電験三種

電験3種の受験資格は?認定(学歴+実務経験)で免状を取る条件も表で解説

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

電験3種(第三種電気主任技術者試験)に受験資格はなく、年齢・学歴・国籍を問わず受験できます。試験を受けずに免状を取る「認定」の条件(認定校の卒業と学歴ごとの実務経験の年数)、単位が足りないときの科目受験、免状の申請先の違い、第一種・第二種の受験資格まで、電気事業法と省令の原文で整理しました。

目次
  1. 電験3種の受験資格:年齢・学歴・国籍・実務経験の制限なし
  2. 高校生でも電験3種は受けられる?年齢の下限も学校の種類の条件もない
  3. 電験3種を受けている高校生・大学生は何人?センターの実態調査
  4. 電験3種の最年少合格者は何歳?公式に公表された記録は確認できない
  5. 受験資格のない試験で問われること:4科目の範囲
  6. 文系・電気の経験がなくても受験できる?必要な計算の例
  7. 大学生も受験できる?「大学レベル」といわれる難易度は公式に示されているか
  8. 電気主任技術者の受験資格:第一種・第二種は二次試験に条件がある
  9. 試験を受けずに免状を取る「認定」とは(電気事業法44条2項1号)
  10. 認定の条件:学歴ごとの実務経験の年数(第三種・第二種・第一種)
  11. 単位が足りない場合:試験の科目合格で補える
  12. 免状の申請先:試験合格はセンター、認定は産業保安監督部
  13. 認定で取った免状と試験合格の免状は違う?監督できる範囲は免状の種類で決まる
  14. 受験資格がなくても、法規の問題から始められる
結論:電験3種(第三種電気主任技術者試験)に受験資格はありません。電気技術者試験センターは「受験資格はありません。年齢や国籍を問わず、どなたでも受験ができます。」と案内しています。免状は試験に合格する以外に、経済産業大臣の認定を受けた学校の電気工学に関する学科を所定の科目を修めて卒業し、決められた年数の実務経験を積んで申請する方法(認定)でも取れます(電気事業法44条2項1号)。第三種の認定では、電圧500ボルト以上の電気工作物の工事・維持・運用の経験が、大学卒で1年以上、短大・高専卒で2年以上、高校卒で3年以上(卒業前の年数の2分の1と卒業後の年数の和)必要です。高校生・大学生・文系の人・社会人のどれでも、試験を受ける条件は同じです。
免状の取り方根拠条件免状の申請先
試験に合格する電気事業法44条2項2号受験資格なし。第三種は理論・電力・機械・法規の4科目に合格電気技術者試験センター(試験合格者の免状交付事務を経済産業大臣から受託)
認定(学歴と実務経験)電気事業法44条2項1号・資格等に関する省令1条認定を受けた学校の電気工学に関する学科を、所定の科目を修めて卒業し、学歴ごとに決められた年数の実務経験がある住所地を担当する産業保安監督部

条文の出典は e-Gov 法令検索です(2026-10-02 時点の現行条文。電気事業法・電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令・電気事業法施行規則)。以下、2つ目の省令を「資格等に関する省令」と書きます。

合格ナビは、電気技術者試験センターが公表した電験三種の本試験問題を、7回分(令和4年度上期〜令和7年度下期のうち、令和6年度下期を除く)から計352問収録しています。そのうち法規は89問で、問題文や選択肢に「主任技術者」という語が出てくる問題は2問、「電気事業法」と明記された問題は11問でした(2026-10-02 集計)。受験資格や認定そのものを問う問題は、この7回分にはありません。

電験3種の受験資格:年齢・学歴・国籍・実務経験の制限なし

電気技術者試験センターのよくあるご質問は、受験資格について次のように答えています。

受験資格はありません。年齢や国籍を問わず、どなたでも受験ができます。
出典:電気技術者試験センター よくあるご質問(1)

