問題
図に示すRLC回路において,静電容量C[F]のコンデンサが電圧V[V]に充電されている。この状態でスイッチSを閉じて,それから時間が十分に経過してコンデンサの端子電圧が最終的に零となった。この間に抵抗R[Ω]で消費された電気エネルギーW[J]を表す式として,正しいものを次のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
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- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
RLC回路でコンデンサをV[V]に充電した状態からスイッチを閉じ,最終的にコンデンサ電圧がゼロになるまでに抵抗R [Ω]で消費された電気エネルギーW [J]を求めます。エネルギー保存則を使います。初期の静電エネルギー:W₀=CV²/2 [J](コンデンサに蓄えられたエネルギー)。最終状態(コンデンサ電圧=0):静電エネルギー=0。消費エネルギーは全て抵抗Rで消費(インダクタンスLも存在するが最終状態でのエネルギー=0)。よってW=CV²/2 [J]。選択肢の式でCV²/2に対応するものが正答で,(5)は(1/2)CV²です。正答は(5)です。
RLC回路のエネルギー消費計算(過渡現象)です。
【エネルギー保存則の適用】
初期状態(スイッチS開):コンデンサC [F]が電圧V [V]に充電
初期エネルギー:WC0=CV²/2 [J],インダクタL:WL0=0(電流=0)
最終状態(十分時間経過後):
コンデンサ端子電圧=0→WC∞=0,インダクタ電流=0→WL∞=0
エネルギー収支:WC0=WC∞+WL∞+WR(抵抗での消費)
CV²/2=0+0+WR
WR=CV²/2 [J]
【選択肢の確認(単位で確かめる)】
エネルギーの単位Jは,F×V²=(C/V)×V²=C·V=Jです。
(1)(1/2)C²V:Cが2乗。単位はF²·V=C²/Vとなり,Jにならない(誤り)
(2)(1/2)LV²:インダクタのエネルギーは(1/2)LI²で電流の2乗。電圧の2乗を掛けてもJにならない(誤り)
(3)(1/2)L²V:Lが2乗でVも1乗。Jにならない(誤り)
(4)(1/2)(V²/R):V²/Rは電力[W]。時間の要素がないのでエネルギー[J]にならない(誤り)
(5)(1/2)CV²:初めにコンデンサに蓄えられていた静電エネルギーそのもの(正答)
正答は(5)WR=CV²/2 [J]
RLC回路のエネルギー解析は電験三種「理論」の過渡現象の重要論点です。
【RLC回路の振動条件とエネルギー】
R<2√(L/C):減衰振動(アンダーダンプ)→コンデンサとインダクタでエネルギーをやり取りしながらRで消費
R=2√(L/C):臨界制動(クリティカルダンプ)→最速で定常値に収束
R>2√(L/C):過制動(オーバーダンプ)→振動なし
いずれの場合も最終的に全エネルギーWR=CV²/2 [J]が抵抗で消費される(初期エネルギー=最終消費エネルギー)
【コンデンサとインダクタのエネルギー式】
コンデンサ:W=CV²/2=Q²/(2C)=QV/2
インダクタ:W=LI²/2
【積分で確かめる(Lのない場合)】
L=0のRC放電なら電流は i=(V/R)e^(−t/(RC)) です。抵抗での消費エネルギーは
W=∫₀^∞ i²R dt=(V²/R)∫₀^∞ e^(−2t/(RC)) dt=(V²/R)×(RC/2)=(1/2)CV²
となり,RやLの値に関係なく(1/2)CV²になります。Lがあると電流の波形(減衰振動か非振動か)は変わりますが,最終的に電流も電圧も零になるので,エネルギー保存則から同じ結果になります。本問で選択肢にL・Rが入った式が並ぶのは,「RLC回路だから答えにLやRが入るはず」という思い込みを試すためです。
【数値例】
C=10 μF,V=1 000 Vなら W=(1/2)×10×10⁻⁶×1 000²=5 J。Rを10 Ωにしても1 kΩにしても,消費されるのは5 Jで変わりません。Rが変えるのは放電にかかる時間(時定数RC)だけです。
【関連論点:充電時の損失】
零の状態から直流電圧Vで抵抗を通して充電すると,電源が送り出すエネルギーはQV=CV²,コンデンサに蓄えられるのは(1/2)CV²で,残りの(1/2)CV²は抵抗で消費されます。この「半分は抵抗で失われる」もRの値によらない結果で,放電の問題と対になる頻出論点です。
【電験二種・実務への接続】
電験二種では,RLC過渡現象のラプラス変換解法や,進相コンデンサ投入時の突入電流が出題されます。実務では,高圧進相コンデンサには開放後の残留電荷を放電させる放電抵抗(または放電コイル)が付いており,点検時には残留電圧が十分下がったことを検電・接地で確かめてから触れます。放電で抵抗に生じる熱が(1/2)CV²で決まることは,放電抵抗の容量を考えるときの基礎になります。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


