問題
図のような直列リアクトルを設けた高圧進相コンデンサがある。電源電圧がV[V],誘導性リアクタンスが9Ω,容量性リアクタンスが150Ωであるとき,この回路の無効電力(設備容量)[var]を示す式は。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
自信の3択
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解説
図の回路は、1相あたり「9Ωの直列リアクトル」と「150Ωのコンデンサ」が直列につながり、コンデンサの3つは中性点で結ばれたY結線(星形)です。リアクトルとコンデンサのリアクタンスは打ち消し合うので、1相の合成リアクタンスは150−9=141Ω(容量性)になります。Y結線の1相に加わる電圧は V/√3 なので、電流は I=V/(√3×141)。3相分の無効電力は 3×I²×141=V²/141 となり、正答はエです。
【計算の手順】
①1相の合成リアクタンス:誘導性と容量性は向きが逆なので引き算します。X=150−9=141Ω(容量性)
②1相の電圧:線間電圧がVなので、Y結線の1相には V/√3 が加わります。
③電流:I=(V/√3)/141=V/(141√3)[A]
④無効電力(3相分):Q=3×I²×X=3×V²/(3×141²)×141=V²/141[var]
【誤りの選択肢】
・ア V²/159²、ウ V²/159:リアクタンスを150+9=159Ωと足し算している。誘導性と容量性は打ち消し合うので誤り。
・イ V²/141²:V²をΩの2乗で割ると単位が[var]にならない(A²になる)。
誤りやすい点:1相の電圧を線間電圧Vのまま計算すると、答えが3倍になってしまいます。Y結線では V/√3 を使います。正答はエです。
本問の「無効電力(設備容量)」は、コンデンサと直列リアクトルを一つの設備とみたときに、電源側から見た無効電力です。コンデンサ単体、リアクトル単体の値と分けて考えると、構造がよく分かります。
【それぞれの無効電力】電流 I=V/(141√3) は3つの部分に共通です。
・コンデンサが出す進みの無効電力:QC=3×I²×150=150V²/141²
・リアクトルが消費する遅れの無効電力:QL=3×I²×9=9V²/141²
・設備全体(電源から見た値):Q=QC−QL=141V²/141²=V²/141
コンデンサ単体の無効電力は、設備全体より少し大きくなります。
【コンデンサの端子電圧の上昇】コンデンサ1相の電圧は I×150=(V/√3)×150/141 で、リアクトルがない場合の V/√3 の約1.064倍です。直列リアクトルを入れると、コンデンサには電源電圧より高い電圧が加わるので、コンデンサは定格電圧に余裕のあるものを選びます。
【なぜ9Ωなのか:6%の直列リアクトル】9/150=0.06 で、本問のリアクトルはコンデンサのリアクタンスの6%です。高調波に対しては、リアクトルのリアクタンスは次数nに比例して大きくなり、コンデンサのリアクタンスは1/nに小さくなります。第5調波では、リアクトルが 5×9=45Ω、コンデンサが 150/5=30Ω となり、合成が誘導性(45−30=15Ω)になります。こうして第5調波以上で回路を誘導性にしておくと、電源側の誘導性リアクタンスとの共振で高調波が拡大するのを防げます。誘導性にするには n²×XL>XC、つまり第5調波では XL が XC の4%を超えればよく、余裕を見て6%が標準的に使われます。あわせて、コンデンサを投入したときの突入電流を抑える働きもあります。
【計算のコツ】三相の無効電力は、Y結線なら「3×(相電圧)²/X」、線間電圧Vで表すと「V²/X」です。Δ結線の場合は相電圧が線間電圧Vそのものなので「3×V²/X」となります。図の結線を必ず確認してから式を立てます。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和元年度 第一種電気工事士 学科試験 問9(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-14)。
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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。


