問題
次の文章は,「電気事業法」における事業用電気工作物の技術基準への適合に関する記述の一部である。 a) 事業用電気工作物を設置する者は,事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように (ア) しなければならない。 b) 上記a)の主務省令で定める技術基準では,次に掲げるところによらなければならない。 ① 事業用電気工作物は,人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えないようにすること。 ② 事業用電気工作物は,他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は (イ) 的な障害を与えないようにすること。 ③ 事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。 ④ 事業用電気工作物が一般送配電事業又は配電事業の用に供される場合にあつては,その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。 c) 主務大臣は,事業用電気工作物が上記a)の主務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは,事業用電気工作物を設置する者に対し,その技術基準に適合するように事業用電気工作物を修理し,改造し,若しくは移転し,若しくはその使用を (ウ) すべきことを命じ,又はその使用を制限することができる。 上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
電気事業法のうち、事業用電気工作物を技術基準に適合させる義務と、適合していないときの国の命令を穴埋めする問題です(令和6年度上期 問1)。設置者は事業用電気工作物を技術基準に適合するように(ア)維持しなければなりません。技術基準は、他の設備の機能に電気的または(イ)磁気的な障害を与えないことを求めています。適合していないとき、主務大臣は修理・改造・移転や、使用の(ウ)一時停止を命じることができます。正答は(2)です。
(ア) 維持:設置者の義務は、技術基準に適合するように「維持」することです。工事が終わった時点で基準を満たすだけでなく、使っている間ずっと適合した状態を保たなければなりません。「設置」では、設置後に劣化して基準を外れた状態が義務の外になってしまいます。
(イ) 磁気:技術基準は、他の電気的設備その他の物件の機能に「電気的又は磁気的な障害」を与えないことを求めています。電力設備に流れる大きな電流がつくる磁界は、近くの通信線や機器に誘導障害を起こすことがあるため、電気的な障害と並べて磁気的な障害が挙げられています。「熱的」な影響は①の人体への危害や物件の損傷の防止で扱われる内容で、ここでは誤りです。
(ウ) 一時停止:主務大臣は、技術基準に適合していないと認めるとき、設置者に対して修理・改造・移転、または使用の「一時停止」を命じ、あるいは使用を制限できます。この命令は技術基準に適合させるためのものなので、修理などで適合すれば使用を再開できる一時停止とされています。「禁止」は、適合させれば使えるという命令の目的に合いません。
以上から(ア)維持、(イ)磁気、(ウ)一時停止で、正答は(2)です。
この問題の文章は、電気事業法の保安規制の土台となる2つの規定、すなわち「設置者の技術基準適合維持義務」と「主務大臣の技術基準適合命令」を組み合わせたものです。
a)の「維持」が要所です。電気工作物は使ううちに絶縁の劣化や支持物の腐食などが進み、設置したときには満たしていた基準を外れることがあります。法は設置者に、使用中を通じて基準に適合した状態を保つ責任を負わせています。事業用電気工作物の設置者が保安規程を定め、電気主任技術者を選任するのも、この維持義務を日常的に果たすための仕組みです。
b)は主務省令(電気設備に関する技術基準を定める省令など)に盛り込むべき内容を示したものです。①人体への危害・物件の損傷の防止、②他の電気的設備などへの電気的・磁気的障害の防止、③事業用電気工作物の損壊による一般送配電事業者・配電事業者の電気の供給への著しい支障の防止、④一般送配電事業・配電事業の用に供される電気工作物の場合、その事業の電気の供給への著しい支障の防止、の4点です。電気設備技術基準の個々の規定は、どれもこのいずれかを具体化したものと考えると、条文の目的を読み取りやすくなります。
c)の命令は、修理・改造・移転・使用の一時停止という「適合させるための措置」を命じるか、使用を制限するかのどちらかです。いずれも技術基準への適合を回復させることが目的であり、使用を永久に禁じる処分ではありません。選択肢の「禁止」は、この目的を読み違えさせるために置かれています。
選択肢の組合せを見ると、(ア)の「設置/維持」、(イ)の「磁気/熱」、(ウ)の「一時停止/禁止」の2択が3つ並んでいます。「維持」「磁気的」「一時停止」はどれも条文の決まった言い回しなので、条文の目的(使用中の適合確保・他設備への障害防止・適合回復のための命令)と結び付けて覚えておくと、ほかの空欄の位置で出題されても対応できます。
- 電気事業法e-Govで原文を読む
- 電気設備に関する技術基準を定める省令e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和6年度上期 第三種電気主任技術者試験 法規(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

