電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 理論 問6電磁誘導・インダクタンス

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図のように,R₁=20 Ωと R₂=30 Ωの抵抗,静電容量 C=1/(100π) [F]のコンデンサ,インダクタンス L=1/(4π) [H]のコイルからなる回路に周波数 f [Hz]で実効値 V [V]が一定の交流電圧を加えた。f=10 Hz のときに R₁ を流れる電流の大きさを I(10Hz) [A],f=10 MHz のときに R₁ を流れる電流の大きさを I(10MHz) [A]とする。このとき,電流比 I(10Hz)/I(10MHz) の値として,最も近いものを次のうちから一つ選べ。

問題の図(出典: 令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論 問8/電気技術者試験センター)

図の出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論 問8

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

回路は、電源に R₁ が直列につながり、その先で C・L・R₂ が三つ並列になっています。周波数ごとに C と L の「通しやすさ」が変わるので、10 Hz と 10 MHz を分けて考えます。

10 Hz のとき:コンデンサのリアクタンスは 1/(2π×10×1/(100π))=5 Ω、コイルは 2π×10×1/(4π)=5 Ω で、同じ大きさです。C と L を並列にすると、この組はちょうど打ち消し合って電流を通さない(開放と同じ)状態になります。残るのは R₁ と R₂ の直列なので、電流は I(10Hz)=V/(20+30)=V/50。

10 MHz のとき:周波数がとても高いので、コンデンサはほぼ導線(ショート)、コイルはほぼ断線(開放)になります。C が R₂ を飛び越えてショートするため、電流を決めるのは R₁ だけで、I(10MHz)=V/20。

比は (V/50)÷(V/20)=20/50=0.4。正答は 5 です。

【回路の読み取り】電源 V に R₁ が直列、その先に C・L・R₂ の並列部分がつながる。R₁ を流れる電流=電源電流。

【10 Hz のとき】

X_C=1/(2πfC)=1/(2π×10×1/(100π))=1/0.2=5 Ω

X_L=2πfL=2π×10×1/(4π)=5 Ω

X_L=X_C なので L と C の並列部は並列共振(反共振)となり、アドミタンスの和が 0(インピーダンス無限大=開放)。

→ 電流は R₁+R₂ を通る:I(10Hz)=V/(20+30)=V/50

【10 MHz のとき】

X_C=1/(2π×10⁷×1/(100π))=1/(2×10⁵)=5×10⁻⁶ Ω ≒ 0(ほぼ短絡)

X_L=2π×10⁷×1/(4π)=5×10⁶ Ω(ほぼ開放)

C が短絡状態なので R₂ も短絡され、電流は R₁ だけで決まる:I(10MHz)=V/20

【電流比】I(10Hz)/I(10MHz)=(V/50)/(V/20)=20/50=0.4 → 選択肢 5

【ひっかけ】10 Hz で「LC 共振だから電流が最大」と考えるのは直列共振との取り違え。並列共振では電源から見て LC 部が開放になり、電流は小さくなる。正答は 5。

本問は「周波数を変えると回路がどう単純化されるか」を問う問題で、素子の周波数特性を読み取る力で解きます。

【並列共振の確認】

L と C の並列合成アドミタンスは Y=j(ωC-1/(ωL))。共振周波数 f₀=1/(2π√(LC))。

LC=1/(100π)×1/(4π)=1/(400π²) より √(LC)=1/(20π)、f₀=1/(2π×1/(20π))=10 Hz。

つまり 10 Hz はちょうど LC 並列共振周波数。このとき ωC=1/(ωL)=0.2 S(X=5 Ω)となり、Y=0(理想素子なら開放)。R₂ は電流が流れる唯一の枝として直列に残る。

→ 合成インピーダンス Z(10Hz)=R₁+R₂=50 Ω、I(10Hz)=V/50

【高周波極限】

ω→大で ωC→大(C は短絡)、ωL→大(L は開放)。並列部のアドミタンスは C で支配され、R₂ を含む並列部のインピーダンスは 0 に近づく。

10 MHz での並列部の合成インピーダンスは |Z|≒X_C=5×10⁻⁶ Ω で、R₁=20 Ω に比べ無視できる。

→ I(10MHz)≒V/R₁=V/20

【結論】I(10Hz)/I(10MHz)=R₁/(R₁+R₂)=20/50=0.4(選択肢 5)。

【検算のコツ】比を取ると V は消える。「共振 10 Hz は R₁+R₂、高周波は R₁ だけ」と二つの状況を作れば、ほぼ暗算で答えが出る。

【実務への接続】並列共振(反共振)は、力率改善用コンデンサと系統のインダクタンスが特定の高調波で共振して高調波電流を拡大する現象として現れる。そのため高調波対策では直列リアクトルを入れて共振周波数をずらす。電験では「どの周波数で何が開放・短絡になるか」を最初に整理する習慣が、複雑な回路でも有効。正答は 5。

この問題の根拠出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。