電験三種の科目別の勉強時間は、電気技術者試験センターの試験概要・受験案内・結果発表には記載がありません。理論・電力・機械・法規の解答数と試験時間、直近5回の科目別合格率、当サイト収録の本試験問題352問の分野別の内訳から、自分に必要な時間を計算する方法をまとめました。
目次
結論:電験三種(第三種電気主任技術者試験)の科目別の勉強時間は、電気技術者試験センターの試験概要・令和8年度上期受験案内・直近5回の結果発表には記載がありません(2026-10-04 時点)。公式資料で確かめられるのは、科目ごとの解答数と試験時間(理論・電力・機械は17題・90分、法規は13題・65分)、合格基準(各科目とも原則60点)、直近5回の科目別合格率、科目合格の免除(最大で連続5回)です。この記事では他サイトの時間を引かず、これらと当サイト収録の本試験問題352問から、1題あたりの時間を自分で測って科目別の勉強時間を計算する方法を示します。
| 科目 | 解答数 | 試験時間(CBT方式) | 1題あたり(当サイト算出) | 当サイト収録の問題数 | 令和7年度下期の科目別合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 理論 | 17題(A問題14題・B問題3題) | 90分 | 約5.3分 | 87問 | 23.9% |
| 電力 | 17題(A問題14題・B問題3題) | 90分 | 約5.3分 | 90問 | 20.7% |
| 機械 | 17題(A問題14題・B問題3題) | 90分 | 約5.3分 | 86問 | 19.8% |
| 法規 | 13題(A問題10題・B問題3題) | 65分 | 5.0分 | 89問 | 21.1% |
出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期 受験案内(解答数・試験時間)、令和7年度下期の結果(科目別合格率)。「1題あたり」は試験時間を解答数で割った当サイトの計算(90÷17、65÷13)です。収録問題数は当サイトの集計(2026-10-02)です。
電験三種の勉強時間:公式の数字はなく、確かめられるのは科目ごとの構造
電気技術者試験センターの試験概要、令和8年度上期の受験案内、令和5年度下期から令和7年度下期までの結果発表5本には、勉強時間の目安や合格者の平均学習時間の記載がありません(2026-10-04 時点)。「500時間」「1,000時間」といった数字は、公式の根拠のあるものではありません。
そこで、公式資料から確かめられる次の4点を材料に、自分の時間を計算します。
- 科目ごとに合否が決まる:4科目すべてに合格すると試験に合格し、一部の科目だけ合格すれば「科目合格」になります
- 解答数と試験時間は科目で違う:理論・電力・機械は17題・90分、法規は13題・65分です
- 合格基準は各科目とも原則60点:科目をまたいで点数を足し引きできません
- 科目合格は免除される:最初に合格した試験以降、申請により最大で連続5回
全体の勉強時間を「次の試験日までの週数×1週間に使える時間」で出す方法と日程の数え方は、電験三種の勉強方法の記事にまとめています。この記事は、その総量を4科目にどう分けるかを扱います。
科目別の解答数・試験時間・合格基準
電験三種の解答数と試験時間:理論・電力・機械は解答数17題(A問題14題・B問題3題)で、予約した試験開始時刻の90分後に終了。法規は解答数13題(A問題10題・B問題3題)で、65分後に終了(CBT方式。※印の科目は選択問題を含んだ解答数)。最終確認日:2026-10-04。出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期 受験案内。
電験三種の合格基準:各科目ともに原則60点(試験の難易度等から合格基準を調整する場合がある)。最終確認日:2026-10-04。出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期 受験案内。
試験時間を解答数で割ると、理論・電力・機械は約5.3分、法規は5.0分です。ただし平均の数字にすぎず、計算を伴う問題と、条文や記述の正誤を選ぶ問題とでは1題にかかる時間が違います。時間が足りるかどうかは、自分で本試験問題を解いて測るのが確実です(手順は後述)。
筆記方式の時間割は回によって受験案内の日程表に載っているため、受験する回の受験案内で確認してください。
合格率の低い科目に時間を多く割くべきか:直近5回の科目別合格率で確かめる
