電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和6年度上期 理論 問4|電磁気学(磁気回路)

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図のように,A,B 2本の平行な直線導体があり,導体Aには1.2 Aの,導体Bにはそれと反対方向に3 Aの電流が流れている。導体AとBの間隔がl [m]のとき,導体Aより0.3 m離れた点Pにおける合成磁界が零になった。lの値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,導体A,Bは無限長とし,点Pは導体A,Bを含む平面上にあるものとする。

問題の図(出典: 令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問4/電気技術者試験センター)

図の出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問4

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解説

反対向きの電流が流れる2本の直線導体の外側の点Pで、磁界が打ち消し合う条件から間隔lを求める問題です(令和6年度上期 問4)。

無限長の直線電流がつくる磁界は H=I/(2πr) です。点Pは導体Aから0.3 m、導体Bから(0.3+l) mの位置にあり、電流が反対向きなので、2つの磁界はPで逆向きになります。

大きさが等しくなる条件 1.2/(2π×0.3)=3/{2π(0.3+l)} から 0.3+l=0.75、l=0.45 m。正答は(2)です。

【磁界の向き】(令和6年度上期 問4)

図では導体Aの電流が上向き、導体Bの電流が下向きで、点PはAの左側0.3 mにあります。右ねじの法則より、

・Aの電流(上向き)が左側の点Pにつくる磁界:紙面の裏から表へ向かう向き

・Bの電流(下向き)が左側の点Pにつくる磁界:紙面の表から裏へ向かう向き

となり、2つの磁界は逆向きです。大きさが等しければ合成磁界は零になります。

【大きさの条件】

直線電流Iから距離rの点の磁界は H=I/(2πr) [A/m] です。

H_A=1.2/(2π×0.3)

H_B=3/{2π(0.3+l)}

H_A=H_B とおくと、2πは両辺で約分できて

1.2/0.3=3/(0.3+l)

4=3/(0.3+l)

0.3+l=0.75

l=0.45 m

よって正答は(2)です。

【間違えやすい点】

・(4)の0.75は点Pから導体Bまでの距離(0.3+l)で、ここからAまでの0.3 mを引き忘れると選んでしまいます。

・点Pから導体Bまでの距離をlとしてしまうと、図の寸法と合わない式になります。図ではlはAとBの間隔で、PからBまでは0.3+lです。

【零点が外側にできる理由】(令和6年度上期 問4)

2本の導体の電流が反対向きのとき、導体の間の点では両方の磁界が同じ向きになって強め合い、打ち消し合うことはありません。外側の点では磁界が逆向きになるので、打ち消し合う点が存在しえます。さらに、磁界は電流に比例し距離に反比例するので、大きさが等しくなるのは電流の小さい導体の外側です。本問では小さい方の電流1.2 AのAの外側に点Pがあり、Aに近いぶん1.2 Aでも3 Aの磁界と釣り合うことができます。

【比で解く】

H=I/(2πr) より、磁界が等しい点では「距離の比=電流の比」になります。

r_A:r_B=I_A:I_B=1.2:3=2:5

r_A=0.3 m なので r_B=0.3×5/2=0.75 m、l=r_B-r_A=0.45 m

2πやμ₀を書かなくても、比だけで答えが出ます。

【電流が同じ向きの場合】

もし2本の電流が同じ向きなら、外側の点では磁界が同じ向きに重なり、零点は2本の導体の間にできます。その場合はAから距離x、Bから距離(l-x)の点で I_A/x=I_B/(l-x) を解くことになります。電流の向きによって零点の位置が導体の間か外側かが変わることは、図を描いて右ねじの法則で向きを確かめれば判断できます。

【ただし書の意味】

「無限長」は H=I/(2πr) を使ってよいことを、「点Pは導体A、Bを含む平面上」は、2つの磁界がともにこの平面に垂直で、同じ直線上(同じ向きか逆向き)に重なることを保証するための条件です。平面から外れた点では2つの磁界の向きが一直線にならないため、この式だけでは扱えません。

【出題のねらい】

直線電流の磁界の式と右ねじの法則を組み合わせる基本問題です。距離の取り方(Pから各導体まで)と、打ち消し合う点が導体の外側にあることを、図に描き込んで確かめると、0.75(PからBまでの距離)のような紛らわしい値に惑わされません。

この問題の根拠出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。