問題
有害業務の作業環境測定の実施頻度および測定記録の保存期間に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
誤りはオです。管理区域の外部放射線による線量当量率又は線量当量の測定は原則1か月以内ごとに1回ですが、測定記録の保存期間は5年間です(電離則第54条)。30年間ではありません。
ア(特化則:6か月・原則3年・一定の物は30年)・イ(有機則:6か月・3年)・ウ(鉛則:1年・3年)・エ(粉じん則:6か月・7年)は正しい記述です。
各規則の作業環境測定実施頻度・記録保存期間の比較表(重要):
| 規則 | 対象作業場 | 測定頻度 | 記録保存期間 |
|---|---|---|---|
| 特化則第36条 | 第1類物質・第2類物質を製造し又は取り扱う屋内作業場 | 6か月以内ごとに1回 | 原則3年(一定の物に係る記録は30年) |
| 有機則第28条 | 有機溶剤業務を行う屋内作業場 | 6か月以内ごとに1回 | 3年 |
| 鉛則第52条 | 一定の鉛業務を行う屋内作業場 | 1年以内ごとに1回 | 3年 |
| 粉じん則第26条 | 常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場 | 6か月以内ごとに1回 | 7年 |
| 電離則第54条 | 管理区域(外部放射線による線量当量率等) | 1か月以内ごとに1回(一定の場合6か月以内) | 5年 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(正): 特化則第36条第1項(6か月以内ごと)・第2項(3年間保存)・第3項(クロム酸等を製造する作業場について行った測定の記録など一定の物に係る記録は30年間保存)のとおりです。
- イ(正): 有機則第28条第2項(6か月以内ごと)・第3項(3年間保存)のとおりです。
- ウ(正): 鉛則第52条第1項は「1年以内ごとに1回」、第2項は「3年間保存」と定めています。他の規則の6か月と異なる点に注意しましょう。
- エ(正): 粉じん則第26条第1項(6か月以内ごと)・第8項(7年間保存)のとおりです。
- オ(誤): 電離則第54条第1項の保存期間は5年間です。30年間保存なのは、放射線業務従事者の被ばく線量の記録(電離則第9条第2項)や電離放射線健康診断個人票(電離則第57条)です。
【理論的背景】
作業環境測定の頻度と記録の保存期間は、規則ごとに条文で個別に定められています。「どの規則も6か月・3年」とひとまとめにせず、例外を押さえることが大切です。例外は大きく次の3つです。
- 頻度の例外: 鉛則第52条は「1年以内ごと」、電離則第54条は「1か月以内ごと」(放射線装置を固定して使用する場合で使用の方法及び遮蔽物の位置が一定しているとき、又は3.7ギガベクレル以下の放射性物質を装備している機器を使用するときは6か月以内ごと)
- 保存期間の例外: 粉じん則第26条第8項は「7年」、電離則第54条は「5年」、特化則第36条第3項は一定の物に係る記録を「30年」
- 測定する対象の違い: 鉛則は空気中の鉛の濃度、粉じん則は空気中の粉じんの濃度(土石・岩石・鉱物に係る特定粉じん作業では遊離けい酸の含有率も)、電離則は外部放射線による線量当量率又は線量当量
作業環境測定の記録と、健康診断の個人票や被ばく線量の記録は、保存期間が別々に定められています。たとえば電離則では、管理区域の測定記録は5年(第54条)ですが、被ばく線量の記録(第9条第2項)と電離放射線健康診断個人票(第57条)は30年です。オは、この二つを取り違えた記述です。
【実務・条文構造】
特定化学物質障害予防規則 第36条:
- 第1項: 令第21条第7号の作業場について、6か月以内ごとに1回、第1類物質又は第2類物質の空気中における濃度を測定
- 第2項: 記録を3年間保存
- 第3項: 令別表第3に掲げる一定の物に係る測定の記録や、クロム酸等を製造する作業場等について行った測定の記録は30年間保存
有機溶剤中毒予防規則 第28条・第28条の2:
- 第28条第2項: 6か月以内ごとに1回、有機溶剤の濃度を測定/第3項: 記録を3年間保存
- 第28条の2: 測定結果を作業環境評価基準に従って第1〜第3管理区分に評価し、評価の記録を3年間保存
鉛中毒予防規則 第52条・第52条の2:
- 第52条第1項: 令第21条第8号の屋内作業場について、1年以内ごとに1回、空気中における鉛の濃度を測定/第2項: 記録を3年間保存
- 第52条の2: 測定結果の評価と評価の記録の3年間保存
粉じん障害防止規則 第25条・第26条・第26条の2:
- 第25条: 測定を行うべき屋内作業場=常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場
- 第26条第1項: 6か月以内ごとに1回、空気中の粉じんの濃度を測定/第8項: 記録を7年間保存
- 第26条の2: 測定結果の評価と評価の記録の7年間保存
電離放射線障害防止規則 第54条・第55条:
- 第54条第1項: 管理区域について、1か月以内(一定の場合は6か月以内)ごとに1回、外部放射線による線量当量率又は線量当量を放射線測定器を用いて測定し、記録を5年間保存
- 第54条第4項: 測定結果を見やすい場所に掲示する等の方法で、管理区域に立ち入る者に周知
- 第55条: 第53条第2号から第3号までに掲げる作業場について、空気中の放射性物質の濃度を1か月以内ごとに1回測定し、記録を5年間保存
健康診断個人票等の保存期間(比較):
- 有機溶剤等健康診断個人票: 5年(有機則第30条)
- 特定化学物質健康診断個人票: 5年、特別管理物質に係るものは30年(特化則第40条)
- 電離放射線健康診断個人票: 30年(5年保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは不要)(電離則第57条)
- 石綿健康診断個人票: 40年(石綿則第41条)
【試験での位置づけ】
作業環境測定の横断比較では「特化則・有機則・粉じん則=6か月以内ごと」「鉛則=1年以内ごと」「電離則の管理区域=1か月以内ごと」「記録=特化則・有機則・鉛則は3年、粉じん則は7年、電離則の管理区域は5年、特化則の一定の物は30年」が問われます。オのように、電離則の「被ばく線量記録・健康診断個人票の30年」を「管理区域の測定記録」に当てはめた記述は誤りです。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 30年保存の対象は第36条第3項に列挙された物に係る記録と、クロム酸等を製造する作業場等について行った記録です。特化則の測定記録すべてが30年ではありません。
- イ: 有機則では、測定の記録(第28条第3項)と評価の記録(第28条の2第2項)がともに3年保存です。
- ウ: 鉛則の測定は「1年以内ごと」で、6か月以内ごとの他の規則と異なります。記録・評価の記録はともに3年保存です(第52条第2項・第52条の2第2項)。
- エ: 粉じん則では測定の記録(第26条第8項)も評価の記録(第26条の2第2項)も7年保存です。
- オ: 電離則第54条の管理区域の測定記録は5年保存です。30年保存なのは被ばく線量の記録(第9条第2項)と電離放射線健康診断個人票(第57条)です。
【根拠法令】特定化学物質障害予防規則 第36条(6か月以内ごと・記録3年・一定の物は30年)・第40条(健康診断個人票)、有機溶剤中毒予防規則 第28条・第28条の2(6か月以内ごと・記録3年)・第30条(健康診断個人票5年)、鉛中毒予防規則 第52条・第52条の2(1年以内ごと・記録3年)、粉じん障害防止規則 第25条・第26条・第26条の2(6か月以内ごと・記録7年)、電離放射線障害防止規則 第9条(被ばく線量の記録30年)・第54条(管理区域の測定:原則1か月以内ごと・記録5年)・第55条・第57条(健康診断個人票30年)、石綿障害予防規則 第41条(健康診断個人票40年)
【補足】測定頻度:特化則・有機則・粉じん則=6か月以内ごと/鉛則=1年以内ごと/電離則の管理区域=原則1か月以内ごと。記録保存:特化則・有機則・鉛則=3年/粉じん則=7年/電離則の管理区域=5年/特化則の一定の物=30年。
- 労働安全衛生法施行令第21条e-Govで原文を読む
- 電離放射線障害防止規則第54条・第9条・第57条e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則第36条・第40条e-Govで原文を読む
- 有機溶剤中毒予防規則第28条・第30条e-Govで原文を読む
- 鉛中毒予防規則第52条e-Govで原文を読む
- 粉じん障害防止規則第26条・第25条e-Govで原文を読む
- 石綿障害予防規則第41条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 特化則第36条(6か月以内ごと・記録3年・一定の物に係る記録は30年)・有機則第28条(6か月以内ごと・記録3年)・鉛則第52条(1年以内ごと・記録3年)・粉じん則第25条・第26条(6か月以内ごと・記録7年)・電離則第54条(原則1か月以内ごと・記録5年)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

