電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度上期 理論 問12|電磁気・回路理論

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

真空中において,電子の運動エネルギーが400eVのときの速さが1.19×10⁷m/sであった。電子の運動エネルギーが100eVのときの速さ[m/s]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,電子の相対性理論効果は無視するものとする。

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正解は 2
  • 1
  • 2
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  • 4
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自信の3択

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解説

運動エネルギーが変わったときの電子の速さを求める問題です(令和4年度上期 問12)。

運動エネルギーは W=(1/2)mv² なので,速さvは √W に比例します。

エネルギーが400eVから100eVへ1/4になると,速さは √(1/4)=1/2 倍です。

1.19×10⁷×1/2=5.95×10⁶m/s

電子の質量や電荷の値を知らなくても,比で計算できます。

エネルギーが1/4なので速さも1/4倍(2.98×10⁶)と考えるのはよくある間違いです。速さは「エネルギーの平方根」に比例する点を押さえましょう。正答は(2)です。

【速さとエネルギーの関係】

相対性理論効果を無視するので,質量m[kg]の電子が速さv[m/s]で動くときの運動エネルギーは

W=(1/2)mv²

これをvについて解くと

v=√(2W/m)

mは一定なので,vは√Wに比例します。

【比で計算する】

400eVのときの速さをv₁,100eVのときの速さをv₂とすると

v₂/v₁=√(W₂/W₁)=√(100/400)=√0.25=0.5

v₂=0.5×1.19×10⁷=5.95×10⁶m/s

eVはエネルギーの単位(1eVは電子が1Vの電位差で加速されて得るエネルギー)で,比を取るとそのまま使えます。J(ジュール)へ換算する必要はありません。

【誤りの選択肢】

(1)2.98×10⁶は,速さがエネルギーに比例すると考えて1/4倍にした値です。(3)2.38×10⁷は,エネルギーが減ったのに速さを2倍にした値で,比の向きが逆です。(4)(5)は10⁹m/sの桁で,光速(約3×10⁸m/s)を超えており,物理的にありえません。正答は(2)です。

【比だけで解ける構造】

本問は,電子の質量や素電荷の値が与えられていません。400eVのときの速さが与えられているので,「v∝√W」という関係だけで答えが出るように作られています。比で解く問題では,比例関係が一乗か,二乗か,平方根かを正しく見極めることが核心です。(1)と(3)は,この見極めを誤ったときの値として並べられています。

【物理定数を使った検算】

電子の質量 m≒9.109×10⁻³¹kg,素電荷 e≒1.602×10⁻¹⁹C を使うと,100eVは

W=100×1.602×10⁻¹⁹=1.602×10⁻¹⁷J

v=√(2×1.602×10⁻¹⁷/9.109×10⁻³¹)=√(3.518×10¹³)≒5.93×10⁶m/s

となり,比で求めた5.95×10⁶m/sとほぼ一致します(差は与えられた1.19×10⁷の丸めによるものです)。

【電位差で加速される電子】

静止した電子を電位差V[V]で加速すると,電界がした仕事eVがすべて運動エネルギーになり

(1/2)mv²=eV,v=√(2eV/m)

です。「400eVのエネルギーをもつ電子」は「400Vで加速された電子」と同じ速さになります。加速電圧を4倍にしても速さは2倍にしかならないことは,電子ビームを扱う問題でよく使われます。

【相対性理論効果を無視する理由】

ただし書で相対性理論効果を無視するとしているのは,(1/2)mv² の式が速さが光速に比べて十分小さいときにしか成り立たないためです。本問の速さは光速の数%程度なので,この近似で問題ありません。(4)(5)のような10⁹m/sは光速を超えており,ただし書の前提を外れるだけでなく,現実に起こりえない値です。桁の見当をつけるだけでも二つの選択肢を除外できます。

【関連する出題パターン】

・電位差Vで加速された電子の速さを,e・mの値から直接計算する問題

・電界中の電子が受ける力 F=eE と加速度 a=eE/m

・磁界中を運動する電子のローレンツ力と円運動の半径 r=mv/(eB)

いずれも「エネルギー」「力」「運動」の関係を式で結ぶことが基本です。

この問題の根拠出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。