問題
図1 の直流回路において,端子a-c 間に直流電圧100 V を加えたところ,端子b-c 間の電圧は10 V であった。また,図2 のように端子b-c 間に15 Ωの抵抗を並列に追加したとき,端子b-c 間の電圧は4 V であった。今,図3 のように端子b-c 間を短絡したとき,電流I の値[A]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
図の直流回路での解析問題です。条件1(端子ac間100V):端子bc間10V。条件2(bc間に15Ω並列追加):bc間4V。このデータからR₁,R₂を求め,bc間短絡時の電流Iを計算します。条件1:V_bc/V_ac=R₂/(R₁+R₂)=10/100=1/10→R₁=9R₂。条件2:R₂//15の並列=R₂×15/(R₂+15),V_bc=4 V→R₁=24×(R₂//15)となり,R₂=25Ω,R₁=225Ω。bc短絡時:電流I=100V÷R₁=100÷225≒0.44A。正答は(2)0.44 Aです。
分圧回路の参数決定と短絡電流計算です。
【条件1からR₁とR₂の比を決定】
図1(bc間開放):端子bc間電圧=R₂/(R₁+R₂)×100=10 V
→R₂/(R₁+R₂)=1/10→R₁=9R₂ ···①
【条件2から絶対値を決定】
図2(bc間に15Ω並列):R₂//15=15R₂/(R₂+15)
端子bc電圧=15R₂/(R₂+15)/(R₁+15R₂/(R₂+15))×100=4 V
bc間電圧が4 Vなので,R₁には96 Vがかかる → R₁=24×(R₂//15)
①を代入:9R₂=24×15R₂/(R₂+15) → R₂+15=40 → R₂=25 Ω,R₁=9×25=225 Ω
(確認:R₂//15=375/40=9.375 Ω,100×9.375/(225+9.375)=4.0 V ✓)
【図3(bc間短絡)の電流】
bc短絡→R₂の両端電圧は0なのでR₂には電流が流れず,電流はすべて短絡線を通る
I=100/R₁=100/225≒0.444 A≒0.44 A → 選択肢(2)
分圧回路は電験三種「理論」の直流回路の基本で,変圧器の電圧タップ選定,電位分圧計(ポテンショメータ)の原理に通じます。
【分圧回路の一般公式】
R₁,R₂直列に電圧Eを加えた場合:V₂=E×R₂/(R₁+R₂)
入力インピーダンスへの影響:負荷R_Lを接続すると→V₂'=E×(R₂//R_L)/(R₁+R₂//R_L)(実際の出力電圧が低下)
【テブナン定理の適用】
端子bc(または負荷接続点)のテブナン等価:
Vth=E×R₂/(R₁+R₂),Rth=R₁//R₂
任意の負荷RL接続時:I=Vth/(Rth+RL),V=Vth×RL/(Rth+RL)
【電験二種・実務への接続】
電験二種では,電位分圧器(ポテンシャルディバイダ)の精度解析,変圧器のタップ切替による電圧調整,系統の電圧配分計算が出題されます。実務では,高圧回路の電圧計用変圧器(VT/PT)の精度保証(JIS C 1731),分圧器を使った高電圧測定,制御回路の信号分圧に応用されます。
【直流回路の発展的内容(電験二種レベル)】
①節点解析(ノード法):n節点回路をYV=I(アドミタンス行列×電圧ベクトル=電流ベクトル)で表し,行列演算で解く。
②メッシュ解析(ループ法):m独立ループをZI=V(インピーダンス行列×電流ベクトル=起電力ベクトル)で解く。
③重ね合わせの理:複数電源の場合,各電源を個別に残し(他は短絡/開放)て求めた電流・電圧を加算。
④テブナン・ノートン等価変換:任意の線形2端子回路を一つの電圧源+直列抵抗(またはその双対)に変換。
【実務での直流回路知識の応用】
・変電所直流電源設備(蓄電池+整流器):常時フロート充電,停電時の自立運転設計
・制御・保護回路の設計:操作用直流(DC110V系)のリレー回路,インターロック回路
・電気鉄道の直流き電:DC1500V(地下鉄),DC750V(路面電車)のき電回路解析
・電解・電気分解設備:電流密度・槽電圧・エネルギー効率の計算(ファラデーの電気分解の法則)
・接地抵抗測定(3電極法):テブナン等価回路として接地システムを解析
直流回路の基礎は電力変換(整流器,インバータ,チョッパ)の設計・保守の土台です。
- 定期監査問題文の端子の記号と単位(b-c間・15 Ω)が抜けていたため補い、解説の計算の誤りを直しました(正答は変更なし)。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


