電験三種

電験三種(第三種電気主任技術者)合格率分析2026年度別の合格率・科目別合格率・科目別合格制度・難易度比較

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この記事でわかること

電験三種(第三種電気主任技術者)の合格率を、電気技術者試験センターの公表値で整理。令和2〜7年度の合格率の推移、最新の令和8年度上期(12.8%)と科目別合格率、科目別合格制度、第一種電気工事士・電験二種との試験構成の違いを解説します。

目次
  1. 電験三種(電気主任技術者3種)の難易度を数字で見る
  2. 合格率の推移:令和2〜7年度と、昭和60年度からの長い目で見た位置
  3. 科目別の難易度:回ごとに「いちばん低い科目」は入れ替わる
  4. 「大学でいうと」:公式の説明と、条文でわかること
  5. 電験三種の偏差値は?公式の指標ではありません
  6. 難しいと言われる理由を、試験の構成から確かめる
  7. 合格率が低い理由を、公表値で分けて見る
  8. 「簡単になった」「難易度が下がった」は本当か:合格者数・合格率の推移
  9. 難易度ランキング・電験二種・一種との比べ方
  10. 難しさを下げる仕組み:科目合格を使う
  11. 難易度を確かめる最短の方法
結論:電験三種(第三種電気主任技術者)の最新の令和8年度上期の合格率は12.8%(受験者25,127人・4科目合格者3,223人)で、科目別は理論24.3%・電力20.3%・機械20.1%・法規22.7%でした。年度では、センター公表値で令和5年度18.8%、令和6年度16.4%、令和7年度13.0%(受験者に対する4科目合格者の割合)です。回別・科目別に見ると、令和6年度上期から令和8年度上期の5回では、各回の科目別合格率は18.7〜29.2%の幅で動き、「毎回この科目がいちばん低い」という科目はありません。合格点も原則60点のまま固定ではなく、調整される回があります(令和8年度上期の筆記方式は4科目とも60点以上)。

電験三種の難易度は、「難しい」という印象ではなく、公表されている数字と制度の条文に分けて見ると判断しやすくなります。この記事は、電気技術者試験センターの公表資料と、電気事業法関連の法令の条文を根拠にしています(当サイトの算出・集計は、そう明記した箇所だけです)。受験予備校などが使う偏差値での表現は使いません。

電験三種(電気主任技術者3種)の難易度を数字で見る

見るところ数字・事実出典
令和8年度上期の合格率(最新の回)12.8%(受験者25,127人・4科目合格者3,223人・科目合格者7,193人)令和8年度上期の結果
令和7年度の合格率13.0%(受験者48,942人・4科目合格者6,365人)センター 試験結果と推移
合格率の最高・最低(昭和60年度〜令和7年度の41年度分・当サイト算出)最高18.8%(令和5年度)・最低5.5%(平成23年度)同上の表から算出
科目別合格率(令和6年度上期〜令和8年度上期の5回)18.7〜29.2%(回・科目により幅がある)各回の結果発表(本文の表)
合格基準各科目原則60点・調整される回がある令和8年度上期受験案内
4科目合格または科目合格になった人(令和7年度・当サイト算出)19,904人(受験者の40.7%)同上

合格ナビには、令和4年度上期〜令和7年度下期の電験三種の公式問題(令和6年度下期分を除く7回分)が352問あります(理論87問・電力90問・機械86問・法規89問。2026-10-02 時点の当サイトの集計)。

合格率の推移:令和2〜7年度と、昭和60年度からの長い目で見た位置

令和7年度の合格率:受験者48,942人、4科目合格者6,365人、合格率13.0%(上期・下期の合計。合格者÷受験者)。科目合格者は13,539人。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験の試験結果と推移。
年度受験者数4科目合格者数合格率(合格者÷受験者)科目合格者数
令和7年度48,942人6,365人13.0%13,539人
令和6年度49,963人8,181人16.4%15,533人
令和5年度52,735人9,894人18.8%18,013人
令和4年度62,571人7,307人11.7%18,199人
令和3年度37,765人4,357人11.5%12,278人
令和2年度39,010人3,836人9.8%11,686人

