電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度上期 理論 問1|電磁気学(静電界・コンデンサ)

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

電圧V[V]に充電された静電容量C[F]のコンデンサと全く充電されていない静電容量2C[F]のコンデンサとがある。これら二つのコンデンサを並列に接続したとき,これらのコンデンサに蓄えられる全静電エネルギー[J]の値として,正しいものは次のうちどれか。

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正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

並列に接続しても電荷はなくならない(電荷保存)ことを使います。初めに静電容量Cのコンデンサにある電荷は Q=CV [C] です。並列に接続すると,この電荷が二つのコンデンサに分かれ,両方の電圧が等しくなります。合成静電容量は C+2C=3C なので,接続後の電圧は V'=Q/(3C)=CV/(3C)=V/3 です。全静電エネルギーは W=(1/2)×3C×(V/3)²=(1/2)×3C×V²/9=(1/6)CV² [J] です。正答は(2)です。

電荷保存則でコンデンサの並列接続を解く問題です。

【手順】

①接続前の電荷:Q=CV(2Cの方は0)

②並列接続後は両端の電圧が等しくなる。合成静電容量 C+2C=3C

③電荷は保存されるので V'=Q/(3C)=V/3

④全静電エネルギー:W=(1/2)(3C)(V/3)²=(1/6)CV²

(検算)W=Q²/(2×3C)=(CV)²/(6C)=(1/6)CV²

【内訳】

Cのコンデンサ:(1/2)C(V/3)²=(1/18)CV²

2Cのコンデンサ:(1/2)(2C)(V/3)²=(1/9)CV²

合計:(1/18+2/18)CV²=(3/18)CV²=(1/6)CV²

【誤りの選択肢】

(1)(1/9)CV²:2Cのコンデンサ1個分だけのエネルギー。全体ではない(誤り)

(4)(1/3)CV²:接続前の(1/2)CV²から接続後の(1/6)CV²を引いた「失われたエネルギー」の値(誤り)

(3)(2/9)CV²,(5)(3/8)CV²:電荷保存から求めた値と一致しない(誤り)

「エネルギーが保存されて(1/2)CV²のまま」と考えるのも典型的な誤りで,その値は選択肢にもありません。

コンデンサの並列接続では,電荷は保存されますが静電エネルギーは保存されません。この違いが本問の核心です。

【一般式】

電圧Vに充電したC₁と,充電していないC₂を並列に接続すると

接続後の電圧:V'=C₁V/(C₁+C₂)

接続後のエネルギー:W'=(C₁V)²/(2(C₁+C₂))=W₀×C₁/(C₁+C₂)(W₀=(1/2)C₁V²)

失われるエネルギー:ΔW=W₀−W'=(1/2)×(C₁C₂/(C₁+C₂))×V²

本問は C₁=C,C₂=2C なので

W'=(1/2)CV²×C/(3C)=(1/6)CV² → 正答(2)

ΔW=(1/2)×(2C²/(3C))×V²=(1/3)CV²

初めのエネルギーの3分の2が失われ,残るのは3分の1です。

【失われたエネルギーはどこへ行くか】

接続の瞬間,二つのコンデンサの電圧差を埋めるように電流が流れ,導線の抵抗でジュール熱になったり,火花や電磁波として放出されたりします。抵抗Rを入れて計算すると,電流 i=(ΔV/R)e^(−t/τ)(τ=R×C₁C₂/(C₁+C₂))による損失∫i²R dtは,Rの値に関係なく(1/2)×(C₁C₂/(C₁+C₂))×V²になります。Rは「損失の大きさ」ではなく「放電の速さ」だけを決めます。ΔWの式に現れるC₁C₂/(C₁+C₂)はC₁とC₂の直列合成容量で,接続時の電流がC₁→C₂と直列の経路を流れることに対応しています。

【数値例】

C=10 μF,V=300 Vなら

接続前:W₀=(1/2)×10×10⁻⁶×300²=0.45 J

接続後:V'=100 V,W'=(1/2)×30×10⁻⁶×100²=0.15 J=(1/6)CV²

損失:0.30 J=(1/3)CV²

【関連論点】

同じ「電荷は保存,エネルギーは減る」構造は,充電済みコンデンサを抵抗で放電させる問題(消費エネルギー=(1/2)CV²)や,零の状態から直流電源で抵抗を通して充電する問題(電源が送るCV²の半分が抵抗で消費)にも共通します。並列接続の問題では,まず電荷保存で接続後の電圧を求め,次にエネルギーを計算する,という順序を崩さないことが確実な解き方です。

この問題の根拠出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

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