学歴の条件もないので、「高卒でも受けられるか」「電気の学校を出ていなくても受けられるか」の答えはどちらも「受けられる」です。第一種電気工事士などほかの資格を先に持っている必要もありません。

第三種の試験は毎年度2回行うと決められています(資格等に関する省令8条)。申込みの期間と試験日は回ごとにセンターの第三種電気主任技術者試験のページで発表されます。

電験三種 令和8年度下期の申込みと試験日:申込受付期間は2026年11月9日10時〜11月26日17時。試験日はCBT方式が2027年2月4日〜2月28日、筆記方式が2027年3月21日。受験手数料はインターネット申込み7,700円、郵送の書面申込み8,100円。最終確認日:2026-10-02。出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験。

高校生でも電験3種は受けられる?年齢の下限も学校の種類の条件もない

高校生でも受験できます。センターの受験案内(令和8年度上期)にも「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」とあります。普通科か工業科かも問われません。

電気事業法の条文でも同じです。免状は試験に合格した人に交付され(44条2項2号)、免状を交付しないことができる場合は、免状の返納を命ぜられてから1年を経過しない人と、この法律またはこの法律に基づく命令に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない人の2つだけです(同条3項)。年齢や学歴は入っていません。

あなたの立場受験できるか免状を取る道実務経験
高校生(普通科・工業科とも)できる試験に合格する不要
大学生・大学院生できる試験に合格する、または認定試験は不要。認定は大学卒で1年以上
文系の学部・学科の人、電気の経験がない人できる(学部・学科の条件はない)試験に合格する不要
年齢が若い人できる(年齢の下限はない)試験に合格する不要

「実務経験は不要」は、試験に合格して免状を申請するときの添付書類が、戸籍の抄本などと試験結果通知書で、学歴や実務の経験を証明する書類を含まないことによります(資格等に関する省令4条2項・3項)。実務の経験が必要なのは、認定で申請する場合です(同条1項)。認定を受けた高校の電気工学に関する学科を卒業した人は、認定ルートも使えます(後ろの表)。

受験のときに高校生が気をつける点は次のとおりです。

  • 申込みは原則インターネットです(センターの試験日程に「原則インターネット申込みとなります。」とあります)。手数料は前の節の囲みに書いた金額です
  • CBT方式では、受験当日に顔写真付きの公的証明書が必要です(受験案内 14ページ「CBT方式の受験には、顔写真付きの公的証明書が必要です。」)。どの証明書が使えるかは受験案内で確かめてください
  • 試験は理論・電力・機械・法規の4科目で、1回で全部受けなくても、科目ごとに合格を積み上げられます(科目合格の記事)

直流回路の問題は、当サイトに収録した理論87問のうち12問あります(直流回路9問と抵抗温度特性3問・当サイトの分類による・2026-10-02 集計)。最初に試験の形式をつかむなら、回路の問題と単位の問題から始められます。

電験3種を受けている高校生・大学生は何人?センターの実態調査

センターは、受験申込みのときの任意のアンケートをもとに、毎年「電気技術者試験受験者実態調査」を公表しています。令和6年度版の表-14は、第三種の受験申込者を学生・就業者別に集計しています(単位:人)。

区分令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度令和6年度
高校生953745986814956
大学・短大・高専2,4191,3721,8481,3801,319
学生計(その他学校を含む)3,7862,6823,5282,7372,812
無回答12,76625,25541,36735,89332,504
合計(受験申込者)55,40653,68585,92970,81066,628

出典:電気技術者試験センター 令和6年度電気技術者試験受験者実態調査(令和7年3月) 8ページ 表-14。

電験三種 令和6年度の高校生の受験申込者数:956人(アンケートで高校生と回答した人。受験申込者の合計は66,628人)。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 令和6年度電気技術者試験受験者実態調査。

読むときの注意は2つです。

  • アンケートの回答は任意で、同じ表の「無回答」が令和6年度は32,504人います。高校生の欄は「高校生と答えた人」の数で、実際の高校生の人数そのものではありません
  • 956人を合計の66,628人で割ると1.4%です(当サイトの計算。回答した人の数を全申込者で割った値で、割合の正確な値ではありません)

