問題
③に示すケーブルラックの施工に関する記述として,誤っているものは。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
この問題は「誤っているもの」を選びます。図の③は、高圧ケーブルをのせる金属製のケーブルラックです。高圧ケーブルを収める金属製の防護装置には、原則としてA種接地工事が必要です。人が触れないようにする措置(接触防護措置)をすればD種接地工事に軽くできますが、「短くて乾燥した場所だから接地そのものを省略してよい」という決まりは、高圧にはありません。したがってアが誤りです。イの15cmの離隔、ウのケーブルが動かないような支持、エの防火壁の貫通部の防火措置は、どれも適切な施工です。正答はアです。
【この問題の見方】設問は「誤っているもの」を問うています。③は高圧ケーブルを支持する金属製ケーブルラックなので、高圧屋内配線(ケーブル工事)のルールで判断します。
【ア:誤り(正答)】電技解釈第168条第1項第三号ハでは、管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分などにはA種接地工事を施すこととし、接触防護措置を施す場合に限りD種接地工事によることができるとしています。接地を省略できるという定めはありません。「長さ」や「乾燥した場所」を理由に接地を省くのは、低圧の配線で見かける考え方で、高圧にはそのまま当てはまりません。床上2.1mという高さも、接地を省略する根拠にはなりません。
【イ:正しい】同条第2項第一号では、高圧屋内配線と弱電流電線等が接近する場合の離隔距離を15cm以上としています。15cm離しているので適合します。
【ウ:正しい】ケーブルラック上のケーブルは、ずれたり落ちたりしないように、移動しない間隔で結束・固定して支持します。
【エ:正しい】防火壁を貫通する部分は、火災が広がらないよう、すき間を不燃材などでふさぐ防火措置を施します。
正答はアです。
【問題の構造】設問は「誤っているもの」を一つ選ぶ形式です。図の③は、高圧ケーブルを載せた金属製のケーブルラックです。ケーブルラックは「ケーブルを収める防護装置」にあたる金属製部分として扱われるため、高圧屋内配線のケーブル工事の規定(電技解釈第168条)で判断します。
【ア:誤り(正答)】
電技解釈第168条第1項第三号ハは、ケーブル工事による高圧屋内配線について、次のように定めています。
・管その他のケーブルを収める防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱及びケーブルの被覆に使用する金属体には、A種接地工事を施すこと
・ただし、接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す設備と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く)を施す場合は、D種接地工事によることができる
つまり、高圧で認められているのは「A種からD種への緩和」までで、接地工事そのものを省略する道は書かれていません。選択肢アは「長さ3m」「乾燥した場所」という、低圧のケーブル工事で接地の省略を考えるときに出てくる種類の条件を並べて、高圧のA種接地工事を省略しています。条件を低圧と高圧で混同させるのがこの選択肢のねらいです。また「床上2.1m」は人が触れにくい高さを連想させますが、高さだけでは接触防護措置を施したことにはならず、仮に接触防護措置を施したとしても、D種接地工事に緩和できるだけで省略はできません。
【イ:正しい】
同条第2項は、高圧屋内配線が他の高圧屋内配線、低圧屋内電線、弱電流電線等、水管・ガス管などと接近または交差する場合について、第一号で離隔距離を15cm以上(がいし引き工事の低圧裸電線が相手の場合は30cm以上)とし、第二号でケーブル工事なら耐火性のある堅ろうな隔壁を設ける、耐火性のある堅ろうな管に収める、などの方法も認めています。選択肢イは15cm離隔しているので第一号に適合します。
【ウ:正しい】
ケーブルを造営材の下面や側面に沿って取り付ける場合は、支持点間の距離に具体的な上限がありますが、ケーブルラック上に敷設する場合は、ケーブルがずれたり、短絡時の電磁力で動いたりしないよう、移動しない間隔で結束・固定して支持するのが基本です。選択肢ウはこの考え方どおりです。
【エ:正しい】
電気シャフトの防火壁(防火区画)をケーブルラックが貫通すると、そのすき間が火や煙の通り道になります。そのため貫通部は不燃材料などでふさぐ防火措置を施します。選択肢エは適切な施工です。
【まとめの判断軸】
・高圧のケーブル防護装置の金属製部分:A種接地工事が原則、接触防護措置でD種に緩和可、省略の規定はない
・「長さ」「乾燥した場所」による省略の発想は低圧の話で、高圧には持ち込まない
・離隔15cm、移動しない支持、貫通部の防火措置は、いずれも適切な施工
正答はアです。
- 電気設備に関する技術基準を定める省令e-Govで原文を読む
- 定期監査本文に前後の問題の選択肢が混ざり、正答の登録も誤っていたため、公式の問題(令和5年度午後)どおりに本文・選択肢・正答・解説を直しました。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和5年度(午後) 第一種電気工事士 学科試験 問32(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


