電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和6年度上期 理論 問1|電磁気・回路理論

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図1に示すような,空気を含む二つの誘電体からなる平行平板電極がある。この下部電極を接地し,上部電極に電圧を加えたときの電極間の等電位線の分布を示す断面図として,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,誘電体の導電性及び電極と誘電体の端効果は無視できるものとする。 参考までに固体誘電体を取り除いた,空気中平行平板電極の場合の等電位線の分布を図2に示す。 (図1:上部電極側に比誘電率ε₁=1(空気)の層,下部電極側に比誘電率ε₂=6(固体)の層があり,下部電極を接地。図2:空気だけの場合は等電位面が電極間に等間隔に並ぶ。選択肢の図はいずれも下側が接地電極。)

問題の図(出典: 令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問1/電気技術者試験センター)

図の出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問1

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

空気(比誘電率1)と固体(比誘電率6)を重ねた平行平板電極で,等電位線がどう並ぶかを選ぶ問題です(令和6年度上期 問1)。

鍵は「電束密度Dは境界をまたいでも同じ」という性質です。電界はE=D/(ε₀εᵣ)なので,比誘電率が小さい空気の層の電界は固体の層の6倍になります。電界が強い所ほど電位が急に変わるので,等電位線は空気の層で密に,固体の層でまばらになります。

また,それぞれの層の中では電界が一様なので,同じ層の中では等電位線は等間隔です。この条件に合うのは,上側(空気)が密で下側(固体)がまばらな図です。正答は(5)です。

【考え方】

端効果を無視すると,電極間の電界は電極に垂直で,各層の中では一様です。境界面に真電荷はないので,境界に垂直な電束密度Dは空気の層と固体の層で等しくなります。

【電界の比】

E₁=D/(ε₀×1),E₂=D/(ε₀×6) より E₁:E₂=6:1

空気の層の電界は固体の層の6倍です。

【等電位線の間隔】

等電位線を同じ電位差ΔVごとに描くと,間隔はΔd=ΔV/E です。電界が6倍の空気の層では間隔が1/6になり,等電位線が密に並びます。各層の中ではEが一定なので間隔も一定です。

図1のように二つの層がほぼ同じ厚さなら,電圧の分担は空気:固体=6:1で,加えた電圧の6/7が空気の層にかかります。

【各選択肢】

(1) 等間隔は誘電体が一種類の場合(図2)の分布で,固体の影響を無視しています。誤り。

(2) 中央付近だけ密になるのは,同じ層の中で電界が変化することになり,一様な電界と矛盾します。誤り。

(3) 密とまばらが逆です。比誘電率の大きい固体のほうが電界は弱くなります。誤り。

(4) 電極付近だけ密になるのも,層の中で電界が一様であることと矛盾します。誤り。

(5) 空気の層で密,固体の層でまばら,各層の中は等間隔。正しい。

正答は(5)です。

【境界条件から考える】

誘電体の境界では,真電荷がなければ「電束密度の法線成分が連続」「電界の接線成分が連続」という二つの条件が成り立ちます。本問は電界が境界に垂直なので前者だけを使い,D₁=D₂ から ε₁E₁=ε₂E₂,つまり E₁/E₂=ε₂/ε₁=6 となります。電位は電界を距離で積分したものなので,電界が強い層ほど電位の傾きが急になり,等電位線の間隔が詰まります。

【直列コンデンサとして見る】

同じ結果は,二つの層を直列のコンデンサと考えても得られます。空気の層の厚さをd₁,固体の層の厚さをd₂,面積をSとすると

C₁=ε₀S/d₁,C₂=6ε₀S/d₂

直列コンデンサには同じ電荷Qがたまるので,電圧はV₁=Q/C₁,V₂=Q/C₂ と静電容量に反比例して分かれます。d₁=d₂ なら V₁:V₂=C₂:C₁=6:1 です。「誘電率が小さい層ほど大きな電圧を受け持つ」と覚えておくと,図を見ただけで判断できます。

【誤りの図が用意された理由】

(1)は固体を入れても分布が変わらないと考えた場合,(3)は「誘電率が大きいほど電界も大きい」と取り違えた場合の図です。(3)と(5)は密とまばらがちょうど入れ替わった図なので,Dの連続からEの大小を正しく導けるかがそのまま問われています。(2)と(4)は,境界や電極の付近で電界が集中するという印象から作られた図ですが,端効果を無視した平行平板では各層の電界は一様で,間隔が変わるのは境界面の一か所だけです。

【関連する出題パターン】

・空気層とガラス板などを重ねたコンデンサで,空気層の電界の強さや,空気層で絶縁破壊が起きる電圧を求める計算問題

・固体絶縁物の中に空げき(ボイド)があると,比誘電率の小さい空げきに電界が集中して部分放電が起きやすいという定性問題。本問の結論がそのまま根拠になります

・境界面に斜めに電界が入る場合の屈折(tanθ₁/tanθ₂=ε₁/ε₂)を問う問題

どれも「Dの法線成分が連続」という一つの条件から解けます。

この問題の根拠出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。