出典:電気技術者試験センター 試験結果と推移(2026-10-03 時点。令和4年度以降は上期・下期の合計。受験者数は1科目でも出席した方の合計)。合格率は同ページの受験者数と合格者数から当サイトが算出しています。

同じページには昭和60年度からの数字があり、全体を算出し直すと、合格率が最も高かったのは令和5年度の18.8%、最も低かったのは平成23年度の5.5%(受験者48,864人・合格者2,674人)でした。平成24年度以降は、5.9%(平成24年度)から18.8%(令和5年度)の間を動いています。センターの表は令和4年度から上期・下期に分かれており、令和3年度以前の年度1行の数字と単純には並べられませんが、令和7年度の13.0%は、41年度分を高い順に並べると9番目で、41年度分の中央値(10.7%)より高い数字です(当サイト算出)。

回別の合格率(令和5年度下期〜令和8年度上期)

回受験者数4科目合格者数合格率出典
令和5年度下期24,567人5,211人21.2%結果
令和6年度上期25,416人4,064人16.0%結果
令和6年度下期24,547人4,117人16.8%結果
令和7年度上期24,766人3,201人12.9%結果
令和7年度下期24,176人3,164人13.1%結果
令和8年度上期25,127人3,223人12.8%結果

回によって合格率は12.8〜21.2%と大きく動きます。1回の数字で「簡単になった」「難しくなった」と判断するより、複数回を並べて見るほうが実態に近くなります。

科目別の難易度:回ごとに「いちばん低い科目」は入れ替わる

電験三種は、理論・電力・機械・法規の4科目に分かれ、それぞれ合否が決まります。センターの結果発表には、回ごとの科目別の受験者数・合格者数・合格率があります。直近5回をまとめると次のとおりです。

回(科目ごとの合格率)理論電力機械法規
令和8年度上期24.3%20.3%20.1%22.7%
令和7年度下期23.9%20.7%19.8%21.1%
令和7年度上期18.7%24.8%19.1%23.1%
令和6年度下期29.2%25.3%24.9%24.4%
令和6年度上期23.2%25.2%26.3%27.3%
5回のべ(当サイト算出)23.9%23.3%22.1%23.8%

出典:各回の結果発表(上の「回別の合格率」の表にあるPDFの第3表。令和8年度上期は251R08denkenT01kekka.pdf)。2026-10-29 時点。のべ合格率は、5回の科目別の合格者数の合計÷受験者数の合計(理論 20,767÷87,023、電力 19,571÷84,072、機械 18,730÷84,815、法規 20,488÷86,158)。

同じ第3表には、科目別の「科目合格率(4科目合格者を除く)」もあります。科目ごとの合格者数から4科目合格者を除いた「科目合格者数(D)」を、その科目の受験者数で割った値です。

回(科目合格率・4科目合格者を除く)理論電力機械法規
令和8年度上期18.9%13.9%10.2%11.6%
令和7年度下期17.9%14.2%10.0%11.0%
令和7年度上期14.0%17.4%9.9%11.8%
令和6年度下期20.8%16.0%12.7%10.9%
令和6年度上期16.7%16.6%13.3%13.1%
5回のべ(当サイト算出)17.6%15.6%11.2%11.7%

出典:上の表と同じ各回の結果発表の第3表(5回とも(D)・(D/B)の列があります)。のべは、科目合格者数の合計÷受験者数の合計(理論 15,355÷87,023、電力 13,152÷84,072、機械 9,518÷84,815、法規 10,068÷86,158)。2026-10-29 時点。上の「科目別の合格率」は4科目合格者を含む科目の合格者数(C)÷受験者数(B)、この表は4科目合格者を除いた合格者数(D)÷受験者数(B)です。同じ受験者数で割っているので、差は、その回にその科目を受けて合格した4科目合格者の人数÷受験者数にあたります(令和8年度上期の理論は4,326人−3,355人=971人、24.3%と18.9%で差は5.4ポイント)。

