電験三種の科目合格を、電気技術者試験センターの受験案内とプレス発表だけで整理。免除は最初に合格した試験以降「最大で連続5回」(年数ではなく回数)で、申請しないと免除になりません。期限の早見表、直近4回(令和8年度上期まで)の科目別合格率、結果がわかる時期と確認方法、受ける順番の考え方をまとめました。
目次
結論:電験三種(第三種電気主任技術者試験)は理論・電力・機械・法規の4科目を科目ごとに合否判定し、一部の科目だけ合格すると「科目合格」になります。合格した科目は、最初に合格した試験以降「最大で連続5回」まで試験が免除されます。期限は年数ではなく試験の回数で数え、たとえば令和8年度上期に合格した科目は令和10年度下期まで免除を受けられます。免除は自動ではなく、申込みのたびに申請が必要です。
| 項目 | 内容(電気技術者試験センターの公表どおり) |
|---|---|
| 合否の決まり方 | 4科目それぞれで合否を判定。4科目すべてに合格すると試験合格 |
| 科目合格 | 4科目中、一部の科目だけ合格した状態 |
| 免除を受けられる回数 | 最初に合格した試験以降、最大で連続5回 |
| 免除の受け方 | 申込みのときに、合格証明書番号を入れて免除を申請する(自動ではない) |
| 合格基準 | 各科目とも原則60点(難易度により調整する場合あり) |
| 試験の回数 | 年2回(上期・下期)。結果の推移表は令和4年度から上期・下期に分かれている |
出典は、第三種電気主任技術者の試験概要、令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 受験案内の「科目別合格制度」(10頁)と「合格基準」(7頁)、試験結果と推移です。
合格ナビには、電気技術者試験センターが公表した令和4年度上期〜令和7年度下期のうち7回分の本試験問題を352問(理論87問・電力90問・機械86問・法規89問)収録しています(令和6年度下期は未収録・2026-10-02 集計)。科目合格を狙う科目だけを、科目別に続けて解けます。
電験三種の科目合格とは
電験三種は、理論・電力・機械・法規の4科目について科目別に試験を行い、各科目の解答方式は五肢択一です(筆記方式とCBT方式のどちらか)。試験概要では、科目別合格制度を次のように説明しています。
試験は科目ごとに合否が決定され、4科目すべてに合格すれば第三種電気主任技術者試験が合格となります。また、4科目中、一部の科目だけ合格した場合は、「科目合格」となり、最初に合格した試験以降、その申請により最大で連続して5回まで当該科目の試験が免除されます。
つまり、1回の試験で4科目そろえる必要はありません。合格した科目は次の回から免除を申請し、残った科目だけを受けて、4科目がそろった時点で試験合格になります。
科目合格の有効期限は「連続5回」(年数ではなく回数)
免除の期限は「何年」ではなく「何回」で決まります。受験案内の表を書き出すと次のとおりです。
| 科目合格した試験 | 免除を受けられる期間 |
|---|---|
| 令和5年度 下期 | 令和8年度 上期まで |
| 令和6年度 上期 | 令和8年度 下期まで |
| 令和6年度 下期 | 令和9年度 上期まで |
| 令和7年度 上期 | 令和9年度 下期まで |
| 令和7年度 下期 | 令和10年度 上期まで |
| 令和8年度 上期 | 令和10年度 下期まで |
出典:令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 受験案内 10頁「科目別合格制度」の表。
数え方は「合格した回の次の回から5回」です。令和8年度上期に合格した科目なら、令和8年度下期・令和9年度上期・令和9年度下期・令和10年度上期・令和10年度下期の5回で免除を受けられます。試験は年2回なので、年数にするとおよそ2年半です。
「3年間」という説明と混同しないでください。センターの電気主任技術者の資格概要には「科目別合格制なので有効期限の3年間を使って勉強する方法も採れます」という一文がありますが、これは第一種・第二種と第三種の「一次試験」をまとめて説明した箇所です。たとえば第二種の一次試験では、第二種の試験概要のとおり科目合格すると「翌年度及び翌々年度の試験では申請によりその科目の試験が免除されます」。第三種は、試験概要ページと令和8年度の受験案内のとおり「最大で連続5回」です。期限を確かめるときは、受験する回の受験案内の表を見るのが確実です。
免除は自動ではない:申請の手順と注意点
受験案内は「科目の免除対象者の方であっても、自動的には科目の試験免除にはなりません」と注意しています。手順と、間違えやすい点は次のとおりです。
- ① 受験申込みの試験区分で一部科目の受験を選び、免除する科目の合格証明書番号を入力する
- ② 合格証明書番号は、センターの免除情報の検索で確認できる
- ③ 申込みの後でも、指定期日までなら「科目受験」と「科目免除」を切り替えられる
- ④ 免除を申請せずに申し込むと、申込内容と試験の結果が優先される(次回以降も免除期間が残っていれば、権利は失われない)
④には落とし穴があります。受験案内には、3科目に科目合格している人が免除を申請せずに申し込み、残りの1科目だけを受けて合格した場合は「この時点で科目合格が4科目になりますが、試験は合格となりません」という例が載っています。免除する科目を申込みのたびに確かめてください。
電験三種の科目別合格率(直近4回)
