問題
電圧E[V]の直流電源と静電容量C[F]の二つのコンデンサを接続した図1,図2のような二つの回路に関して,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (図1:電圧E[V]の直流電源に,静電容量C[F]のコンデンサ二つが並列に接続されている。図2:電圧E[V]の直流電源に,静電容量C[F]のコンデンサ二つが直列に接続されている。)
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答え合わせ
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自信の3択
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解説
同じコンデンサ二つを並列(図1)と直列(図2)につないだ回路を比べる問題です(令和4年度下期 問6)。
合成静電容量は,並列が2C,直列がC/2です。蓄えられるエネルギーは W=(1/2)CE² なので,図1は CE²,図2は CE²/4 です。
(3)のように直列を四つにすると合成静電容量はC/4になり,エネルギーは (1/2)×(C/4)×E²=CE²/8 です。図1のCE²とは等しくならず,逆に小さくなるので(3)が誤りです。正答は(3)です。
【基本の値】
図1(並列):合成静電容量 2C,エネルギー W₁=(1/2)(2C)E²=CE²
図2(直列):合成静電容量 C/2,エネルギー W₂=(1/2)(C/2)E²=CE²/4
【(1) 正しい】
2C÷(C/2)=4 なので4倍です。
【(2) 正しい】
W₁=CE²,W₂=CE²/4 で,図1の方が大きくなります。
【(3) 誤り】
四つ直列の合成静電容量は C/4 です。
W=(1/2)(C/4)E²=CE²/8
図1のCE²の1/8で,等しくなりません。直列にするほど合成静電容量は小さくなり,同じ電圧で蓄えられるエネルギーも減ります。
【(4) 正しい】
電源電圧を2Eにすると
W=(1/2)(C/2)(2E)²=CE²
図1と等しくなります。エネルギーは電圧の2乗に比例するので,電圧2倍でエネルギーは4倍です。
【(5) 正しい】
図1では各コンデンサに電圧Eがかかるので,一つ当たりの電荷は CE です。図2では直列なので各コンデンサの電荷は等しく,合成の電荷 (C/2)E=CE/2 と同じです。CE÷(CE/2)=2 で2倍です。
正答は(3)です。
【並列と直列の性質の対比】
並列では電圧が共通で,電荷が各コンデンサの和になるので,合成静電容量は和になります(C+C=2C)。直列では電荷が共通で,電圧が各コンデンサの和になるので,合成静電容量の逆数が和になります(1/C+1/C=2/C)。n個の同じコンデンサなら,並列はnC,直列はC/nです。並列と直列の比はn²倍で,本問の(1)の4倍はn=2の場合です。
【エネルギーを電荷や電圧で表す】
エネルギーは W=(1/2)CV²=(1/2)QV=Q²/(2C) の三通りで表せます。電源につないだまま(電圧一定)なら CV²/2 を使うと比べやすく,電圧が同じならエネルギーは合成静電容量に比例します。本問の(2)〜(4)はすべて電圧を基準に考えると簡単に判断できます。
・(3)で四つ直列にすると合成静電容量が半分(C/2→C/4)になり,エネルギーも半分(CE²/4→CE²/8)になります。図1と等しくするには,逆に合成静電容量を4倍にする必要があります。
・(4)で電圧を2倍にするとエネルギーは4倍(CE²/4→CE²)で,図1と一致します。
【各コンデンサの電圧】
図2の各コンデンサの電圧は E/2 で,一つ当たりのエネルギーは (1/2)C(E/2)²=CE²/8 です。二つで CE²/4 となり,合成静電容量から求めた値と一致します。図1では各コンデンサの電圧はEで,一つ当たり CE²/2,二つで CE² です。直列にすると一つ当たりの電圧が下がる分,耐電圧の低いコンデンサでも使えるという利点があります。
【誤りの記述の作られ方】
(3)は「コンデンサの数を増やせばエネルギーも増える」という直感を突いた記述です。並列なら数を増やすとエネルギーは増えますが,直列では減ります。接続の仕方で増減が逆になることを押さえておく必要があります。
【関連する出題パターン】
・直並列のコンデンサ回路の各コンデンサの電圧・電荷を求める問題
・充電したコンデンサを別のコンデンサにつなぎ替えたときのエネルギーの変化を求める問題
・誘電体を挿入したときの静電容量とエネルギーの変化を問う問題
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