令和8年度上期の科目別合格率:理論24.3%(受験者17,792人・合格者4,326人)、電力20.3%(17,311人・3,515人)、機械20.1%(17,393人・3,502人)、法規22.7%(17,497人・3,980人)。筆記方式の合格基準は4科目とも60点以上(100点満点)。最終確認日:2026-10-29。出典:電気技術者試験センター 令和8年度上期の結果。
令和7年度下期の科目別合格率:理論23.9%(受験者17,087人・合格者4,077人)、電力20.7%(15,926人・3,295人)、機械19.8%(16,491人・3,273人)、法規21.1%(16,443人・3,472人)。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 令和7年度下期の結果。

読み取れることは3つです。

  • 各回でいちばん低い科目は、令和6年度上期が理論(23.2%)、令和6年度下期が法規(24.4%)、令和7年度上期が理論(18.7%)、令和7年度下期が機械(19.8%)、令和8年度上期が機械(20.1%)と、入れ替わっています。
  • 5回をのべで合計すると、4科目の合格率は22.1〜23.9%で、いちばん高い理論といちばん低い機械の差は1.8ポイントです。「この科目だけが突出して難しい」とは、この5回の公表値からは言えません。
  • 同じ科目でも、回によって合格率が10ポイント以上動いています(理論は令和6年度下期29.2%から令和7年度上期18.7%まで)。科目の難しさだけでなく、その回の問題の難易や受験者の入れ替わりも影響していると考えられますが、結果発表のPDFには理由の記載はありません。

科目ごとの「難しい」は、その人の得意・不得意で決まります。まずは自分の得点で確かめるのが確実です。

合格点が調整された回もある

受験案内には「合格基準は、各科目ともに原則60点です。なお、試験の難易度等から合格基準を調整する場合があります」とあります。センターの結果発表で、筆記方式の合格基準が60点ではなかった回は、直近5回では次の2回でした。

回筆記方式の合格基準(100点満点)
令和6年度下期理論60点・電力55点・機械60点・法規60点
令和7年度上期理論60点・電力60点・機械55点・法規60点

上記以外の3回(令和6年度上期・令和7年度下期・令和8年度上期)は4科目とも60点でした(令和8年度上期は結果に「理論科目60点以上、電力科目60点以上、機械科目60点以上及び法規科目60点以上」と記載)。CBT方式の得点の基準は、結果発表のPDFには数値で書かれていません(「各科目原則60点」の記載のみ)。出典:令和6年度下期の結果、令和7年度上期の結果、令和6年度上期の結果、令和7年度下期の結果、令和8年度上期の結果(令和8年度上期は2026-10-29、ほかの4回は2026-10-03 時点)。

「大学でいうと」:公式の説明と、条文でわかること

「電験三種は大学でいうとどのくらいか」には、公式の対応表はありません。電気技術者試験センターの試験概要ページには、試験を大学の学部や学年に対応づけた説明(「大学」「程度」「レベル」の記載)はありません(2026-10-03 時点)。そのため、偏差値や「何大学レベル」といった言い方は、この記事では使いません。

その代わり、条文から確かめられる事実が3つあります。

  • 試験の科目は省令7条1項に書かれている。一次試験の科目は、「電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測」「発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路…の設計及び運用並びに電気材料」「電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理」「電気法規(保安に関するものに限る。)及び電気施設管理」の4つで、第三種には二次試験がありません(6条1項ただし書)。出典:e-Gov法令検索 電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令(2026-10-03 取得の現行条文)。
  • 大学の電気工学科で所定の科目を修めると、試験とは別の道で免状の要件を満たせる。同省令1条1項の表では、第三種について、認定を受けた大学の電気工学に関する学科で「第七条第一項各号の科目を修めて卒業した者」は、電圧500ボルト以上の電気工作物の工事、維持又は運用の実務を、卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和で1年以上経験すれば要件に当たります。短期大学・高等専門学校は2年以上、高等学校は3年以上です(いずれも認定を受けた電気工学に関する学科)。この「認定」の道は、免状を受ける方法のひとつとして電気事業法44条2項1号に定められています。
  • 試験に合格した場合の免状は、44条2項2号で別に定められている。「電気主任技術者試験に合格した者」に、経済産業大臣が免状を交付します。出典:e-Gov法令検索 電気事業法(2026-10-03 時点の現行条文)。