科目ごとの合格率は、センターのプレス発表の「科目別内訳」(第3表)に載っています。合格率は、その科目を受験した人のうち合格した人の割合です。免除を受けた人はその科目の受験者に入りません。
| 試験 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 | 4科目合格率 | 科目合格率 | 筆記方式の合格基準 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 下期 | 29.2% | 25.3% | 24.9% | 24.4% | 16.8% | 31.1% | 電力55点、他は60点 |
| 令和7年度 上期 | 18.7% | 24.8% | 19.1% | 23.1% | 12.9% | 27.7% | 機械55点、他は60点 |
| 令和7年度 下期 | 23.9% | 20.7% | 19.8% | 21.1% | 13.1% | 27.6% | 全科目60点 |
| 令和8年度 上期 | 24.3% | 20.3% | 20.1% | 22.7% | 12.8% | 28.6% | 全科目60点 |
出典:電気技術者試験センターのプレス発表 令和8年度上期・令和6年度下期・令和7年度上期・令和7年度下期(第3表「科目別内訳」と本文の合格基準)。この表の「科目合格率」は、4科目合格者を除いた科目合格者数を受験者数で割った値です。
科目ごとの「科目合格率(4科目合格者を除く)」は次のとおりです(同じ第3表の(D/B)の列で、4回とも記載があります)。
| 試験 | 理論 | 電力 | 機械 | 法規 |
|---|---|---|---|---|
| 令和6年度 下期 | 20.8% | 16.0% | 12.7% | 10.9% |
| 令和7年度 上期 | 14.0% | 17.4% | 9.9% | 11.8% |
| 令和7年度 下期 | 17.9% | 14.2% | 10.0% | 11.0% |
| 令和8年度 上期 | 18.9% | 13.9% | 10.2% | 11.6% |
上の科目別合格率は、その科目に合格した4科目合格者も含めた割合です。この表は4科目合格者を除いているので、数字は小さくなります(令和8年度上期の理論は、合格者4,326人に対し4科目合格者を除いた科目合格者が3,355人、受験者17,792人で割って24.3%と18.9%)。
令和8年度上期の科目別合格率:理論24.3%・電力20.3%・機械20.1%・法規22.7%、4科目合格率12.8%、科目合格率28.6%。筆記方式の合格基準は4科目とも60点以上。最終確認日:2026-10-29。出典:電気技術者試験センター 令和8年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について。
令和7年度下期の科目別合格率:理論23.9%・電力20.7%・機械19.8%・法規21.1%、4科目合格率13.1%。最終確認日:2026-10-02。出典:電気技術者試験センター 令和7年度第三種電気主任技術者下期試験の結果について。
この4回では、合格率がいちばん低い科目は毎回違います(令和6年度下期は法規、令和7年度上期は理論、令和7年度下期は機械、令和8年度上期も機械)。「この科目がいつも難しい」と決めつけず、自分が苦手な科目を把握して計画を立てるほうが確実です。4科目合格率は12.8〜16.8%ですが、毎回その2倍前後の人が科目合格しています。全科目の合格率の長い推移は電験三種の合格率の記事で扱っています。
各科目の本試験問題は、科目別の問題集で続けて解けます。
科目合格はいつわかる?結果の確認方法
受験案内(40頁)によると、得点と結果は次の順でわかります。
| 方式 | 得点がわかる時期 | 合否の確認 |
|---|---|---|
| CBT方式 | 受験当日からマイページで確認できる(反映に数時間) | 試験センターのホームページ「合格者一覧の検索」 |
| 筆記方式 | 試験日から約2週間後の正午からマイページで確認できる | 同上 |
令和8年度上期の結果の公表:第三種の合格者一覧の検索は2026年9月25日から、試験結果通知書は10月19日(月)に受験者全員へ送付(センターの10月19日付の発表資料)。同日に詳細も公表され、受験者25,127人・4科目合格者3,223人・科目合格者7,193人(科目合格率28.6%)、科目別内訳は上の表のとおり。筆記方式の合格基準は理論・電力・機械・法規とも60点以上。最終確認日:2026-10-29。出典:電気技術者試験センター 令和8年度第三種電気主任技術者上期試験の結果について・試験結果と推移。
令和8年度上期は、福井県の試験が8月30日の大雨で中止になりCBT方式で延期したため、全国の結果発表が当初の予定より遅れました(センターのお知らせ(令和8年9月1日))。科目別内訳は、各回の試験結果の発表資料に載っています(令和8年度上期は10月19日に公表)。
科目合格した後は、次の回の申込みで使う合格証明書番号を免除情報の検索で控えておくと、申込みで迷いません。
令和8年度下期の申込み:受験申込み受付期間は11月9日(月)〜11月26日(木)、CBT方式は令和9年2月4日(木)〜2月28日(日)、筆記方式は令和9年3月21日(日)。最終確認日:2026-10-02。出典:電気技術者試験センター 令和8年度電気主任技術者試験の実施日程等のご案内。
科目合格の順番はどう決める?