電気技術者試験センターは、結果発表で科目ごとの受験者数と合格者数を公表しています。直近5回(令和5年度下期〜令和7年度下期)の科目別合格率(合格者数÷受験者数)の一覧表は電験三種の合格率の記事にまとめているので、ここでは勉強時間の配分に関わる点だけを取り上げます。令和7年度下期の数字は冒頭の表のとおりです。
出典:電気技術者試験センターの結果発表 令和5年度下期・令和6年度上期・令和6年度下期・令和7年度上期・令和7年度下期の第3表。合格率は合格者数を科目別受験者数で割り、当サイトが再計算して公式の率と一致を確認しました。
電験三種の科目別合格率:令和7年度下期は理論23.9%・電力20.7%・機械19.8%・法規21.1%(4科目合格率は13.1%)。最終確認日:2026-10-04。出典:電気技術者試験センター 令和7年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について。
読み取れることは2つです。
- 科目間の差は回によって逆転する:最も低い科目は機械・理論・法規・理論・機械と5回で入れ替わっており、「この科目が最も難しいので時間を多く割く」と合格率だけで決めることはできません
- 同じ科目でも回で大きく動く:理論は18.7%から32.9%まで、5回のなかで動いています
理論の勉強時間:収録87問の内訳から、時間のかかる分野を見つける
理論の範囲は、センターの試験概要で「電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測」とされています。当サイトが収録する理論の本試験問題87問を、当サイトの分類で数えると次のとおりです(2026-10-02 集計。試験全体の出題頻度ではありません)。
| 当サイトの分類 | 問題数 |
|---|---|
| 電磁気・回路理論 | 22問 |
| 電磁気学(静電界・コンデンサ) | 17問 |
| 電磁気学(磁気回路) | 14問 |
| 交流回路 | 10問 |
| 直流回路 | 9問 |
| 電子回路(トランジスタ・増幅) | 7問 |
| 電磁誘導・インダクタンス | 5問 |
| 直流回路(抵抗温度特性) | 3問 |
収録87問を1周する時間は、1題20分で解くなら29.0時間です(1題の分数を変えた場合と、ほかの3科目は後の計算表にあります)。理論の勉強時間を決めるときは、まず分野ごとに1問解くのにかかる時間を測ります。式の一覧と使われ方は電験3種の公式一覧、理論の範囲と学習順は電験三種 理論の攻略記事で扱っています。
理論の問題を、分野を変えて解いてみる:
- 直流回路:2つの電源がある回路で6Ωの抵抗にかかる電圧(令和5年度下期)
- 静電界:帯電した2つの導体球をつり下げたときの力(令和5年度下期)
- 磁気:平行な2本の電流がつくる磁界が零になる距離(令和6年度上期)
- 交流回路:2つのLC直列共振回路をさらに直列にしたとき(令和6年度上期)
- 電子回路・半導体:ダイオードに加える電圧の向き(令和7年度下期)
電力の勉強時間:発電・送電・配電・変電の暗記と計算を分けて数える
電力の範囲は「発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む。)の設計及び運用並びに電気材料」です。当サイト収録の電力90問の内訳は次のとおりです(2026-10-02 集計)。
| 当サイトの分類 | 問題数 |
|---|---|
| 変電(変圧器・変電所・保護) | 14問 |
| 配電(系統・機器・保護) | 14問 |
| 送電(架空送電線路) | 13問 |
| 発電(水力発電) | 12問 |
| 発電(火力発電) | 8問 |
| 送電(地中ケーブル) | 7問 |
| 再生可能エネルギー・分散電源 | 6問 |
| 発電(原子力発電) | 6問 |
| 電気材料・絶縁 | 6問 |
| 送電(電気的特性・計算) | 4問 |
電力は、設備の仕組みを問う記述問題と、電圧降下や損失などを計算する問題が混ざります。勉強時間を見積もるときは、記述問題の分野と計算問題の分野を分けて、それぞれの1問あたりの時間を測ると配分が立てやすくなります。範囲と学習順は電験三種 電力の攻略記事にあります。
電力の問題を、分野を変えて解いてみる:
機械の勉強時間:4つの機器に偏る収録問題の内訳
機械の範囲は「電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理」と広く、当サイト収録の機械86問のうち、誘導機・同期機・変圧器・直流機の4つの電気機器で47問(13+12+12+10)を占めます(2026-10-02 集計)。
| 当サイトの分類 | 問題数 |
