問題
図のような交流回路において,電源の周波数を変化させたところ,共振時のインダクタンスLの端子電圧V_Lは314Vであった。共振周波数の値[kHz]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 (図:電圧1Vの交流電源に,静電容量C,インダクタンスL=10mH,抵抗R=0.5Ωが直列に接続されている。V_LはLの両端の電圧。)
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
RLC直列回路の共振で,コイルの電圧から共振周波数を求める問題です(令和5年度下期 問8)。
直列共振ではコイルとコンデンサのリアクタンスが打ち消し合い,回路のインピーダンスは抵抗Rだけになります。電流は I=1V÷0.5Ω=2A です。
コイルの電圧は V_L=ωL×I なので,ωL=314÷2=157Ω。L=10mH より ω=157÷0.01=15700rad/s,f=ω/(2π)≒2500Hz=2.5kHz です。正答は(2)です。
【共振時の電流】
直列共振では ωL=1/(ωC) となり,リアクタンスの和が0になります。インピーダンスは Z=R=0.5Ω なので
I=V/R=1/0.5=2[A]
【コイルのリアクタンス】
V_L=X_L×I より
X_L=V_L/I=314/2=157[Ω]
【共振周波数】
X_L=2πfL より
f=X_L/(2πL)=157/(2π×10×10⁻³)=157/0.06283≒2499[Hz]≒2.5[kHz]
【ポイント】
Cの値は与えられていませんが,共振時の電流がRだけで決まることと,V_Lの値からX_Lが分かるので,f₀=1/(2π√(LC)) を使わずに解けます。314=100π,157=50π と見ると,f=50π/(2π×0.01)=2500Hz とすぐに計算できます。
【数値の確認】
電源電圧1Vに対し,コイルの電圧は314Vと電源の300倍以上になっています。直列共振ではLとCの電圧が互いに打ち消し合うので,各素子の電圧が電源電圧より大きくなることがあります。
正答は(2)です。
【直列共振の電圧拡大】
直列共振では,コイルの電圧V_L=ωLIとコンデンサの電圧V_C=I/(ωC)は大きさが等しく,位相が180°違うので打ち消し合います。電源電圧はすべて抵抗にかかり,電流は I=V/R と最大になります。このとき
V_L/V=ω₀L/R=Q
をQ(尖鋭度)と呼びます。本問では Q=314/1=314 です。Qが大きい回路ほど,共振時にコイルやコンデンサに電源電圧のQ倍もの電圧が現れます。
【別解:Qの式から】
Q=ω₀L/R より
ω₀=QR/L=314×0.5/0.01=15700[rad/s]
f₀=ω₀/(2π)=15700/6.283≒2499[Hz]
同じく2.5kHzです。
【Cの値も求めておく】
共振条件 ω₀L=1/(ω₀C) から
C=1/(ω₀²L)=1/(15700²×0.01)≒4.06×10⁻⁷[F]≒0.41[μF]
共振周波数の式 f₀=1/(2π√(LC)) にこのCとL=10mHを入れると,確かに約2.5kHzになります。問題文はCを与えずに,V_Lから逆算させる形になっています。
【選択肢の作られ方】
・ωとfの取り違え:ω=15700rad/sをそのままkHzと見たり,2πで割る代わりに掛けたりすると,桁や値が大きくずれます。
・電流を求めずに X_L=V_L/V=314Ω としてしまうと,f≒5.0kHzとなり選択肢にありません。共振時の電流をRから正しく出すことが出発点です。
選択肢が0.5kHz刻みに並んでいるので,πをきちんと扱えば迷わない問題です。
【関連する出題パターン】
・共振時のコンデンサの電圧を求める問題(V_C=V_L)
・Qと帯域幅の関係 Q=f₀/(f₂-f₁)
・並列共振(インピーダンスが最大,電源電流が最小)との比較
直列共振では「電流最大・インピーダンス最小(=R)」,並列共振では「電流最小・インピーダンス最大」と整理しておくと混同しません。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


