電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度下期 理論 問7|直流回路(抵抗温度特性)

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

20℃における抵抗値がR₁[Ω],抵抗温度係数がα₁[℃⁻¹]の抵抗器Aと20℃における抵抗値がR₂[Ω],抵抗温度係数がα₂=0℃⁻¹の抵抗器Bが並列に接続されている。その20℃と21℃における並列抵抗値をそれぞれr₂₀[Ω],r₂₁[Ω]とし,(r₂₁-r₂₀)/r₂₀を変化率とする。この変化率として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

温度係数をもつ抵抗器Aと,温度係数0の抵抗器Bを並列にしたとき,1℃上がったときの合成抵抗の変化率を式で求める問題です(令和4年度下期 問7)。

21℃ではAだけが R₁(1+α₁) に変わり,Bは R₂ のままです。並列の合成抵抗は「積/和」なので

r₂₀=R₁R₂/(R₁+R₂),r₂₁=R₁(1+α₁)R₂/{R₁(1+α₁)+R₂}

これを (r₂₁-r₂₀)/r₂₀ に入れて整理すると α₁R₂/(R₁+R₂+α₁R₁) になります。正答は(2)です。

【各温度での抵抗】

抵抗器A:20℃でR₁,21℃では温度が1℃上がるので R₁(1+α₁×1)=R₁(1+α₁)

抵抗器B:α₂=0なので,21℃でもR₂

【並列合成抵抗】

r₂₀=R₁R₂/(R₁+R₂)

r₂₁=R₁(1+α₁)R₂/{R₁(1+α₁)+R₂}=R₁(1+α₁)R₂/(R₁+R₂+α₁R₁)

【変化率】

r₂₁/r₂₀=(1+α₁)(R₁+R₂)/(R₁+R₂+α₁R₁)

変化率=r₂₁/r₂₀-1

={(1+α₁)(R₁+R₂)-(R₁+R₂+α₁R₁)}/(R₁+R₂+α₁R₁)

分子を展開すると R₁+R₂+α₁R₁+α₁R₂-R₁-R₂-α₁R₁=α₁R₂ なので

変化率=α₁R₂/(R₁+R₂+α₁R₁)

【選択肢の確かめ】

分母の「α₁R₁」は,21℃でのAの抵抗の増加分 α₁R₁ が合成の分母に入ったものなので,分母にα₁R₂がある(4)(5)は誤りです。分子は変化しない側のR₂が残るので,分子がα₁R₁の(3)も誤りです。(1)は分子にR₁R₂があり,変化率が無次元にならないので誤りです。

正答は(2)です。

【結果の意味を確かめる】

得られた式 α₁R₂/(R₁+R₂+α₁R₁) の性質を極端な場合で確かめると,式の正しさが分かります。

・R₂→∞(Bが無いのと同じ):分子・分母をR₂で割ると α₁/(R₁/R₂+1+α₁R₁/R₂)→α₁ となり,A単体の温度係数に一致します。

・R₂→0(Bで短絡):変化率→0。合成抵抗はほぼ0のまま変わりません。

・α₁が小さいとき:分母のα₁R₁を無視して 変化率≒α₁R₂/(R₁+R₂) となります。

選択肢(3)の α₁R₁/(R₁+R₂+α₁R₁) では R₂→∞ のとき0になってしまい,A単体の性質と矛盾します。このような確かめ方は,式を選ぶ問題で役立ちます。

【並列の合成温度係数の考え方】

α₁が小さいときの近似式 α₁R₂/(R₁+R₂) は,「Aの温度係数α₁に,合成抵抗に対するAの寄与の割合 R₂/(R₁+R₂) を掛けたもの」と読めます。並列では,抵抗の小さい側に多くの電流が流れ,合成抵抗への影響も大きくなります。Aの抵抗R₁が小さい(R₂が大きい)ほど,Aの温度変化が合成抵抗に強く現れます。

【温度係数を打ち消す工夫】

温度係数の異なる抵抗を組み合わせると,合成抵抗の温度係数を調整できます。例えば正の温度係数の抵抗と負の温度係数の抵抗を適切な比で直列・並列にすると,温度による変化を小さくできます。計測器の分流器や基準抵抗に,温度係数のごく小さいマンガニンなどの合金が使われるのも,温度による誤差を減らすためです。

【関連する出題パターン】

・直列接続した温度係数の異なる抵抗の合成温度係数を求める問題(直列では (α₁R₁+α₂R₂)/(R₁+R₂))

・ある温度で抵抗値が等しくなる条件を求める問題

・温度上昇後の電流・電力の変化を求める問題

式の選択問題では,展開して整理するほか,極端な値を代入して選択肢を絞る方法が有効です。

この問題の根拠出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。