|---|---|
| 電気機器(誘導機) | 13問 |
| 電気機器(同期機) | 12問 |
| 電気機器(変圧器) | 12問 |
| 電気機器(直流機) | 10問 |
| 電動機応用 | 8問 |
| 制御・プログラム | 8問 |
| パワーエレクトロニクス | 7問 |
| 自動制御 | 7問 |
| 電熱 | 4問 |
| 照明 | 2問 |
| 電気化学・共通損失・共通(各1問) | 3問 |
収録問題数に偏りがあるのは、あくまで当サイトの収録7回分での数です。機械は範囲が広く、分野によって1問にかかる時間が違うことがあるため、分野別に1問の時間を測るのが有効です。範囲と学習順は電験三種 機械の攻略記事にまとめています。
機械の問題を、分野を変えて解いてみる:
- 誘導機:V/f一定制御インバータで駆動される誘導電動機の回転速度(令和6年度上期)
- 直流機:永久磁石界磁の小形直流電動機の回転数(令和7年度下期)
- 変圧器:力率が変わったときの変圧器の全負荷効率(令和7年度上期)
- 変圧器:単相変圧器の短絡試験から漏れリアクタンスを求める(令和7年度下期)
- パワーエレクトロニクス:パワー半導体デバイスの動作(令和7年度下期)
法規の勉強時間:収録89問の約64%が電気設備技術基準の解釈
法規の範囲は「電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理」で、解答数は13題・65分と他の3科目より少なめです。当サイト収録の法規89問の内訳は次のとおりです(2026-10-02 集計)。
| 当サイトの分類 | 問題数 |
|---|---|
| 電気設備技術基準(電技解釈) | 57問(約64%) |
| 電気関係法規 | 16問 |
| 電気施設管理(負荷曲線・需要率) | 8問 |
| 電気事業法(保安規程・主任技術者) | 7問 |
| 電気用品安全法 | 1問 |
法規には「電気設備の技術基準の解釈について」に関する問題が含まれると、受験案内の備考に明記されています。収録問題で電技解釈の割合が高いことは、条文の数値や語句を覚える勉強が中心になることを示しますが、試験全体の出題割合ではありません。範囲と学習順は電験三種 法規の攻略記事で扱っています。
法規の問題を、分野を変えて解いてみる:
- 電気関係法規:自家用電気工作物の感電死傷事故の報告(令和7年度下期)
- 電気事業法:主任技術者に関する記述の正誤(令和5年度上期)
- 電気事業法:自家用電気工作物の保安規程に定める事項(令和5年度下期)
- 電技解釈:低圧電線路の漏えい電流の許容最大値を求める(令和7年度下期)
- 電技解釈:低圧電線路の絶縁性能の条文(令和7年度上期)
1題あたりの時間を測って、科目別の勉強時間を計算する
必要な勉強時間は、前提の知識と1題を解く速さで変わります。そこで、次の手順で自分の数字を出します。
- ① 各科目の問題を5問ほど、時間を計って解き、1題あたりにかかった分数(解説を読む時間を含む)を測る
- ② 1題あたりの分数 × 当サイト収録の問題数(理論87・電力90・機械86・法規89)で、1周にかかる時間を出す
- ③ 周回数をかける。解き直しの回数は人によって違うので、1周で足りない分野は2周目以降の分数を測り直す
- ④ 公式の整理や用語の暗記など、問題を解く以外の時間を足す
次の表は、①の数字を仮に10分・20分・30分とおいた場合の、収録問題を1周するのにかかる時間の計算例です。仮定を置いた当サイトの計算であり、合格に必要な時間の目安ではありません。
| 科目(収録問題数) | 1題10分の場合 | 1題20分の場合 | 1題30分の場合 |
|---|---|---|---|
| 理論(87問) | 14.5時間 | 29.0時間 | 43.5時間 |
| 電力(90問) | 15.0時間 | 30.0時間 | 45.0時間 |
| 機械(86問) | 14.3時間 | 28.7時間 | 43.0時間 |
| 法規(89問) | 14.8時間 | 29.7時間 | 44.5時間 |
使える時間のほうは、週の時間と週数を掛けて確かめます。次の表は単純な掛け算による当サイトの計算です。
| 1週間に使う時間 | 12週間 | 18週間 | 26週間 | 52週間 |
|---|---|---|---|---|
| 5時間 | 60時間 | 90時間 | 130時間 | 260時間 |
| 10時間 | 120時間 | 180時間 | 260時間 | 520時間 |
| 15時間 | 180時間 | 270時間 | 390時間 | 780時間 |