つまり法令は、大学の電気工学科で省令7条1項の科目を修めた人に、試験とは別のルートで免状の要件を認めています。ただし、試験の問題がその科目の「何年生の内容」にあたるのかを示した記載は、センターの公表資料にありませんので、学年への当てはめは書きません。認定ルートの要件の読み方は受験資格の記事で、条文の表と一緒に整理しています。

電験三種の偏差値は?公式の指標ではありません

「電験三種の偏差値」で調べると、民間の記事に偏差値や「〇〇大学レベル」といった数字が出てきます。しかし、電気技術者試験センターの公表資料には、偏差値の記載がありません。試験概要・試験結果と推移・資格概要・試験問題と解答のページ、令和8年度上期の受験案内、直近5回の結果発表のPDFのいずれにも、「偏差値」「平均」「標準偏差」「得点分布」の語はありません(2026-10-04 時点。令和8年度上期の結果発表は2026-10-29 に確認)。

偏差値は「(自分の得点-受験者の平均点)÷得点の標準偏差×10+50」で求める値で、同じ試験を受けた集団の得点の分布が必要です。センターが公表しているのは、受験者数・合格者数・合格率・科目別の合格率・合格基準点です。得点の平均や標準偏差は公表資料に載っていないので、公表資料から電験三種の偏差値を計算することはできません。合格率から偏差値を逆算する方法もありますが、受験者は自分で申し込んだ人だけの集団なので、世の中全体の中での位置は表せません。

偏差値で知りたいこと公式の数字で見られるもの
試験全体の厳しさ4科目合格率(令和6年度上期〜令和8年度上期の5回で12.8〜16.8%)と、昭和60年度からの年度別の合格率
科目ごとの差科目別合格率(5回で18.7〜29.2%)。毎回同じ科目が最も低いわけではない
合格点の水準各科目原則60点。回によって調整(令和6年度下期の電力55点、令和7年度上期の機械55点)
自分の位置公式問題を時間を測って解いた自分の得点(60点との差)

偏差値の数字を見かけたら、「どの集団の、どの得点の分布から計算したか」が書かれているかを確かめてください。書かれていなければ、比べる根拠にはなりません。この記事では、公式の数字と自分の得点で確かめる方法をすすめています。

難しいと言われる理由を、試験の構成から確かめる

試験の構成は、センターの受験案内と省令で確認できます。

項目内容出典
科目理論・電力・機械・法規の4科目。科目ごとに合否が決まる試験概要
解答方式五肢択一(マークシートまたはCBT)同上
問題数理論・電力・機械: A問題14題+B問題3題、法規: A問題10題+B問題3題(B問題の一部に選択問題を含む)令和8年度上期受験案内
試験時間開始から90分後に終了。法規は65分後同上
電卓四則演算と開平(√)のみ。関数電卓は不可試験概要
範囲省令7条1項の4区分(機械には「電力システムに関する情報伝送及び処理」を含む)e-Gov 省令

数字から見えるのは、4科目で出題範囲が広いこと、計算問題を関数電卓なしで解くこと、そして科目ごとに合格点が必要なことです。機械の情報伝送及び処理では、BASICまたはC言語(同じ問題が2種類の言語で出る)が使われると受験案内に書かれています。

公式の問題で、時間配分や電卓の使い方を確かめられます。勉強方法の記事や電卓の記事でも整理しています。

合格率が低い理由を、公表値で分けて見る

電験三種の合格率は、直近5回(令和6年度上期〜令和8年度上期)で12.8〜16.8%です。センターの結果発表のPDFには合格率が低い理由の記載がないので、ここでは公表されている数字から、合格率の「数え方」を確かめます。

合格率は「4科目合格者÷受験者」で、受験者は「1科目以上出席した者の人数」です(結果発表のPDFの第2表の注)。1科目だけ受けた人も、4科目すべて受けた人も、同じ1人として分母に入ります。

