理論1交流回路

電験三種 理論 問1:交流回路

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-14

目盛が正弦波交流に対する実効値になる整流形の電圧計(全波整流形)があ る。この電圧計で図のような周期20 ms の繰り返し波形電圧を測定した。 このとき,電圧計の指示の値[V]として,最も近いものを次のうちから一つ選べ。

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  • 44.44正答
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正答:44.44

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整流形電圧計(全波整流形)は,交流電圧を全波整流した後の平均値を測定し,「指示値=平均値×正弦波の波形率」として正弦波実効値を指示します。正弦波の波形率はπ/(2√2)≒1.111です。本問の波形は周期20 msのうち前半10 msは8 V,後半10 msは0 Vの繰り返し波形です。全波整流後の平均値Vav=(8×10+0×10)/20=4.0 V。電圧計の指示値=4.0×1.111≒4.44 V。正弦波以外の波形では実際の実効値(8/√2≒5.66 V)とは異なる値を示します(波形誤差)。正答は(4)4.44 Vです。

標準試験対策の基準レベル

整流形電圧計の指示値計算です。

【基本原理】

全波整流形電圧計の指示値=平均値×波形率k

正弦波の波形率:k=実効値/平均値=(Vm/√2)/(2Vm/π)=π/(2√2)≒1.111

【本問の計算】

波形:前半10 ms→8 V,後半10 ms→0 V(方形波)

①全波整流後の平均値:Vav=(8×10+0×10)/20=4.0 V

②電圧計の指示値:V指示=4.0×1.111≒4.44 V → 選択肢(4)

【比較】実際の実効値:Vrms=√(8²×10/20)=8/√2≒5.66 V(選択肢(1))

波形誤差率≒(5.66-4.44)/5.66≒21.6%の過小表示

誤り選択肢:(1)5.66は実効値そのもの,(5)4.00は整流平均値のまま,(2)(3)は計算途中の誤り値。

上級誤答論破・根拠規定・実務応用まで深掘り

整流形電圧計の波形誤差は電験三種「理論」計測分野の頻出論点です。

【波形率・波高率の比較】

・正弦波:波形率π/(2√2)≒1.111,波高率√2≒1.414

・方形波:波形率1.000(実効値=平均値),波高率1.000

・三角波:波形率2/√3≒1.155,波高率√3≒1.732

・本問の波形(デューティ50%方形波):波形率Vrms/Vav=(8/√2)/4.0≒1.414(方形波とは異なる)

【測定誤差の定量的理解】

本問の指示値4.44 V vs 実効値5.66 Vで約21.6%の過小表示。

整流形計器で非正弦波を測定すると大きな誤差が生じます。

【電験二種・実務への接続】

インバータ駆動機器や非線形負荷(整流器,スイッチング電源)の電流には高調波が含まれます。実効値応答形デジタルクランプメータ(True RMS)を使わないと大きな誤差が生じます。IEC 61000-4-7準拠の電力品質測定では,高調波次数ごとの実効値を個別測定します。電気主任技術者として正しい計測器選定の知識は,設備の適正容量設計・異常電流検出に不可欠です。

【交流回路の発展的内容(電験二種レベル)】

電験二種「理論」では,交流回路の問題が格段に高度化します。

①複素電力と電力三角形:S=P+jQ=VI*(VI の複素共役)。|S|=VI [VA],P=Re[S]=VIcosφ [W],Q=Im[S]=VIsinφ [var]。

②対称三相交流:線間電圧VL=√3×相電圧VP,線電流IL=相電流(Y接続),3相電力P=√3×VL×IL×cosφ。

③三相不平衡回路:対称座標法(正相・逆相・零相成分)による解析。不平衡係数で系統品質を評価。

④フーリエ級数展開:非正弦波電圧・電流を基本波と高調波の和に分解。実効値I²=I₁²+I₂²+I₃²+···。

【実務での交流回路知識の応用】

電気主任技術者として日常的に接する業務:

・力率改善コンデンサの容量計算(tanφ₁からtanφ₂への改善に必要なQc=P(tanφ₁-tanφ₂))

・変圧器の電圧変動率計算(δ=p·cosφ+q·sinφ,p:抵抗分,q:リアクタンス分)

・電動機始動電流(全電圧始動は定格電流の5〜8倍,スターデルタ始動で1/3に低減)

・保護リレー整定計算(OCR,GRの動作電流・時間整定,CTの飽和判定)

・高調波による機器への悪影響(変圧器鉄損増大,コンデンサ過電流,系統電圧ひずみ)

これらはすべて交流回路の基礎知識の上に成立する実務技術です。

出典・根拠について

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています(公式FAQで教育目的の許諾不要・使用料不要を明示容認・GREEN判定)。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

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