電験三種 理論 問4:電磁気・回路理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14)
次の文章は,それぞれのダイオードについて述べたものである。 a.可変容量ダイオードは,通信機器の同調回路などに用いられる。このダイオー ドは,pn 接合に (ア) 電圧を加えて使用するものである。 b.pn 接合に (イ) 電圧を加え,その値を大きくしていくと,降伏現象が起き る。この降伏電圧付近では,流れる電流が変化しても接合両端の電圧はほぼ一 定に保たれる。定電圧ダイオードは,この性質を利用して所定の定電圧を得る ようにつくられたダイオードである。 c.レーザダイオードは光通信や光情報機器の光源として利用され,pn 接合に (ウ) 電圧を加えて使用するものである。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(ウ)に当てはまる語句として,正しいものを組み 合わせたのは次のうちどれか。 (ア) (イ) (ウ)
- 1順方向 順方向 逆方向
- 2逆方向 逆方向 順方向正答
- 3逆方向 順方向 逆方向
- 4順方向 逆方向 順方向
- 5逆方向 逆方向 逆方向
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各ダイオードの動作電圧の向きを整理します。(ア)可変容量ダイオード(バリキャップ):逆方向電圧を加えると空乏層が広がり接合容量が変化します。同調回路の容量可変素子として使用。(イ)定電圧ダイオード(ツェナーダイオード):逆方向電圧を大きくすると降伏現象が起き,その電圧でクランプされます。(ウ)レーザダイオード:順方向電圧を加えると電子と正孔の再結合により誘導放出(レーザ発振)が生じます。(ア)逆方向,(イ)逆方向,(ウ)順方向の組合せが正しく,正答は(2)です。
三種類のダイオードの動作条件の比較です。
【可変容量ダイオード(バリキャップ):(ア)逆方向電圧】
逆方向電圧Vrを増加→空乏層幅W増大→接合容量Cj=ε₀A/W が減少
電圧制御で容量を変化させてLC共振周波数を調整(電子チューナー)
【定電圧ダイオード(ツェナー):(イ)逆方向電圧】
逆方向電圧→降伏電圧VZで電圧がクランプ
降伏メカニズム:VZ<5V→ツェナー崩壊(トンネル効果),VZ>5V→アバランシェ崩壊
【レーザダイオード(LD):(ウ)順方向電圧】
順方向電流→電子と正孔の再結合→誘導放出→コヒーレント光(レーザ)
光ファイバー通信(1.3/1.55μm帯),光ディスク(CD/DVD/BD)に使用
各選択肢の分析:(1)は(ウ)が逆方向で誤り,(3)(4)(5)はいずれか間違い。正答(2):逆・逆・順。
ダイオードの種類と動作原理は電験三種「理論」電子回路の基礎です。
【pn接合の逆方向特性】
逆方向電圧Vr印加時の空乏層幅:W∝√(Vbi+Vr)(Vbi:拡散電位≒0.6V for Si)
接合容量:Cj∝1/√(Vbi+Vr)(バリキャップの動作原理)
ツェナー電圧の温度係数:ツェナー崩壊は負(温度↑でVz↓),アバランシェは正(温度↑でVz↑)
【レーザダイオードの閾値電流と発振条件】
順方向電流が閾値電流Ith以上でレーザ発振開始(誘導放出がフォトン吸収を超える)
DFB(分布帰還型)LD:単一縦モード,波長安定性高→光ファイバー通信用
変調速度:数Gbps〜数十Gbps(光ファイバー高速通信の主役)
【電験二種への接続】
電験二種では,半導体のフェルミ準位,バンドギャップと発光波長(E[eV]≒1.24/λ[μm]),P-I特性(光出力vs電流)の温度依存性が出題されます。実務では,系統保護装置の定電圧基準(ツェナー),太陽光発電のバイパスダイオード(ホットスポット防止),電力変換装置の逆流防止ダイオード(整流器)の保守に直接関わります。
【電磁気・回路理論の統合的理解(電験二種レベル)】
電磁気理論と回路理論は,マクスウェルの方程式によって統一的に記述されます。
①マクスウェルの方程式(積分形):
∮E·dl=-dΦB/dt(ファラデー法則),∮H·dl=I+dΦD/dt(アンペール・マクスウェル法則)
∮D·dA=Q_enc(ガウス法則),∮B·dA=0(磁束の連続性)
②回路素子とマクスウェル方程式の対応:R(オームの法則:J=σE),C(ガウス法則),L(ファラデー法則)
③電磁波(電磁場の波):√(με)×光速=1,平面波のインピーダンスη=√(μ/ε) [Ω]
【実務での電磁気・回路理論の応用】
・系統インピーダンス計算:短絡電流Ik=V/(√3×Z),%インピーダンス法による計算
・電磁両立性(EMC):設備が発生する電磁妨害(EMI)とイミュニティ(EMS)の管理,JIS C 61000シリーズ
・大電流設備の電磁力設計:母線の電磁力(F=μ₀I₁I₂l/(2πd)),地絡事故時の異常電磁力による母線変形防止
・高周波設備(インバータ,スイッチング電源):スイッチングサージ電圧,EMI対策(フィルタ,シールド)
・接地システム設計:接地インピーダンス(抵抗+インダクタンス),高周波接地の表皮効果
電気主任技術者の業務では,電磁環境管理(EMC),接地設計,高調波対策がますます重要になっています。
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。