回申込者受験者(受験率)4科目合格者合格率受験者1人あたりの平均受験科目数(当サイト算出)4科目すべては受けていない受験者(下限・当サイト算出)
令和6年度上期32,683人25,416人(77.8%)4,064人16.0%2.77科目8,106人(31.9%)
令和6年度下期33,945人24,547人(72.3%)4,117人16.8%2.75科目7,987人(32.5%)
令和7年度上期32,337人24,766人(76.6%)3,201人12.9%2.75科目7,972人(32.2%)
令和7年度下期34,214人24,176人(70.7%)3,164人13.1%2.73科目8,250人(34.1%)
令和8年度上期32,862人25,127人(76.5%)3,223人12.8%2.79科目7,816人(31.1%)

出典:各回の結果発表(第2表・第3表。上の「回別の合格率」の表にあるPDF)。2026-10-29 時点。令和8年度上期は(17,792+17,311+17,393+17,497)÷25,127=2.79、25,127-17,311=7,816人。平均受験科目数は、第3表の4科目の受験者数を合計した値÷受験者数です(例:令和7年度下期は(17,087+15,926+16,491+16,443)÷24,176=2.73)。4科目すべてを受けた人は、受験者数が最も少ない科目の受験者数を超えられないので、受験者数からその最小値を引いた人数は、少なくとも4科目すべては受けていない人の数です(令和7年度下期は24,176-15,926=8,250人)。科目合格の免除を使って一部の科目だけ受けた人も、この人数に含まれます。

読み取れることは3つです。

  • 受験者の3分の1前後は、4科目すべてを受けていない:5回とも、少なくとも31.1〜34.1%でした。1人あたりの平均受験科目数は2.73〜2.79科目で、5回ともほぼ同じです
  • 合格率の分母には、1〜3科目だけ受けた人が入る:4科目合格者の数は変わらなくても、1科目だけ受ける人が増えれば、合格率は下がる側に動きます。科目合格には最大で連続5回までの免除があり(試験概要)、科目を分けて受けられる仕組みです
  • 「4科目すべてを受けた人の合格率」は結果発表に載っていない:免除を使った人や1科目だけ受けた人の内訳が結果発表に載っていないため、計算できません。合格率の数字を「4科目すべてを受けた人のうち何%が合格したか」と読むことはできません

合格率の低さには、試験が4科目あり、科目ごとに原則60点が必要なことも関わりますが、その影響の大きさは、公表された数字からは分けられません。合格率の数え方がこうなっているので、自分が1科目ずつ受けるのか、4科目まとめて受けるのかで、見るべき数字(科目別合格率か、4科目合格率か)が変わります。科目別合格率は、前の節の表(直近5回で18.7〜29.2%)で見られます。

「簡単になった」「難易度が下がった」は本当か:合格者数・合格率の推移

「電験三種は簡単になった」「簡単すぎる」と感じたとき、公表資料で確かめられるのは、合格者数と合格率の推移です。センターの「試験結果と推移」の表(昭和60年度〜令和7年度の41年度分、2026-10-04 時点)から、当サイトが並べ直した結果は次のとおりです。

年度受験者数4科目合格者数合格率41年度分の中での順位(当サイト算出)
令和3年度37,765人4,357人11.5%―
令和4年度62,571人7,307人11.7%合格者数5位、受験者数1位
令和5年度52,735人9,894人18.8%合格者数1位、合格率1位
令和6年度49,963人8,181人16.4%合格者数3位
令和7年度48,942人6,365人13.0%合格者数8位、合格率9位

令和4年度以降の数字は、上期と下期の受験者数・合格者数を足した値です。1年に2回受けた人は2回数えられるので、令和3年度以前の(年度に1回の)数字と単純には比べられません。

