電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度上期 法規 問1|電気事業法(保安規程・主任技術者)

問題

電験三種 | 法規 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

次の図は,「電気事業法」に基づく一般用電気工作物及び自家用電気工作物のうち受電電圧7 000 V以下の需要設備の保安体系に関する記述を表したものである。ただし,除外事項,限度事項等の記述は省略している。 なお,この問において,技術基準とは電気設備技術基準のことをいう。 (図の内容) 【一般用電気工作物】 (ア)は ・電気工作物が技術基準に適合しているかどうかを調査しなければならない。(第57条) ・(イ)に,電気工作物が技術基準に適合しているかどうかを調査することを委託することができる。(第57条の2) 経済産業大臣は ・電気工作物が技術基準に適合していないと認めるときには,その使用を一時停止すべきことを命じ,又はその使用を制限することができる。(第56条) ・その職員に,電気工作物の設置の場所(居住の用に供されているものを除く。)に立ち入り,電気工作物を検査させることができる。(第107条) 【自家用電気工作物】 電気工作物を設置する者は ・電気工作物を技術基準に適合するように維持しなければならない。(第39条) ・(ウ)を定め,電気工作物の使用の開始前に,経済産業大臣に届け出なければならない。(第42条) ・保安の監督をさせるため,主任技術者を選任し,遅滞なく,その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。(第43条) ・電気工作物の使用の開始の後,遅滞なく,その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。(第53条) 経済産業大臣は ・電気工作物が技術基準に適合していないと認めるときには,その使用を一時停止すべきことを命じ,又はその使用を制限することができる。(第40条) ・主任技術者免状の交付を受けている者がこの法律に違反したときは,その主任技術者免状の返納を命じることができる。(第44条) ・電気工作物を設置する者に対し,その業務の状況に関し報告又は資料の(エ)をさせることができる。(第106条) ・その職員に,電気工作物を設置する者の事務所その他の事業場に立ち入り,電気工作物,帳簿,書類その他の物件を検査させることができる。(第107条) 図中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)の中から選べ。

問題の図(出典: 令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規 問1/電気技術者試験センター)

図の出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規 問1

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解説

電気事業法に基づく一般用・自家用電気工作物の保安体系図の穴埋め問題(令和4年度上期 問1)。正答は(4)「電線路維持運用者 登録調査機関 保安規程 提出」です。

一般用電気工作物(主に一般家庭)は,電気を送っている「電線路維持運用者」(電力会社など)が技術基準に適合しているかを調査し,その調査を「登録調査機関」に委託できます。自家用電気工作物は,設置者が自ら「保安規程」を定めて使用開始前に届け出ます。(エ)は経済産業大臣が設置者に求める「報告又は資料の提出」です。「調べてもらう一般用」と「自分で保安を担う自家用」の違いを押さえれば(4)が選べます。

【論点】一般用電気工作物の調査義務と,自家用電気工作物の自主保安・国の監督権限(令和4年度上期 問1)

【(ア)電線路維持運用者】

一般用電気工作物の技術基準適合を調査する義務を負うのは,その一般用電気工作物と直接に電気的に接続する電線路を維持し,及び運用する者(電線路維持運用者)である(第57条)。一般家庭の所有者は電気の専門知識を持たないことが多いため,電気を供給する側に調査させる仕組みになっている。「所有者又は占有者」は,調査の結果,技術基準に適合していないときに,とるべき措置を電線路維持運用者から通知される側であり,調査の主体ではない。

【(イ)登録調査機関】

電線路維持運用者は,この調査業務を経済産業大臣の登録を受けた登録調査機関に委託できる(第57条の2)。「電気主任技術者」は自家用電気工作物などの保安の監督をする者で,一般用電気工作物の調査を委託される相手ではない。

【(ウ)保安規程】

自家用電気工作物(事業用電気工作物)の設置者は,保安を確保するため保安規程を定め,使用の開始前に経済産業大臣に届け出なければならない(第42条)。「検査要領書」は届出対象の文書ではない。

【(エ)提出】

経済産業大臣は,電気工作物を設置する者に対し,業務の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる(第106条)。「資料の作成をさせる」という条文ではない。

【結論】

(ア)電線路維持運用者・(イ)登録調査機関・(ウ)保安規程・(エ)提出の組合せは(4)のみである。

【核心論点】一般用電気工作物は「電線路維持運用者による調査」で,自家用電気工作物は「設置者自身による自主保安+国の監督」で安全を担保するという,電気事業法の二本立ての保安体系(令和4年度上期 問1)。正答は(4)です。

【一般用電気工作物側の仕組み】

一般家庭等の一般用電気工作物は,設置者に高度な電気知識を期待できないため,電線路維持運用者が技術基準への適合状況を調査する義務を負う(第57条)。不適合があれば,とるべき措置と,措置をとらなかった場合に生ずべき結果を所有者又は占有者に通知する。調査は登録調査機関に委託できる(第57条の2)。さらに経済産業大臣は,不適合の電気工作物に使用の一時停止・制限を命じることができ(第56条),職員に立入検査させることもできる(第107条)。ただし一般用の立入検査は,居住の用に供されている場所が除かれている点が図にも書かれている。

【自家用電気工作物側の仕組み】

工場やビルなどの自家用電気工作物は,設置者自身が保安の責任を負う。技術基準への適合維持(第39条),保安規程の届出(第42条),主任技術者の選任と届出(第43条),使用開始の届出(第53条)が設置者の義務である。経済産業大臣は,使用の一時停止・制限命令(第40条),主任技術者免状の返納命令(第44条),報告又は資料の提出の要求(第106条),立入検査(第107条)によって監督する。

【選択肢の作り方】

(ア)の「所有者又は占有者」は第57条に通知の相手として実際に登場する語,(イ)の「電気主任技術者」は自家用側に登場する語であり,図のもう一方の枝や同じ条文の別の部分から語を持ってきて紛らわしくしている。(エ)の「作成」は(ウ)の保安規程を「定める」行為と混同させるための語で,第106条は「報告又は資料の提出」とセットで覚えておけば迷わない。条番号まで書かれた体系図なので,「調査は第57条,委託は第57条の2,保安規程は第42条,報告徴収は第106条,立入検査は第107条」と条番号とセットで整理しておくと,同種の体系図問題にそのまま対応できる。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。