同じ調査の表-2(受験申込者の年代別構成)には、電験3種の10代の区分も示されています(令和6年4月1日時点の満年齢)。表-14では、高校生と回答した人は令和2〜6年度のどの年度も745〜986人でした。

電験3種の最年少合格者は何歳?公式に公表された記録は確認できない

「最年少」の記録は、次の資料に載っていません(2026-10-03 時点)。

  • センターの第三種電気主任技術者試験の試験結果と推移:受験申込者・受験者・合格者・科目合格者の人数だけで、年齢別の欄はありません
  • 令和5年度下期〜令和7年度下期の5回分の結果発表資料(プレス発表):科目別の受験者・合格者・合格率などで、「年齢」「歳」「最年少」の語は出てきません
  • 令和6年度の受験者実態調査:受験申込者の年代別構成、学生・就業者別、学歴などが中心で、合格者の年齢別の人数はありません

個人のブログや報道で「最年少」とされている年齢は、一次資料で確かめられないため、この記事では書きません。公式の資料から確実に言えるのは、受験資格に年齢の制限はない(センター FAQ「年齢や国籍を問わず、どなたでも受験ができます。」)ことと、高校生と回答した受験申込者が毎年いること(前の節の表-14)です。

受験資格のない試験で問われること:4科目の範囲

受験資格がないかわりに、試験の範囲は省令で決まっています。資格等に関する省令7条1項が定める一次試験の科目は次の4つで、センターの試験概要では、それぞれ理論・電力・機械・法規の科目名で、五肢択一方式(筆記方式またはCBT方式)で出題されると案内しています。

科目範囲(資格等に関する省令7条1項の各号)
理論電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測
電力発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む)の設計及び運用並びに電気材料
機械電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
法規電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理

第三種は科目ごとに合否が決まり、合格した科目は次の試験から免除を申請できます。免除される回数と申請の手順は電験三種の科目合格の記事にまとめています。

受ける前に、4科目の本試験問題を1問ずつ解いておくと、自分に合うかを確かめられます。

文系・電気の経験がなくても受験できる?必要な計算の例

文系の学部・学科の人でも、電気の仕事の経験がない人でも、受験できます。受験資格に学部・学科・職歴の条件はなく(センター受験案内・FAQ)、文系か理系かで区別する規定は、センターの試験概要・受験案内・省令のどこにもありません。

どのくらいの数学が必要かは、公式には示されていません。センターの試験概要・試験日程のページと受験案内には、「数学」「微分」「積分」という語がありません(2026-10-03 時点)。試験の範囲は、前の表のとおり資格等に関する省令7条1項が電気理論・電力・機械・法規の4つの区分で定めているだけです。そこで、実際に出た問題で必要な計算を確かめます。

計算の例:令和7年度下期 理論 問6(内部抵抗のある電池)

出典:令和7年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論 問6(一般財団法人 電気技術者試験センター。問題PDFの9ページ、解答PDF)。

内部抵抗r[Ω]・起電力E[V]の電池に、抵抗値R[Ω]の可変抵抗器をつなぎます。R=2.25Ωのとき電流は3A、R=3.45Ωのとき電流は2Aでした。電池の起電力Eを、5つの選択肢から最も近いものを選んで答える問題です(図は公式PDFを見てください)。

  • ① 内部抵抗と可変抵抗器は直列なので、E=I×(R+r) が成り立ちます
  • ② 1つ目の条件:E=3×(2.25+r)=6.75+3r
  • ③ 2つ目の条件:E=2×(3.45+r)=6.9+2r
  • ④ ②=③より 6.75+3r=6.9+2r なので、r=0.15Ω
  • ⑤ E=3×(2.25+0.15)=7.2V