数字から確かめられるのは次の点です。

  • 令和5年度は、41年度分で合格者数も合格率も最高だった:合格者数9,894人、合格率18.8%です。平成8年度(8,646人)や令和6年度(8,181人)がそれに次ぎます
  • その後は下がっている:合格率は令和6年度16.4%、令和7年度13.0%と下がり、令和7年度の合格者数は6,365人です。令和7年度の合格率は41年度分の中央値(10.7%)よりは高い数字です
  • 1年の数字だけで「簡単になった」とは言えない:結果発表のPDFには、合格率が動いた理由の記載がありません。令和6年度下期は電力、令和7年度上期は機械の合格基準が55点に調整されています(前の節のとおり)。センターは合格基準を「試験の難易度等から」調整する場合があるとしていますが、この2回の調整の理由は、結果発表には書かれていません

制度の面では、経済産業省の電気保安制度ワーキンググループの資料(令和8年2月19日、資料1-2のスライド14)が、令和4年度から試験回数が年2回に増えたこと、令和5年度からCBT試験が導入されたことを挙げています。同じ資料は、第三種の免状取得者が令和5年度以降それまでの2倍以上に増えた背景として、受験機会の拡大等の寄与を「推察」しています。受験の機会が増えたことと、試験の問題が易しくなったことは別の話で、公表資料から「問題が易しくなった」と言える根拠は載っていません。

「簡単」か「難しい」かは、合格率ではなく、自分の得点で確かめるのが確実です。4科目の公式問題は、科目別の合格率の節の末尾にある問題リンクから、時間を測って解けます。

難易度ランキング・電験二種・一種との比べ方

「電験三種 難易度ランキング」のような検索がありますが、国の機関が資格同士の難易度の順位を公表しているわけではありません。民間の順位は、受験者層・試験の構成・基準が違うものを並べているので、この記事では順位づけをしません。同じ主催者の同じ形式の試験なら、公式の数字で並べられます。

令和7年度受験者数合格者数合格率合格基準
第三種(4科目のみ)48,942人6,365人13.0%各科目原則60点
第二種 一次試験7,211人2,524人35.0%90点満点で各科目54点以上
第二種 二次試験3,692人611人16.5%100点満点換算60.0点以上かつ各科目とも平均点以上
第一種 一次試験1,569人502人32.0%80点満点で各科目48点以上
第一種 二次試験772人245人31.7%同上(第二種と同じ基準)

出典:令和7年度一次試験の結果、二次試験の結果、第三種は上の表と同じ(2026-10-03 時点)。

令和7年度 第二種電気主任技術者試験の合格率:一次試験35.0%(受験者7,211人・合格者2,524人)、二次試験16.5%(受験者3,692人・合格者611人)。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 令和7年度一次試験の結果、二次試験の結果。

第二種の一次試験の合格率は三種より高い数字ですが、結果発表には受験者層の違いを示す記載がなく、合格率だけで「二種のほうが易しい」とは言えません。電気工事士(第一種・第二種)の試験は、電気工事士法に基づく別の資格の試験で、電気主任技術者試験(電気事業法44条)とは根拠の法律が違うため、ここでは合格率を並べていません。両方の関係は第一種電工からのステップアップ戦略で整理しています。第二種は一次試験のあとに筆記の二次試験があり、二段階です(省令6条)。資格としての価値や「やめとけ」と言われる理由は、別の記事で整理しています。

難しさを下げる仕組み:科目合格を使う

令和7年度の受験者48,942人のうち、4科目合格が6,365人、科目合格(一部の科目だけ合格)が13,539人でした。合わせた19,904人は受験者の40.7%です(当サイトの算出:(6,365+13,539)÷48,942)。4科目をそろえて合格するのは13.0%でも、4科目のうち1科目以上に合格した人は4割を超えています。

科目合格は、最初に合格した試験以降、申請により最大で連続5回まで当該科目の試験が免除される制度です。免除は申請が必要です(出典:試験概要)。期限の数え方と申請の注意は科目合格の記事にまとめています。科目ごとの対策は、理論・電力・機械・法規の各記事で整理しています。

難易度を確かめる最短の方法

  • ①センターが公表している最新回の問題を、時間を測って解く(公表場所:第三種 試験問題と解答)
  • ②4科目の得点を並べて、60点に届いていない科目を見つける
  • ③合格率の数字は、受験者全体の結果です。自分の学習量と照らして、科目合格を使う計画を立てる
関連記事:電験三種とは(取り方・免除・窓口) / 電験三種の科目合格 / 電験3種の受験資格 / 電験三種 やめとけ / 電験三種の勉強方法

よくある質問

Q電験三種の難易度は、大学の学部や学年でいうとどのくらいですか?

