電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和6年度上期 理論 問5|直流回路

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図の直流回路において,抵抗R=10 Ωで消費される電力の値[W]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

問題の図(出典: 令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問5/電気技術者試験センター)

図の出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問5

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 1
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

2つの電源をもつ直流回路で、真ん中の抵抗R=10 Ωの消費電力を求める問題です(令和6年度上期 問5)。

Rを外して左右をそれぞれテブナンの等価回路に置き換えると、左側は 60×40/(40+40)=30 V・内部抵抗20 Ω、右側は 80×60/(60+60)=40 V・内部抵抗30 Ωになります。

2つの電源は+側が同じ向き(上側)なので、Rに流れる電流は差の電圧で I=(40-30)/(20+10+30)=1/6 A。

電力は P=RI²=10×(1/6)²≒0.28 W。正答は(1)です。

【方針】(令和6年度上期 問5)

Rの左右の接続点から見て、左側(60 V・40 Ω・40 Ω)と右側(80 V・60 Ω・60 Ω)をそれぞれテブナンの等価回路に置き換えます。図の電池はどちらも長い線(+)が上側です。

【左側の等価回路】

開放電圧:60 Vを40 Ωと40 Ωで分圧 → V₁=60×40/(40+40)=30 V

内部抵抗:電源を短絡すると40 Ωと40 Ωの並列 → R₁=40×40/(40+40)=20 Ω

【右側の等価回路】

開放電圧:80 Vを60 Ωと60 Ωで分圧 → V₂=80×60/(60+60)=40 V

内部抵抗:60 Ωと60 Ωの並列 → R₂=60×60/(60+60)=30 Ω

【Rの電流と電力】

2つの等価電源は+側がともに上なので、Rを通る閉回路では起電力が向かい合い、差の電圧が電流を流します。

I=(V₂-V₁)/(R₁+R+R₂)=(40-30)/(20+10+30)=10/60=1/6 A(右から左へ)

P=RI²=10×(1/6)²=10/36≒0.278 W

最も近いのは0.28 Wで、正答は(1)です。

【検算(節点電位)】

左の接続点の電位 Va=30+20×(1/6)≒33.3 V、右の接続点の電位 Vb=40-30×(1/6)=35 V。Rの両端の電圧は 35-33.3≒1.67 V で、1.67/10≒1/6 A と一致します。

【なぜテブナンの定理が便利か】(令和6年度上期 問5)

求めたいのはRの電流だけなので、R以外の部分を「電圧源+内部抵抗」にまとめれば、1本の閉回路の計算で済みます。本問は左右の構造が同じ形(電源・直列抵抗・並列抵抗)で、それぞれの並列抵抗が直列抵抗と等しいため、開放電圧は電源電圧のちょうど半分、内部抵抗は抵抗の半分になり、暗算でも求められます。

【節点電位法で解くと】

左右の接続点の電位をVa、Vbとして電流則を立てると

左:(60-Va)/40=Va/40+(Va-Vb)/10

右:(80-Vb)/60=Vb/60+(Vb-Va)/10

整理すると

6Va-4Vb=60、-6Va+8Vb=80

これを解いて Vb=35 V、Va=100/3≒33.3 V となり、Rの電流 (Vb-Va)/10=(35-33.3)/10≒1/6 A はテブナンの結果と一致します。

【電源の向きの影響】

左右の電源の+側がどちらも上にあるので、Rには「40 Vと30 Vの差」10 Vだけが加わる形になり、電流は小さくなります。もし一方の電源の向きが逆なら起電力は足し合わされ、電流は (40+30)/60 と大きくなって、電力は選択肢よりはるかに大きな値になります。答えが選択肢の範囲から大きく外れたときは、電池の極性の読み違いを疑います。

【重ね合わせの理で確かめる】

60 Vだけを残すと(80 Vは短絡)、左の等価電源30 V・20 Ωに対し、R+右側の内部抵抗30 Ωがつながり、Rの電流は 30/60=0.5 A(左から右)。80 Vだけを残すと、右の等価電源40 V・30 Ωに対して 40/60≒0.667 A(右から左)。両者を合成すると 0.667-0.5=1/6 A(右から左)で、同じ結果になります。

【出題のねらい】

電力は電流の2乗に比例するため、電流の小さな計算違いが電力では大きな差になります。テブナンの定理・節点電位法・重ね合わせの理のどれでも解けるので、1つの方法で求めたら別の方法で検算する習慣をつけておくと安心です。

この問題の根拠出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。