電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度下期 理論 問1|電磁気学(静電界・コンデンサ)

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図に示すように,誘電率 ε₀ [F/m] の真空中に置かれた二つの静止導体球 A 及び B がある。電気量はそれぞれ Q_A [C] 及び Q_B [C] とし,図中にその周囲の電気力線が描かれている。 電気量 Q_A = 16ε₀ [C] であるとき,電気量 Q_B [C] の値として,正しいものを次のうちから一つ選べ。

問題の図(出典: 令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論 問1/電気技術者試験センター)

図の出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論 問1

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

真空中では,Q [C] の電荷から Q/ε₀ 本の電気力線が出ます(負の電荷には Q/ε₀ 本が入ります)。

Q_A = 16ε₀ なので,A からは 16 本の電気力線が出ています。図を数えると,そのうち 8 本は遠くへ広がり,残りの 8 本は B に入っています。B から出ていく線は 1 本もありません。

B には 8 本が入るだけなので,B は負の電荷で,その大きさは 8ε₀ です。よって Q_B = −8ε₀ [C] です。正答は(4)です。

【電気力線の本数の決まり】

ガウスの定理より,真空中で電荷 Q [C] を囲む閉曲面から出る電気力線の本数は Q/ε₀ 本です。正の電荷からは出て,負の電荷には入ります。

【A について】

Q_A = 16ε₀ [C] → 16ε₀/ε₀ = 16 本が A から出ます。図の 16 本の内訳は次のとおりです。

・無限遠へ向かう線:8 本(左側・上下へ広がる線と,B の外側を回って右へ出る 2 本)

・B に入る線:8 本(B の上側から 4 本,下側から 4 本)

【B について】

B を囲む閉曲面を考えると,入る線が 8 本,出る線が 0 本です。正味で 8 本が入っているので

Q_B/ε₀ = −8 → Q_B = −8ε₀ [C]

正答は(4)です。

【誤りの選択肢】

(1)(2) は正の値ですが,B からは線が出ておらず,矢印はすべて B に向かっているので B は負の電荷です。

(3) −4ε₀ は B に入る線を上側(または下側)の 4 本だけ数えた値です。

(5) −16ε₀ は A の線がすべて B に入る場合の値で,実際には 8 本が無限遠へ出ています。

【ガウスの定理による根拠】

∮ D·dS = Q(D = ε₀E)より,∮ E·dS = Q/ε₀ です。電気力線を「電界の強さ E [V/m] の所で 1 m² あたり E 本」と定めると,閉曲面を貫く本数の合計が電界の面積分に等しくなり,閉曲面内の電荷 Q の 1/ε₀ 倍になります。

これが「Q/ε₀ 本」の根拠で,電束(電束密度 D の線)で考えると Q [C] から Q 本の電束が出る,という対応になります。

【全体の電荷で確かめる】

A と B を両方囲む大きな閉曲面を考えると,そこから出る線は無限遠へ向かう 8 本です。

(Q_A + Q_B)/ε₀ = 8 → Q_A + Q_B = 8ε₀ → Q_B = 8ε₀ − 16ε₀ = −8ε₀ [C]

B を単独で囲んだ結果と一致します。

【図の読み方の注意】

・電気力線は正電荷から出て負電荷に入り,途中で交わったり枝分かれしたりしません。

・導体の表面では電気力線は表面に垂直に出入りします。

・A の右側に線が集まっているのは,負の B に引き寄せられて A の右側の表面電荷密度が大きくなっているためです(導体球の電荷は一様には分布しません)。

・B に入る線を数えるときは,B の上側と下側の両方を数えます。片側だけ数えると (3) の −4ε₀ を選んでしまいます。

【関連する考え方】

本問の配置は,電荷の大きさが 2:1 の正負の電荷の組です。異符号で大きさが等しい場合(電気双極子)は,正電荷から出た線はすべて負電荷に入り,無限遠へ出る線はありません。本問では |Q_A| > |Q_B| なので,差の 8ε₀ 分の線が無限遠へ出ていきます。遠く離れた所から見ると,二つの球はまとめて +8ε₀ [C] の一つの電荷のように見えます。

【計算上の要点】

Q を ε₀ の倍数で与える問題は,「本数=Q/ε₀」をそのまま使えるように作られています。数え方さえ正しければ計算はほぼ不要なので,線の矢印の向き(出るか入るか)と本数を確実に数えることが得点の鍵です。

この問題の根拠出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。