電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度上期 機械 問9|電気機器(変圧器)

問題

電験三種 | 機械 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

ある変圧器の負荷力率 100 %における全負荷効率は 98 %である。この変圧器の負荷力率 80 %における全負荷効率[%]の値として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

電験三種「機械」の「電気機器(変圧器)」からの出題(令和7年度上期 問9)。正答は(3)です。

変圧器の損失(鉄損と銅損)は、電圧と電流で決まり、力率には関係しません。全負荷なら力率が変わっても損失は同じです。

定格容量を 100 とすると、力率 100 %の全負荷では出力 100、効率 98 %なので損失は 100÷0.98-100≒2.04 です。力率 80 %では出力が 80 になり、効率は 80÷(80+2.04)≒0.975、つまり 97.5 %です。正答は(3)です。

【効率の式】

変圧器の効率は

 η=出力/(出力+損失)

出力は「容量×力率」、損失は鉄損(電圧で決まる)と銅損(電流で決まる)の和です。全負荷では電圧も電流も定格値なので、力率が変わっても損失は変わりません。

【本問の計算】

定格容量を S とします。

① 力率 1.0 の全負荷:出力 S×1.0。η=S/(S+P_L)=0.98 より

 P_L=S/0.98-S≒0.020 41 S

② 力率 0.8 の全負荷:出力 0.8S、損失は同じ 0.020 41 S

 η=0.8S/(0.8S+0.020 41 S)=0.8/0.820 41≒0.975 1

 → 97.5 % → 正答(3)

【誤りの選択肢】

・(1)78.4:98×0.8。効率そのものに力率を掛けた値。

・(2)81.6:0.8/0.98。力率を効率で割った値。

・(4)98.4:損失(2 %)も力率に比例して 0.8 倍になると考え、100-2×0.8 とした値。

力率が下がると出力は減るが損失は減らないので、効率は 98 %より少し下がる、という向きで判断できます。

【損失が力率によらない理由】

変圧器の損失は大きく次の2つです。

・鉄損:鉄心の磁束で決まり、電圧と周波数が一定ならほぼ一定(無負荷損)。

・銅損:巻線の抵抗で生じ、負荷電流の2乗に比例する(負荷損)。

全負荷とは、定格電圧で定格電流(定格容量 [V·A] いっぱい)を流す状態です。力率が 100 %でも 80 %でも、電圧と電流の大きさは同じなので、鉄損も銅損も同じ値になります。一方、出力(有効電力)は「容量×力率」なので、力率 80 %では 0.8 倍に減ります。

【式で一般化する】

力率 1 のときの効率を η₁ とすると、損失は P_L=S(1/η₁-1)。力率 cosφ のときの効率は

 η=S cosφ/{S cosφ+S(1/η₁-1)}=cosφ/{cosφ+(1/η₁-1)}

本問では 1/η₁-1=1/0.98-1≒0.020 41 なので

 η=0.8/(0.8+0.020 41)≒0.975 1 → 97.5 %

容量 S の値がわからなくても、比で計算できることがポイントです。

【誤答の作り方】

選択肢には、効率と力率を直接掛けたり割ったりした値(78.4、81.6)や、損失の割合を力率に比例させた値(98.4)が並んでいます。

・効率は 0~100 %の割合なので、力率を掛けると 80 %程度に大きく下がってしまい、変圧器の効率としては不自然です。

・損失が減って効率が上がるのは、損失そのものが小さくなる場合(軽負荷で銅損が減るなど)であり、力率だけが変わる場合には起こりません。

答えは「98 %より少し低い値」になるはずだと見当をつけると、97.5 %を選べます。

【関連する出題】

電験三種の機械では、変圧器の効率について、本問のような力率を変えた場合のほか、負荷率を変えた場合(銅損は負荷率の2乗に比例)、最大効率となる負荷率(鉄損=銅損となる点)、全日効率などが繰り返し出題されています。「鉄損は一定、銅損は電流の2乗、出力は容量×負荷率×力率」の3点を整理しておくと、どの形でも同じ式で解けます。

この問題の根拠出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。