センターは、科目を受ける順番や組み合わせを定めていません。免除の期限が「合格した回の次から5回」なので、順番を考えるときは次の2点が軸になります。
- 期限は科目ごとに別々に進む:先に合格した科目から期限が切れていきます。たとえば1回目に理論だけ合格し、4回目に残り3科目を受けると、理論の免除は残り2回です
- 範囲のつながり:理論の範囲は「電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測」です。たとえば令和7年度下期の電力には、力率0.6の負荷をつないだ変圧器に増設できる負荷の皮相電力を求める問題があり、理論で学ぶ交流の電力(有効電力・皮相電力・力率)の考え方をそのまま使います。理論を先に固める受け方は、この重なりを使う考え方です
順番を決める前に、各科目の本試験問題を1問ずつ解いてみると、どの科目に時間がかかりそうか見当がつきます。どれも令和7年度下期の問題です。
- 理論:ダイオードに加える電圧の向き(令和7年度下期)
- 理論:水晶振動子と水晶発振回路(令和7年度下期)
- 電力:直流送電の特徴(令和7年度下期)
- 機械:パワー半導体デバイスの動作(令和7年度下期)
- 法規:自家用電気工作物の感電死傷事故の報告(令和7年度下期)
科目合格を使った受験計画の例
次は、免除期間(連続5回)の中で4科目をそろえる計画の例です。どの例でも、最初に合格した科目の免除が切れる前に残りをそろえるのが条件です。
| 例 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| A:一度に4科目 | 4科目を受験 | 残った科目 | 残った科目 | - | まとまった勉強時間を確保できる人 |
| B:2科目ずつ | 2科目(例:理論+法規) | 残り2科目 | 落とした科目 | - | 仕事と並行して、科目を絞って準備したい人 |
| C:1科目ずつ | 1科目 | 1科目 | 1科目 | 残り1科目 | 1科目ずつ確実に積み上げたい人 |
1回目に合格した科目の免除は、2回目から6回目までの5回です。例Cは4回目で4科目がそろう計画なので、4回目で1科目を落としても、5回目・6回目にもう一度受ける余地があります。どの例でも、受ける科目以外は申込みのときに免除を申請します。学習時間の配分は電験三種の独学ロードマップ、機械科目の範囲と押さえたい計算は電験三種 機械の攻略で扱っています。
4科目の本試験問題を科目別に解く
科目合格は「科目ごとに60点」を積み上げる制度です。次の回で受ける科目の問題を科目別に続けて解き、3段階の解説で解き方を確かめてください。
よくある質問
Q科目合格の免除期間を延長することはできますか?
令和8年度上期の受験案内の「科目別合格制度」の説明には、免除期間を延ばす手続きは書かれていません。免除期間は、科目合格した回ごとに受験案内の表で決まっています(例:令和7年度下期に合格した科目は令和10年度上期まで)。期間を過ぎた科目は、もう一度受験して合格する必要があります。
Q免除の申請を忘れて、合格済みの科目も受験したらどうなりますか?
受験案内では、免除の申請をしなかった場合は「試験申込内容及び試験の結果が優先されます」とされています。ただし、次回以降も免除期間が残っていれば、その権利は失われません。申込みの後でも、指定期日までなら「科目受験」と「科目免除」を切り替えられます。
Q3科目に合格済みで、残りの1科目だけ受けて合格すれば試験合格になりますか?
3科目の免除を申請して申し込んでいれば、残りの1科目の合格で4科目がそろいます。受験案内には、免除申請をせずに申し込み、合格していなかった科目だけを受験して合格した場合は、科目合格が4科目になっても「試験は合格となりません」という例が載っています。申込みのたびに免除の申請を確かめてください。
QCBT方式と筆記方式で、科目合格の難しさは違いますか?
電気技術者試験センターのよくある質問では、CBT方式について「出題形式や出題の難易度は筆記方式と同じです」と答えています。違いは得点を確認できる時期で、CBT方式は受験当日からマイページで得点を確認でき、筆記方式は試験日から約2週間後の正午からマイページで確認できます。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月29日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

