問題
図のブロック線図で示す制御系において,R(jω)とC(jω)間の合成周波数伝達関数 C(jω)/R(jω) を示す式として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
電験三種「機械」の「自動制御」からの出題(令和7年度下期 問13)。正答は(3)です。
図では、入力側の加算点の出口で信号が二つに分かれ、G₁ と G₂ を通ってから2つ目の加算点で合流します。G₁ の信号は+、G₂ の信号は-で入るので、この部分は G₁-G₂ という1つのブロックとみなせます(並列結合)。
そのまわりを G₃ の負帰還が囲んでいるので、フィードバック結合の公式「G/(1+GH)」に G=G₁-G₂、H=G₃ を入れると (G₁-G₂)/(1+G₁G₃-G₂G₃) となり、正答は(3)です。
【図の読み取り】
・1つ目の加算点:R(jω) が+、G₃ を通った帰還信号が-で入る。出口の信号を E とする。
・E は分岐して G₁ と G₂ に入る。2つ目の加算点では G₁ の出力が+、G₂ の出力が-で入る。
・2つ目の加算点の出力が C(jω)。C は分岐して G₃ を通り、1つ目の加算点に戻る。
【式を立てる】
E=R-G₃C
C=G₁E-G₂E=(G₁-G₂)E
これを代入すると C=(G₁-G₂)(R-G₃C)
C{1+(G₁-G₂)G₃}=(G₁-G₂)R
C/R=(G₁-G₂)/(1+G₁G₃-G₂G₃) → 正答(3)
【誤りの選択肢】
・(2):G₁ と G₂ を並列ではなく直列(G₁G₂)と読んだ式。
・(5):G₂ を G₁ のまわりの帰還要素と読んだ式。G₁/(1+G₁G₂) をさらに G₃ で帰還させると G₁/(1+G₁G₂+G₁G₃) になる。
・(1)・(4):図の結合のしかたからは出てこない式です。
【ブロック線図を解く手順】
ブロック線図の合成伝達関数は、①加算点の出力と引出し点ごとに信号名を付ける、②各加算点で「入ってくる信号の和(符号つき)」を式にする、③未知の中間信号を消去する、の順で機械的に求められます。等価変換の公式(直列は積、並列は和・差、フィードバックは G/(1+GH))を覚えていれば、本問は「並列 → フィードバック」の2段で済みます。
【並列結合の符号に注意】
本問の落とし穴は2つ目の加算点の符号です。G₂ の出力が-で入るので、並列部分は G₁+G₂ ではなく G₁-G₂ になります。符号を見落として G₁+G₂ とすると (G₁+G₂)/(1+G₁G₃+G₂G₃) となり、選択肢のどれとも一致しません。逆に言えば、分子が G₁-G₂ の形をしているのは(3)だけなので、並列部分を正しく読めた時点で答えが絞り込めます。
【分母の確かめ方】
負帰還の閉ループ伝達関数は「前向き伝達関数/(1+一巡伝達関数)」です。一巡伝達関数は、ループを1周したときに通るブロックの積で、本問では (G₁-G₂)×G₃=G₁G₃-G₂G₃ です。分母が 1+G₁G₃-G₂G₃ になっているかを確認すれば検算になります。
【読み違えから生まれる選択肢】
・直列と読む誤り:分岐して並べて置かれたブロックを横に並んだ直列と見てしまうと、前向きが G₁G₂ となり(2)になります。
・帰還と読む誤り:G₂ の信号の向きを逆に見て「G₁ の出力を G₂ で戻す」マイナーループと読むと、内側が G₁/(1+G₁G₂)、外側の G₃ 帰還を含めて(5)になります。
どちらも、矢印の向きと分岐点(黒丸)の位置を確認すれば防げます。G₂ は E から分岐して2つ目の加算点に向かっているので、G₁ と同じ向きに信号が流れる並列要素です。
【関連する出題】
電験三種の機械では、ブロック線図の等価変換(直列・並列・フィードバック)を使って合成伝達関数を求める問題や、得られた伝達関数に jω を代入してゲインや位相を求める問題が出題されています。加算点の符号と信号の向きを1つずつ確かめ、式を立てて中間信号を消去する手順は、どの形の線図にもそのまま使えます。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 機械(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


