問題
零相変流器と組み合わせて使用する継電器の種類は。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
零相変流器(ZCT)は、3本の電線をまとめて中に通し、電流の合計(零相電流)だけを取り出す変流器です。ふだんは3本の電流が打ち消し合って合計はほぼ0ですが、地絡(漏電)が起きると、大地へ流れた分だけ合計が0にならなくなります。この信号を受けて動作するのが地絡継電器(GR)なので、正答はウです。過電流継電器は変流器(CT)、過電圧継電器は計器用変圧器(VT)と組み合わせ、比率差動継電器は変圧器の一次側と二次側のCTと組み合わせて使います。
【零相変流器の原理】三相3線式の電流をIa、Ib、Icとすると、正常時は Ia+Ib+Ic≒0 です。地絡が起きると、地絡電流の分だけ合計が0でなくなります。ZCTは3線を一括して貫通させるので、この合計(零相電流の3倍)だけを検出できます。
【組合せの整理】
・地絡継電器(GR)← 零相変流器(ZCT):地絡電流を検出(ウ)
・過電流継電器 ← 変流器(CT):過負荷・短絡の電流を検出(イ)
・過電圧継電器(OVR)← 計器用変圧器(VT):電圧の異常上昇を検出(ア)
・比率差動継電器 ← 変圧器の一次側・二次側のCT:変圧器内部の故障を検出(エ)
【高圧受電設備での使い方】ZCTで検出した信号でGRが動作し、遮断器(CB)や地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)を開いて、構内の地絡事故を電力会社の配電線へ波及させないようにします。正答はウです。
零相変流器と地絡継電器の組合せは、高圧受電設備の地絡保護の中心です。仕組みと、施工・整定で間違えやすい点を押さえます。
【検出の仕組み】ZCTの鉄心を3線がまとめて貫通しているので、正常時は各線の電流がつくる磁束が打ち消し合い、二次側にはほとんど出力が出ません。地絡が起きると、大地へ流れた電流の分だけ磁束が打ち消されずに残り、二次側に出力が現れます。GRはこの出力が整定値(電力会社側の保護との協調を考えて設備ごとに選ぶ値)を超え、整定した時間が経つと動作します。
【もらい事故と地絡方向継電器(DGR)】高圧の配電系統は非接地方式です。構内のケーブルが長く対地静電容量が大きいと、構外(電力会社側)で地絡が起きたときに、構内のケーブルの対地静電容量を通って零相電流が流れ、ZCTがそれを検出してGRが動作してしまうことがあります(不必要動作)。これを防ぐのが地絡方向継電器(DGR)で、零相電流に加えて零相電圧(零相基準入力装置ZPDなどで検出)を取り込み、両者の位相関係から「地絡が構内か構外か」を判別し、構内の地絡のときだけ動作します。
【ケーブルの遮へい層の接地線とZCT】高圧CVケーブルの遮へい層(銅テープ)の接地線をどう通すかで、ZCTが地絡電流を正しく検出できるかが変わります。遮へい層を流れる電流がZCTの中で打ち消されてしまう通し方をすると、地絡があっても検出できません。施工では、接地線をZCTに通すかどうかを、接地する位置(ZCTの電源側か負荷側か)に合わせて決めます。
【ほかの継電器との組合せの意味】過電流継電器は各相の電流の大きさ、過電圧継電器は電圧の大きさ、比率差動継電器は変圧器の入口と出口の電流の差を見ています。地絡だけを見たいときは、3線の電流の「合計」を見る必要があり、それができるのが零相変流器です。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:平成30年度 第一種電気工事士 学科試験 問20(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

