電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和6年度上期 理論 問8|交流回路

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図のように,二つのLC直列共振回路A,Bがあり,それぞれの共振周波数がf_A[Hz],f_B[Hz]である。これらA,Bをさらに直列に接続した場合,全体としての共振周波数がf_AB[Hz]になった。f_A,f_B及びf_ABの大小関係として,正しいものを次のうちから一つ選べ。

問題の図(出典: 令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問8/電気技術者試験センター)

図の出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論 問8

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

LC直列回路の共振周波数は f=1/(2π√(LC)) で,LやCが大きいほど低くなります。図より回路AはLとC,回路Bは2LとCです。

f_A=1/(2π√(LC))

f_B=1/(2π√(2LC))=f_A/√2≒0.71f_A

A,Bを直列にすると,インダクタンスはL+2L=3L,静電容量はCとCの直列でC/2になります。

f_AB=1/(2π√(3L×C/2))=1/(2π√(1.5LC))=f_A/√1.5≒0.82f_A

よって f_B<f_AB<f_A です。正答は(3)です。

LC直列回路の共振周波数の大小比較です。

【共振条件】

直列回路のリアクタンス X=ωL−1/(ωC) が0になる周波数が共振周波数で,ω₀=1/√(LC),f₀=1/(2π√(LC))です。

【各回路の合成値と共振周波数】

回路A:L,C → f_A=1/(2π√(LC))

回路B:2L,C → f_B=1/(2π√(2LC))=f_A×(1/√2)≒0.707f_A

直列回路AB:

・インダクタンスは和:L+2L=3L

・静電容量は直列合成:C×C/(C+C)=C/2

・LC積:3L×C/2=1.5LC

→ f_AB=1/(2π√(1.5LC))=f_A×(1/√1.5)≒0.816f_A

0.707f_A<0.816f_A<f_A なので f_B<f_AB<f_A → (3)

【誤りの選択肢の検討】

(1)(2):f_Bをf_Aより大きいとしている。Bはインダクタンスが2倍なのでf_Bの方が低い(誤り)

(4)(5):f_ABを最も低いとしている。直列にするとLは3Lに増えるが,Cは C/2に減るので,LC積は1.5LCにしかならず,Bの2LCより小さい。f_ABはf_Bより高い(誤り)

「直列にすると素子が増えるから共振周波数が下がる」と考えると(4)(5)を選んでしまいます。Cの直列合成で容量が減ることを忘れないことが要点です。

LC直列共振回路を直列につないだときの共振周波数は,「必ず二つの共振周波数の間に入る」という一般的な性質があります。本問はその具体例です。

【計算による確認】

f_A=1/(2π√(LC))

f_B=1/(2π√(2LC))=f_A/√2

f_AB:合成インダクタンス3L,合成静電容量C/2(C同士の直列)

f_AB=1/(2π√(3L×C/2))=f_A/√1.5

1>1/√1.5≒0.816>1/√2≒0.707 より f_B<f_AB<f_A → 正答(3)

【一般式:ω²の重み付き平均】

回路Aを(L_A,C_A),回路Bを(L_B,C_B)とすると,1/C_A=L_Aω_A²,1/C_B=L_Bω_B²です。直列回路の共振条件 ω(L_A+L_B)=(1/ω)(1/C_A+1/C_B) から

ω_AB²=(1/C_A+1/C_B)/(L_A+L_B)=(L_Aω_A²+L_Bω_B²)/(L_A+L_B)

となり,ω_AB²はω_A²とω_B²をインダクタンスで重み付けした平均です。平均は必ず二つの値の間に入るので,f_ABはf_Aとf_Bの間になります。本問では (L×ω_A²+2L×ω_A²/2)/(3L)=(2/3)ω_A² となり,f_AB=f_A√(2/3)=f_A/√1.5 と一致します。

【リアクタンスの符号による直感的理解】

直列LC回路は,共振周波数より低い周波数では容量性(X<0),高い周波数では誘導性(X>0)になります。

・f<f_B(両方の共振周波数より低い):A,Bともに容量性 → 合計X<0で共振しない

・f>f_A(両方より高い):ともに誘導性 → 合計X>0で共振しない

・f_B<f<f_A:Aは容量性,Bは誘導性で打ち消し合い,合計X=0となる周波数が存在する

したがって全体の共振周波数は必ずf_Bとf_Aの間にあり,(1)(2)(4)(5)はこの性質だけで消去できます。試験では,f_B<f_A(Lが大きいBの方が低い)を確かめたうえで,「間に入る」性質から(3)を選ぶのが最短です。

【数値例】

L=10 mH,C=1 μFとすると

f_A=1/(2π√(10×10⁻³×1×10⁻⁶))=1/(2π×10⁻⁴)≒1 592 Hz

f_B=1 592/√2≒1 125 Hz

f_AB=1 592/√1.5≒1 300 Hz

確かに1 125 Hz<1 300 Hz<1 592 Hzです。

【実務とのつながり】

高調波対策に使う直列リアクトル付き進相コンデンサや,複数の同調フィルタ(第5調波用・第7調波用など)を組み合わせた回路では,各分岐の共振点と合成後の共振点の位置関係を把握しておくことが,意図しない共振(高調波の拡大)を避ける基本になります。

この問題の根拠出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。