電験三種 理論 問2:電磁気・回路理論
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14)
水晶振動子と水晶発振回路に関する記述として,誤っているものを次のうちから一つ選べ。
- 1水晶振動子は,水晶片を二つの電極で挟んだ素子である。
- 2水晶振動子の電気的な等価回路には,直列共振周波数と並列共振周波数の差 が非常に小さいという特徴がある。
- 3水晶発振回路は,LC 発振回路のコンデンサを水晶振動子に置き換えたもの である。正答
- 4水晶発振回路は,LC 発振回路と比較して周波数変動が非常に小さい。
- 5水晶発振回路を用いた周波数シンセサイザは,無線送信機の周波数源として 利用されている。
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水晶振動子はpn接合ではなく圧電効果を利用した素子で,水晶片を二つの電極で挟んだ構造です(記述1:正しい)。水晶振動子の等価回路には直列共振と並列共振の二つの共振周波数があり,その差が非常に小さいのが特徴です(記述2:正しい)。水晶発振回路はLC発振回路より周波数変動が格段に小さく(記述4:正しい),無線機の周波数シンセサイザにも使用されます(記述5:正しい)。誤りは記述3です。水晶発振回路は「LC発振回路のコンデンサを水晶振動子に置き換えたもの」ではなく,「コイル(インダクタンス)を水晶振動子に置き換えたもの」です。水晶振動子は直列・並列共振周波数の間の狭い帯域でインダクティブに振る舞うため,コイルの代わりに使えます。正答は(3)です。
水晶振動子と発振回路の各記述の正誤を検討します。
(1)正しい:水晶片を二つの電極で挟んだ圧電素子構造。
(2)正しい:直列共振周波数fsと並列共振周波数fpの差が極めて小さい(高Q値:Q=10,000〜500,000)。
(3)誤り:「コンデンサを水晶振動子に置き換え」は誤り。正しくは「コイル(インダクタンス)を水晶振動子に置き換えたもの」。水晶振動子はfs〜fpの極めて狭い帯域でインダクティブ(誘導性)インピーダンスを示すため,コイルの代替として機能する。コルピッツ発振回路・ハートレー発振回路のコイル部分に水晶振動子を挿入した構成が一般的。
(4)正しい:高Q値による優れた周波数安定性(LC発振の数百倍以上)。
(5)正しい:PLLと組み合わせた周波数シンセサイザは無線通信機器の標準構成。
水晶発振回路は電験三種「理論」電子回路の重要論点です。
【バルクハウゼン発振条件】
①振幅条件:ループゲインA|β|≥1
②位相条件:ループ位相θ=0°(360°の整数倍)
水晶振動子をインダクタ代替として用いることで,高Q・高安定度の発振が実現します。
【水晶発振回路の種類と周波数安定度】
・普通型:±0.001%程度
・温度補償型(TCXO):±0.0001%程度(GPS/LTE基地局)
・恒温槽型(OCXO):±0.00001%以下(高精度測定器)
【電験二種への接続】
電験二種では帰還型発振回路の発振条件の数式的証明(複素数での位相・振幅解析),水晶振動子の等価回路パラメータ(L,C,C₀,R)の計算が出題されます。実務では,系統保護リレーの発振器として精度の高い周波数基準が必要であり,水晶発振回路の原理理解が保護装置の保守に役立ちます。
【電磁気・回路理論の統合的理解(電験二種レベル)】
電磁気理論と回路理論は,マクスウェルの方程式によって統一的に記述されます。
①マクスウェルの方程式(積分形):
∮E·dl=-dΦB/dt(ファラデー法則),∮H·dl=I+dΦD/dt(アンペール・マクスウェル法則)
∮D·dA=Q_enc(ガウス法則),∮B·dA=0(磁束の連続性)
②回路素子とマクスウェル方程式の対応:R(オームの法則:J=σE),C(ガウス法則),L(ファラデー法則)
③電磁波(電磁場の波):√(με)×光速=1,平面波のインピーダンスη=√(μ/ε) [Ω]
【実務での電磁気・回路理論の応用】
・系統インピーダンス計算:短絡電流Ik=V/(√3×Z),%インピーダンス法による計算
・電磁両立性(EMC):設備が発生する電磁妨害(EMI)とイミュニティ(EMS)の管理,JIS C 61000シリーズ
・大電流設備の電磁力設計:母線の電磁力(F=μ₀I₁I₂l/(2πd)),地絡事故時の異常電磁力による母線変形防止
・高周波設備(インバータ,スイッチング電源):スイッチングサージ電圧,EMI対策(フィルタ,シールド)
・接地システム設計:接地インピーダンス(抵抗+インダクタンス),高周波接地の表皮効果
電気主任技術者の業務では,電磁環境管理(EMC),接地設計,高調波対策がますます重要になっています。
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
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執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。