電気技術者試験センターの公式ページは、試験を大学の学部や学年に対応づけて説明していません(試験概要ページに「大学」「程度」「レベル」の記載はありません)。確かめられる事実は、「電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令」1条で、認定を受けた大学の電気工学に関する学科で第7条第1項各号の科目を修めて卒業した人は、卒業前の実務を半分に数えて1年以上の実務経験があれば第三種の免状の要件を満たす、とされていることです。出典:e-Gov法令検索 同省令、電気技術者試験センター 試験概要(2026-10-03 時点)。

Q合格点(合格基準)は毎回同じですか?

受験案内では、各科目とも原則60点で、試験の難易度等から合格基準を調整する場合があると案内されています。センターの結果発表では、筆記方式の基準が令和6年度下期は電力55点、令和7年度上期は機械55点で、そのほかの科目・回は60点でした。出典:令和8年度上期受験案内、令和6年度下期の結果、令和7年度上期の結果。

Q電験二種のほうが合格率が高いのに、三種より易しいのですか?

合格率の高低だけでは言えません。令和7年度の第二種一次試験の合格率は35.0%(受験者7,211人)で、二次試験が別にあり合格率は16.5%(受験者3,692人)でした。電験三種は一次試験のみで13.0%(受験者48,942人)です。受験者の層も試験の構成も違うため、合格率を並べて優劣をつけることはしていません。出典:令和7年度一次試験の結果、二次試験の結果。

Q令和8年度上期試験の合格率はもう出ていますか?

2026-10-29 時点で、電気技術者試験センターの「試験結果と推移」ページ(更新:令和8年10月)に、令和8年度上期の結果(受験者25,127人・4科目合格者3,223人・科目合格者7,193人。4科目合格者÷受験者で約12.8%)が掲載されています。参考として、令和7年度上期(CBT方式は令和7年7月17日〜8月10日、筆記方式は8月31日)の結果は令和7年10月14日、令和7年度下期(CBT方式は令和8年2月5日〜3月1日、筆記方式は3月22日)の結果は令和8年4月17日に公表されており、筆記方式の試験日からおよそ1か月〜1か月半後でした。最新の数字は、公式ページの表で確かめてください。出典:試験結果と推移、プレスリリース一覧。

Q電験三種の偏差値はいくつですか?

電気技術者試験センターの公表資料には、偏差値の記載がありません。試験概要・試験結果と推移・受験案内・直近5回の結果発表のいずれにも、「偏差値」「平均」「標準偏差」の記載はありません(2026-10-04 時点。令和8年度上期の結果発表は2026-10-29 に確認)。偏差値は受験者の得点の平均と標準偏差がないと計算できず、公表されているのは受験者数・合格者数・合格率・合格基準点です。偏差値の数字は、公表資料から確かめられません。

Q令和5年度に合格率が上がったのは、試験が簡単になったからですか?

令和5年度の合格率18.8%は、センターの表にある昭和60年度から令和7年度の41年度分で最高でしたが、結果発表のPDFには合格率が動いた理由の記載がありません。令和6年度は16.4%、令和7年度は13.0%と下がっており、1年の数字だけで「簡単になった」とは言えません。経済産業省の資料(令和8年2月19日)は、令和5年度以降に第三種の免状取得者が2倍以上に増えた背景として、試験回数の増加(令和4年度から年2回)とCBT試験の導入(令和5年度から)による受験機会の拡大などの寄与を「推察」しています。

この資格の問題を解く電験三種 4科目の科目別問題集(理論/電力/機械/法規)
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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月29日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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電験三種(第三種電気主任技術者)の出題範囲・法令・公式の統計を参照して書いています。プロフィール・編集方針