検算は2通りです。1つ目は、2つ目の条件に代入する方法で、2×(3.45+0.15)=7.2Vとなり、⑤と一致します。2つ目は、5つの選択肢の値を1つずつEとして、E÷3−2.25とE÷2−3.45の両方からrを出す方法で、2つの値が一致するのは7.20Vだけです(9.30Vなら0.85Ωと1.20Ω、7.05Vなら0.10Ωと0.075Ω)。解答PDFの正解も(2)の7.20です。

この問題で使った計算は、文字を1つ含む式を2本立てて解くことだけで、新しい公式は必要ありませんでした。ただし、1問で試験全体の水準は言えません。公式に数学の範囲が示されていないので、自分に必要な範囲は、公表されている本試験問題を解いて確かめるのが確実です。

当サイトに収録した理論87問は、当サイトの分類で次のように分かれます(令和4年度上期〜令和7年度下期の7回分・2026-10-02 集計)。

分類(当サイトの分け方)問題数
電磁気・回路理論22問
電磁気学(静電界・コンデンサ)17問
電磁気学(磁気回路)14問
直流回路(抵抗温度特性を含む)12問
交流回路10問
電子回路(トランジスタ・増幅)7問
電磁誘導・インダクタンス5問

電卓は、四則演算と開平計算(√)を行うためのものを使います。関数電卓や数式を記憶できる電卓は使えません(センターの試験概要)。勉強の順番は電験三種の独学ロードマップで、4科目を一度に受けなくてよい仕組みは科目合格の記事で整理しています。

大学生も受験できる?「大学レベル」といわれる難易度は公式に示されているか

大学生・大学院生も、在学中に受験できます。受験資格に学年や学部の条件はなく、在学中に合格すれば、試験合格者として免状を申請できます(申請先はセンター)。

センターの実態調査(令和6年度)では、インターネットで申し込んだ人のうち、在学中の人の学校の種類は次のとおりでした(表-8・在学者N=2,959人・単位%)。

在学中の学校割合
大学39.0
工業高等学校30.6
専門・専修学校9.3
大学院8.9
高専・短大8.2
普通高等学校2.2
その他1.8

出典:電気技術者試験センター 令和6年度電気技術者試験受験者実態調査 5ページ 表-8。

調査は、在学者について「「大学」「工業高等学校」「専門・専修学校」の割合が大きく、3区分の合計で78.9%を占めている」と述べています。

「大学レベル」という言い方は、公式の資料には出てきません。センターの第三種の試験概要は、試験を大学の学年や学部の水準と対応づけて説明しておらず、「大学」「程度」「レベル」の語もありません(2026-10-03 時点)。公式に数字で言えるのは、受験者数・合格者数・合格率です。

電験三種 令和7年度の受験者・合格者:受験者48,942人、合格者6,365人(上期・下期の合計。受験者は1科目でも出席した人の合計)。最終確認日:2026-10-03。出典:電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験の試験結果と推移。

合格率の回ごとの推移と科目別の内訳は電験3種の難易度と合格率の記事にまとめています。大学で電気工学を学ぶ人が認定ルートで免状を取る場合の条件は、後ろの「認定の条件」の表のとおりです(認定を受けた大学の電気工学に関する学科を卒業し、実務経験が1年以上)。自分の学科が認定校かどうかは、学校に確かめてください。

試験の水準は、公表された本試験問題で確かめるのが確実です。理論・電力・機械から1問ずつ解けます。

電気主任技術者の受験資格:第一種・第二種は二次試験に条件がある

電気主任技術者の免状には第一種・第二種・第三種があり(電気事業法44条1項)、試験は免状の種類ごとに行われます(同法45条1項)。受験資格がないのは第一種・第二種の一次試験も同じですが、第一種・第二種には二次試験があり、こちらには受けられる人の条件があります。第三種に実技試験や二次試験がないことの根拠は電験三種に実技試験はある?にまとめています。

