電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度下期 理論 問7|電磁気・回路理論

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図のように,可変抵抗R₁[Ω],R₂[Ω],抵抗Rx[Ω],電源E[V]からなる直流回路がある。次に示す条件1 のときのRx[Ω]に流れる電流I の値[A]と条件2 のときの電流I の値[A]は等しくなった。このとき,Rx の値[Ω]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。 条件1:R₁=90 Ω,R₂=6 Ω 条件2:R₁=70 Ω,R₂=3 Ω

問題の図(出典: 令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論 問7/電気技術者試験センター)

図の出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論 問7

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

回路はR₁の先にR₂とRxが並列につながった形です。電源からの全電流はE/(R₁+R₂Rx/(R₂+Rx))で,そのうちRxに流れる分は分流でR₂/(R₂+Rx)倍になります。まとめるとI=E×R₂/(R₁R₂+R₁Rx+R₂Rx)。条件1(R₁=90Ω,R₂=6Ω)ではI=6E/(540+96Rx),条件2(R₁=70Ω,R₂=3Ω)ではI=3E/(210+73Rx)。両者を等しいとおくと6(210+73Rx)=3(540+96Rx),1260+438Rx=1620+288Rx,150Rx=360でRx=2.4Ω。正答は(2)です。

【Rxに流れる電流の式】

並列部の合成抵抗:R₂Rx/(R₂+Rx)

全電流:I₀=E/{R₁+R₂Rx/(R₂+Rx)}=E(R₂+Rx)/(R₁R₂+R₁Rx+R₂Rx)

分流:I=I₀×R₂/(R₂+Rx)=E×R₂/(R₁R₂+R₁Rx+R₂Rx)

【条件ごとに代入】

条件1(R₁=90,R₂=6):分母=540+90Rx+6Rx=540+96Rx → I₁=6E/(540+96Rx)

条件2(R₁=70,R₂=3):分母=210+70Rx+3Rx=210+73Rx → I₂=3E/(210+73Rx)

【I₁=I₂ を解く】

6(210+73Rx)=3(540+96Rx)

1260+438Rx=1620+288Rx

150Rx=360 → Rx=2.4 Ω → 選択肢(2)

【検算(Rx=2.4Ω)】

条件1:分母=540+230.4=770.4 → I₁=6E/770.4≒0.00779E

条件2:分母=210+175.2=385.2 → I₂=3E/385.2≒0.00779E ✓

Eの値が分からなくても,Eは両辺で約分されるので答えが決まります。

【別解:テブナンの定理】

Rxを外した端子から見ると,開放電圧V_th=E×R₂/(R₁+R₂),内部抵抗R_th=R₁R₂/(R₁+R₂)。I=V_th/(R_th+Rx)です。

条件1:V_th1=6E/96=E/16=0.0625E,R_th1=540/96=5.625Ω

条件2:V_th2=3E/73≒0.04110E,R_th2=210/73≒2.877Ω

(E/16)/(5.625+Rx)=(3E/73)/(210/73+Rx)

左辺は6E/(540+96Rx),右辺は3E/(210+73Rx)と同じ形に直せるので,6(210+73Rx)=3(540+96Rx)からRx=2.4Ω。

検算:(E/16)/(5.625+2.4)=E/128.4≒0.00779E,0.04110E/(2.877+2.4)≒0.00779E ✓

【並列部の電圧で見る】

Rxが同じで電流も同じなら,並列部の電圧も等しいはずです。

条件1:並列部合成=6×2.4/8.4≒1.714Ω,全抵抗=91.714Ω → 並列部電圧=E×1.714/91.714≒0.01869E

条件2:並列部合成=3×2.4/5.4≒1.333Ω,全抵抗=71.333Ω → 並列部電圧=E×1.333/71.333≒0.01869E

どちらも0.01869E÷2.4≒0.00779Eで一致し,答えの裏付けになります。

【注意点】

電源から流れ出る全電流I₀どうしを等しいとおくと,R₁=90Ωの条件1は常にR₁=70Ωの条件2より全抵抗が大きいため解がありません。等しいのは「Rxに流れる電流」であり,分流の係数R₂/(R₂+Rx)を必ず掛けます。

【本問の教訓】

未知の電源電圧Eが含まれていても,「2つの状態の比較」であればEは約分で消えます。電流の一般式を1本立ててから条件を代入する方が,条件ごとに数値計算を繰り返すより速く確実です。

【電験二種・実務への接続】

変電設備の短絡容量計算,電力潮流解析(テブナン等価インピーダンスの計算),変圧器の短絡試験での等価インピーダンス決定など,実務で幅広く使われます。

【電磁気・回路理論の統合的理解(電験二種レベル)】

電磁気理論と回路理論は,マクスウェルの方程式によって統一的に記述されます。

①マクスウェルの方程式(積分形):

∮E·dl=-dΦB/dt(ファラデー法則),∮H·dl=I+dΦD/dt(アンペール・マクスウェル法則)

∮D·dA=Q_enc(ガウス法則),∮B·dA=0(磁束の連続性)

②回路素子とマクスウェル方程式の対応:R(オームの法則:J=σE),C(ガウス法則),L(ファラデー法則)

③電磁波(電磁場の波):√(με)×光速=1,平面波のインピーダンスη=√(μ/ε) [Ω]

【実務での電磁気・回路理論の応用】

・系統インピーダンス計算:短絡電流Ik=V/(√3×Z),%インピーダンス法による計算

・電磁両立性(EMC):設備が発生する電磁妨害(EMI)とイミュニティ(EMS)の管理,JIS C 61000シリーズ

・大電流設備の電磁力設計:母線の電磁力(F=μ₀I₁I₂l/(2πd)),地絡事故時の異常電磁力による母線変形防止

・高周波設備(インバータ,スイッチング電源):スイッチングサージ電圧,EMI対策(フィルタ,シールド)

・接地システム設計:接地インピーダンス(抵抗+インダクタンス),高周波接地の表皮効果

電気主任技術者の業務では,電磁環境管理(EMC),接地設計,高調波対策がますます重要になっています。

この問題の根拠出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録
  • 定期監査問題文の条件(可変抵抗の値)と単位が抜けていたため、公式の問題どおりに補い、解説を書き直しました(正答は変更なし)。
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。