電験三種
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電験三種 令和4年度上期 理論 問10|電磁気学(静電界・コンデンサ)

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図の回路において,スイッチSが開いているとき,静電容量C₁=4mFのコンデンサには電荷Q₁=0.3Cが蓄積されており,静電容量C₂=2mFのコンデンサの電荷はQ₂=0Cである。この状態でスイッチSを閉じて,それから時間が十分に経過して過渡現象が終了した。この間に抵抗R[Ω]で消費された電気エネルギー[J]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (図:充電されたC₁=4mF(Q₁=0.3C)と,電荷のないC₂=2mF(Q₂=0C)を,抵抗R[Ω]とスイッチSを介して接続した回路。)

問題の図(出典: 令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問10/電気技術者試験センター)

図の出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問10

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正解は 3
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解説

充電されたコンデンサを空のコンデンサにつないだとき,抵抗で失われるエネルギーを求める問題です(令和4年度上期 問10)。

スイッチを閉じる前のエネルギーは Q₁²/(2C₁)=0.3²/(2×4×10⁻³)=11.25J です。

スイッチを閉じると電荷が移動しますが,電荷の合計0.3Cは変わりません。最後は二つのコンデンサが同じ電圧になり,合成容量6mFに0.3Cがたまった状態と同じなので,エネルギーは 0.3²/(2×6×10⁻³)=7.5J です。

減った 11.25-7.5=3.75J が抵抗で熱として消費されました。正答は(3)です。

【考え方】

抵抗で消費されたエネルギーは,「スイッチを閉じる前のコンデンサのエネルギー」と「過渡現象が終わった後のエネルギー」の差です。電流の時間変化を追う必要はありません。

【閉じる前】

C₁=4mF=4×10⁻³F,Q₁=0.3C

W₀=Q₁²/(2C₁)=0.09/(8×10⁻³)=11.25J

(C₁の電圧は V₁=Q₁/C₁=0.3/(4×10⁻³)=75V)

【閉じた後】

電流が流れなくなると抵抗の電圧は0になり,C₁とC₂の電圧が等しくなります。電荷は二つのコンデンサの間を移動するだけで外へは出ないので,電荷の合計は保存されます。

Q=Q₁+Q₂=0.3C,C₁+C₂=6×10⁻³F

共通の電圧 V=0.3/(6×10⁻³)=50V

W=Q²/{2(C₁+C₂)}=0.09/(12×10⁻³)=7.5J

(内訳:C₁は (1/2)×4×10⁻³×50²=5J,C₂は (1/2)×2×10⁻³×50²=2.5J)

【消費エネルギー】

W_R=W₀-W=11.25-7.5=3.75J

【誤りの選択肢】

(5)7.50は閉じた後に残っているエネルギー,(2)2.50は閉じた後にC₂へたまったエネルギーで,どちらも抵抗で消費された量ではありません。(4)5.63は閉じる前のエネルギーの半分(11.25/2)で,「半分が失われる」という結論は二つのコンデンサの容量が等しい場合にしか成り立ちません。正答は(3)です。

【抵抗の値によらない理由】

問題文にRの値が与えられていないのは,消費エネルギーがRに関係しないからです。スイッチを閉じた直後の電流は V₁/R,時定数は τ=R×C₁C₂/(C₁+C₂) で,電流は i=(V₁/R)e^(-t/τ) と減衰します。抵抗で消費されるエネルギーは

∫i²R dt=(V₁²/R)×(τ/2)=(1/2)×{C₁C₂/(C₁+C₂)}×V₁²

となり,Rが打ち消されます。Rが大きければ電流は小さいが長く流れ,Rが小さければ大きな電流が短時間流れ,熱になる総量は同じです。

【公式として使う形】

初めの電圧がV₁,V₂の二つのコンデンサをつないだときの損失は

ΔW=(1/2)×{C₁C₂/(C₁+C₂)}×(V₁-V₂)²

本問では C₁C₂/(C₁+C₂)=(4×2)/(4+2)mF=(4/3)×10⁻³F,V₁-V₂=75V なので

ΔW=(1/2)×(4/3)×10⁻³×75²=3.75J

と一回で求まり,エネルギー差の計算と一致します。直列合成容量の形が出てくるのは,電荷を移す経路でC₁とC₂が直列に見えるためです。

【失われる割合】

ΔW/W₀=C₂/(C₁+C₂)=2/6=1/3 で,本問では初めのエネルギーの3分の1が熱になります。空のコンデンサが大きいほど失われる割合が大きく,C₁=C₂のときにちょうど半分です。(4)5.63はこの「半分」を当てはめた値です。

【電荷保存とエネルギー非保存】

本問の要点は,電荷は保存されるがコンデンサのエネルギーは保存されないことです。電荷が移る途中で必ず電流が抵抗を通るため,その分のエネルギーが熱として出ていきます。「電荷保存の式で後の電圧を求める」ことと「エネルギーの式で前後を比べる」ことを分けて考えるのが,この種の問題の定石です。電荷の式にエネルギーの保存を持ち込むと,答えが合わなくなります。

【関連する出題パターン】

・つないだ後の共通電圧や,各コンデンサの電荷を求める問題

・極性を逆にしてつないだ場合(電荷の合計は Q₁-Q₂ になる)

・直流電源からコンデンサを充電するとき,電源が供給したエネルギーの半分が抵抗で失われる問題

いずれも「電荷保存で後の状態を決め,エネルギー差を取る」手順で解けます。

この問題の根拠出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。