種類試験の構成受けられる人
第三種一次試験のみ(4科目)誰でも
第二種一次試験(4科目)と二次試験(2科目)一次試験は誰でも。二次試験は一次試験に合格した人と、一次試験を免除された人
第一種一次試験(4科目)と二次試験(2科目)第二種と同じ

根拠は資格等に関する省令6条で、1項は「第三種電気主任技術者免状に係るものにあつては、二次試験を行わないものとする。」と第三種を除き、3項は「二次試験は、一次試験に合格した者及び次項の規定により一次試験を免除された者について、筆記試験により行うものとする。」と定めています。センターの第二種の試験概要も、一次試験の4科目に合格すれば「二次試験の受験資格が得られます」と説明しています。

試験を受けずに免状を取る「認定」とは(電気事業法44条2項1号)

電気事業法44条2項は、免状を交付する相手を次のように定めています。

主任技術者免状は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、経済産業大臣が交付する。
一 主任技術者免状の種類ごとに経済産業省令で定める学歴又は資格及び実務の経験を有する者
二 前項第一号から第三号までに掲げる種類の主任技術者免状にあつては、電気主任技術者試験に合格した者
出典:電気事業法 第44条第2項

1号が「認定」と呼ばれる方法です。センターの令和8年度第三種電気主任技術者上期試験 受験案内(11ページ)も、「認定校を所定の単位を修得して卒業し、所定の実務経験を有して申請する方法(学歴と実務経験による免状交付申請)があります」と案内し、流れを「認定校を卒業 → 所定の単位を修得 → 所定の実務経験 → 免状交付申請」の4段階で示しています。

認定校(電験 三種 認定校)とは

資格等に関する省令1条の表で、学歴の条件になる学校は「経済産業大臣が告示で定める基準に適合するものとして認定を受けたもの」の「電気工学に関する学科」で、そこで「第七条第一項各号の科目」(上の表の4科目の範囲)を修めて卒業することが求められます。

  • 認定は学校・学科ごと:経済産業省は、学校等の認定・認定の変更・認定の取消しを公示しています(公示の例:学校等の認定を行った件について(2026年4月)。この例では、認定に係る免状の種類として第一種〜第三種が示されています)
  • 自分の学校が認定校かどうか:受験案内は「卒業された学校が認定校かどうかは、卒業された学校へ直接お問い合わせください。」としています
  • 単位を修めたかどうか:受験案内は、修得状況が不明な場合は卒業した学校が発行する「履修単位証明書(電験用)」で確かめるよう案内しています

認定が取り消された学科もあるため、卒業した年に認定を受けていたかを含めて、学校に確かめるのが確実です。

認定の条件:学歴ごとの実務経験の年数(第三種・第二種・第一種)

学歴または資格と、必要な実務の経験は、資格等に関する省令1条1項の表に書かれています。電気主任技術者の3種類を、原文の区分どおりに並べると次のとおりです(学校は、いずれも認定を受けたものの電気工学に関する学科で、所定の科目を修めて卒業した場合)。

免状学歴又は資格実務の内容経験年数
第三種大学(これと同等以上の教育施設を含む)電圧500ボルト以上の電気工作物の工事、維持又は運用卒業前の年数の2分の1と卒業後の年数の和が1年以上
第三種短期大学(専門職大学の前期課程を含む)・高等専門学校同上同じ計算で2年以上
第三種高等学校同上同じ計算で3年以上
第二種大学電圧1万ボルト以上の電気工作物の工事、維持又は運用同じ計算で3年以上
第二種短期大学・高等専門学校同上同じ計算で5年以上
第二種第三種の免状の交付を受けている人(上の2つ以外)同上第三種の免状の交付を受けた後5年以上
第一種大学電圧5万ボルト以上の電気工作物の工事、維持又は運用同じ計算で5年以上
第一種第二種の免状の交付を受けている人(上以外)同上第二種の免状の交付を受けた後5年以上

