約10A |
| 力率改善 Qc=P(tanθ1−tanθ2) | P:[kW]、Qc:[kvar] | 100kW・力率0.8→0.95 → 42.1kvar。皮相電力から求めた無効電力の差(75.0−32.9)も42.1kvar |
| 変圧器の巻数比 a=V1/V2=I2/I1 | V1・V2:一次・二次電圧、I1・I2:一次・二次電流 | 6,600V/200V → a=33。二次電流330A → 一次電流10A(電力 66,000V·A で一致) |
交流の実効値の考え方は、次の問題で確かめられます(波形率・波高率の問題)。
他サイトの公式集の表や語呂は写していません。整理表は自分で書くことで、使う場面と単位まで残ります。
この記事の数え方:「その公式を使う問題」をどう決めたか
表の数は、合格ナビが収録する本試験問題352問について、次の手順で数えました(2026-10-02 集計)。
- ① 問題文・選択肢と、当サイトの解説(標準・上級)のうち解き方を説明した部分から、公式ごとの表記で候補を探す
- ② 候補を1問ずつ読み、答えを出すのにその公式を使う問題(計算に使う、または正誤を判断する記述がその式そのもの)だけを数える。解説の中で関連知識として名前が出てくるだけの問題は数えない
- ③ 直流回路は、当サイトの小分類「直流回路」の問題数で数える
この手順では、力率改善のコンデンサ容量の式や三相電力の式のように、解説の周辺知識としては出てくるものの、収録7回分の解答で直接使う問題が少なかった公式は表に入れていません。収録していない回の問題は数に入っていないので、出題頻度の目安としてではなく、「どの問題で練習できるか」の地図として使ってください。
公式は問題とセットで覚える
公式の一覧を眺めるだけでは、記号の意味や単位を取り違えやすくなります。表の公式ごとに、リンク先の本試験問題を1問ずつ解き、3段階の解説で式の立て方を確かめると、使う場面と一緒に覚えられます。整理や問題演習にどれくらいの時間を割くかは、科目ごとの1題あたりの時間を測って決める方法を電験三種の科目別の勉強時間の記事にまとめています。
よくある質問
Q電験3種の公式は覚える必要がありますか?
問題文の中で式が示される問題もあります(たとえば令和4年度下期の理論では、平行導体の1mあたりの力の式が問題文に書かれていました)。一方、式が示されない問題では自分で式を立てる必要があり、試験で使える電卓も数式を記憶できないものに限られます(電気技術者試験センターの試験概要)。公式の形だけでなく、記号の意味と単位まで一緒に覚えると、条件が変わった問題にも使えます。
Q関数電卓が使えないのに、三角関数の値はどうやって出しますか?
電気技術者試験センターは、四則演算と開平計算(√)ができる電卓だけを認め、関数電卓は使用できないとしています。そのため、力率cosθが0.8なら sinθ=√(1−0.8²)=0.6 のように、sin²θ+cos²θ=1 と √ キーで求めます。30°・45°・60°の三角比と、√2≒1.414・√3≒1.732 は覚えておくと計算が速くなります。
Q公式を覚える順番はどうすればいいですか?
理論の公式(オームの法則、コンデンサ、磁界、交流)は、電力・機械の計算でもそのまま使います。たとえば電力の電圧降下の式は交流の電力とベクトルの考え方、機械の短絡試験の式はインピーダンスの考え方の上に成り立っています。理論から順に、その公式を使う本試験問題を1問ずつ解きながら覚えると、使う場面と一緒に身につきます。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月7日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