| 20時間 | 240時間 | 360時間 | 520時間 | 1,040時間 |
たとえば週10時間を26週間使えるなら260時間で、上の計算で1題20分の場合は4科目を1周するのに約117時間かかる(29.0+30.0+28.7+29.7)ので、残りの約143時間を解き直しや公式の整理に使える、という見方ができます。「1題20分」はあくまで例なので、自分の数字に置き換えてください。
一発合格と科目合格で、時間の配分はどう変わるか
合否は科目ごとに決まり、合格した科目は申請により最大で連続5回まで免除されます。受験案内には、免除は自動ではなく、申請しなければ免除を受けられないことも明記されています。
試験免除の権利を行使する場合は、必ず「科目合格」している科目の試験免除の申請を行ってください。
出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期 受験案内
結果発表の数字から、4科目すべてを同じ回に受けているとは限らない人が一定数いることがわかります。当サイトが科目別受験者数から計算すると、直近5回で、その回に4科目すべては受けていない受験者は、受験者全体の少なくとも31.9〜35.3%です(令和7年度下期は24,176人のうち少なくとも8,250人)。「少なくとも」と書くのは、科目別受験者数の最小値を4科目受験者の上限としたときの下限の計算だからです。
| 受け方 | 1回に受ける科目 | 4科目を終えるまでの受験回数(最小) | 勉強時間の配分 |
|---|---|---|---|
| 一度に4科目 | 4科目 | 1回 | 4科目分を1回の試験までに用意する |
| 2科目ずつ | 2科目 | 2回 | 1回あたりの時間を2科目に集中できる |
| 1科目ずつ | 1科目 | 4回 | 1回あたりの時間を1科目に集中できる |
試験は年2回なので、1科目ずつ受けると最短でも2年かかります。免除の期間と数え方(受験案内の免除期間の表では、令和5年度下期に科目合格した科目は令和8年度上期まで)は、電験三種の科目合格の記事で確認してください。
時間が取れない人の優先順位:判断の材料
勉強時間が限られる場合に、何を優先するかは次の材料で判断できます。
- 科目ごとに合否が決まる:1科目に偏って点を取っても、他の科目の不足は補えません。科目合格を使うなら、まず確実に取れそうな科目から合格を積みます
- 試験時間と解答数:法規は13題・65分で、他の3科目より解答数が少なく、当サイトの収録問題では電技解釈が6割以上を占めます。どの科目に何時間かけるかは、これらの構造と自分の1題あたりの時間を見比べて決めます
- 収録問題の多い分野:当サイトの収録問題で数が多い分野(理論の電磁気、電力の変電・配電・送電、機械の4つの電気機器、法規の電技解釈)から着手すると、手持ちの問題で練習できる量が確保できます。試験全体の出題頻度ではありません
- 理論は他科目の土台:電力の電圧降下や機械の誘導機・変圧器の計算は、理論の直流・交流回路の考え方の上に成り立っています
どの科目から始めるかは、自分の弱点を診断してから決めることもできます。
科目別の問題を解いて、自分の時間を測る
よくある質問
Q「500時間」「1,000時間」といった勉強時間の数字は、公式の目安ですか?
公式の目安ではありません。電気技術者試験センターの試験概要・令和8年度上期受験案内・直近5回の結果発表には、勉強時間や合格者の平均学習時間の記載がありません(2026-10-04 時点)。数字を見かけたら、誰が何を根拠に出したのかを確かめ、自分の週あたりの時間と受験日から逆算して使えるかを判断してください。
Q4科目のうち、勉強時間を一番多く割くべき科目はどれですか?
合格率の低さだけでは決められません。直近5回の科目別合格率で最も低い科目は、機械・理論・法規・理論・機械と回ごとに入れ替わっています。科目ごとに合否が決まり、各科目とも原則60点が合格基準なので、自分が1問に使う時間と、収録問題の解き直しの進み具合で配分を決めるほうが確実です。
Q試験時間は足りますか?
解答数と試験時間から割ると、令和8年度上期のCBT方式では理論・電力・機械が17題で90分(1題あたり約5.3分)、法規が13題で65分(1題あたり5.0分)です。ただし、計算に時間がかかる問題と記述の正誤を選ぶ問題では時間の使い方が違うため、平均の数字だけでは足りるかどうかは判断できません。本試験問題を時間を計って解き、自分の1題あたりの時間を測ってください。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