大学院を修了した場合は修了の前と後、専門職大学の前期課程を修了した場合も同じように数えます(表の括弧書き)。

「卒業前の年数の2分の1と卒業後の年数の和」の数え方

第三種で高校卒の場合、条件は「卒業前の経験年数の二分の一と卒業後の経験年数との和が三年以上」です。たとえば卒業前の経験が2年、卒業後の経験が2年なら、2×1/2+2=3年で条件を満たします。卒業前の経験がなければ、卒業後に3年が必要です。

ただし、どのような業務が「実務の経験」に当たるかの細かな扱いは、表には書かれていません。受験案内は「所定の実務経験の詳細は、各地域の産業保安監督部(署)電力安全課 へお問い合わせください。」としています。

この表から、免状を持っている人が上の種類へ進む道もわかります。認定の学歴の区分に当たらない人でも、第三種の免状を取った後に電圧1万ボルト以上の設備で5年以上の経験を積むと第二種、第二種の免状を取った後に電圧5万ボルト以上の設備で5年以上の経験を積むと第一種の、認定の対象になります。

単位が足りない場合:試験の科目合格で補える

認定校を卒業していても、所定の科目の単位が一部足りない人(単位不足者)は、電験の試験でその科目に合格すれば、単位を修めたものとみなされます。資格等に関する省令1条2項は、補える範囲を「二科目を限度(同項第二号及び第四号又は同項第三号及び第四号に限る。)」と定めています。第2号は電力、第3号は機械、第4号は法規の範囲です。

足りない単位試験で補える科目
1科目電力・機械・法規のいずれか
2科目電力と法規、または機械と法規の組み合わせだけ

理論の範囲は、この方法では補えません。センターのよくあるご質問(92)は、単位不足の扱いを受験案内の「認定による資格取得において単位が不足している方のための試験制度」の項目で確認するよう案内しています。令和8年度上期の受験案内(11ページ)には、受験の注意として次のことが書かれています。

  • 受験申込画面の試験区分は「全科目受験者」を選ぶ
  • CBT方式で受ける場合は、受けない科目も含めて4科目すべての会場予約が必要(予約が4科目そろわないとCBT方式で受験できない)
  • 試験では、単位が足りない科目だけを受験する

科目に合格して単位が補えた後も、免状の申請には所定の実務経験が必要です。手続きは回ごとの受験案内で確かめてください。

免状の申請先:試験合格はセンター、認定は産業保安監督部

同じ電気主任技術者の免状でも、取り方によって申請先が違います。

取り方申請先根拠
試験に合格した電気技術者試験センターセンターの電気主任技術者の免状交付「電気主任技術者試験に合格された方に対する免状交付事務は、経済産業大臣から委託を受け当試験センターが行っております。」
認定(学歴と実務経験)住所地を担当する産業保安監督部資格等に関する省令4条1項(申請書は「産業保安監督部長を経由して経済産業大臣に提出」)、センターのよくあるご質問(91)

認定の申請では、資格等に関する省令4条1項により、申請書に戸籍の抄本や住民票の写しなど本籍・氏名・生年月日を確かめる書類と、学歴と実務の経験を証明する書類を添えます。学歴の証明は、学校等が作成した「単位取得証明書」(様式第七)です。各地域の窓口は、センターの産業保安監督部窓口のページに一覧があります。

なお、試験合格者の免状について、センターは「免状が交付されるまでの所要期間は、申請からおよそ2ヶ月となります。」と案内しています。これは試験合格者の場合の目安で、認定による申請の期間ではありません。

認定で取った免状と試験合格の免状は違う?監督できる範囲は免状の種類で決まる

認定で取っても試験で取っても、交付されるのは同じ「第三種電気主任技術者免状」です(電気事業法44条1項3号・2項)。保安の監督ができる範囲は、電気事業法施行規則56条の表で免状の種類ごとに決まっており、取り方による区別はありません。

免状保安の監督をすることができる範囲(電気事業法施行規則56条)
第一種事業用電気工作物の工事、維持及び運用
第二種電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事、維持及び運用
第三種電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所又は蓄電所を除く)の工事、維持及び運用

いずれも、ダム水路主任技術者・ボイラー・タービン主任技術者が監督する範囲(水力設備・火力設備などの電気的設備以外)は除かれます(56条の表の括弧書き)。事業用電気工作物を設置する者は、免状の交付を受けている者のうちから主任技術者を選任しなければなりません(電気事業法43条1項)。選任の義務と仕事の責任については電験三種はやめとけ?の記事で、条文と公的資料をもとに整理しています。

主任技術者の選任と保安の仕組みは、法規でそのまま出題されます。

受験資格がなくても、法規の問題から始められる

電験3種に受験資格はありません。一方、認定で免状を取れるのは認定を受けた学校の電気工学に関する学科を卒業した人などに限られるため、それ以外の人が免状を取る方法は試験です。免状と主任技術者の制度を扱う法規から解き始めると、試験の形式と制度の両方を一度に確かめられます。

よくある質問

Q認定校を卒業すれば、試験を受けずにすぐ免状をもらえますか?

卒業だけでは足りません。電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令1条の表で、学歴ごとに実務の経験の年数が決められています。第三種なら、認定を受けた高等学校の電気工学に関する学科を卒業した場合、電圧500ボルト以上の電気工作物の工事・維持・運用の経験が、卒業前の年数の2分の1と卒業後の年数の和で3年以上必要です。申請先は電気技術者試験センターではなく、住所地を担当する産業保安監督部です。

Q認定で取った第三種の免状と、試験に合格して取った免状に違いはありますか?

電気事業法44条2項は、学歴と実務経験の条件を満たした人(1号)と、試験に合格した人(2号)のどちらにも同じ「主任技術者免状」を交付すると定めています。保安の監督ができる範囲は、電気事業法施行規則56条の表で免状の種類ごとに決まっており、どちらの方法で取ったかによる区別は条文にありません。

Q第一種・第二種の電気主任技術者試験に受験資格はありますか?

一次試験には受験資格の制限がありません。第一種・第二種は一次試験と二次試験に分かれており、二次試験を受けられるのは、一次試験に合格した人と一次試験を免除された人です(主任技術者の資格等に関する省令6条3項)。第三種は一次試験だけで、二次試験はありません(同条1項ただし書)。

Q電験三種の免状を持っていれば、試験なしで第二種の免状を取れますか?

資格等に関する省令1条の表では、認定を受けた大学・短大・高専の学歴の区分に当たらない人でも、第三種の免状の交付を受けた後に、電圧1万ボルト以上の電気工作物の工事・維持・運用の経験が5年以上あれば、第二種の免状の対象になります(申請先は産業保安監督部)。どの経験が実務の経験に当たるかは、住所地を担当する産業保安監督部に確認してください。

Q高校生が試験に合格したら、実務経験がなくても免状をもらえますか?

試験に合格して免状を申請する場合、省令4条2項・3項が定める添付書類は戸籍の抄本などと試験結果通知書で、学歴や実務経験を証明する書類は含まれません。実務経験が必要なのは、認定(学歴と実務経験)で申請する場合です。電気事業法44条3項が定める「免状を交付しないことができる場合」にも、年齢や学歴は入っていません。申請先は電気技術者試験センターです。

Q電験三種の最年少合格者は公式に公表されていますか?

次の資料には載っていません。センターの試験結果ページ、令和5年度下期〜令和7年度下期の結果発表資料、令和6年度の受験者実態調査のいずれにも、合格者の年齢別の人数や最年少の記録は載っていません(2026-10-03 時点)。受験資格に年齢の制限がないことは、センターが明記しています。

この資格の問題を解く電験三種 4科目の科目別問題集(理論/電力/機械/法規)
解いてみる

法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月3日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

合格ナビ 編集長・運営者

電験三種(第三種電気主任技術者)の出題範囲・法令・公式の統計を参照して書いています。プロフィール・編集方針