問題
電離放射線障害防止規則(電離則)における放射線業務従事者の被ばく線量の測定および記録に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
正しいのはオです。電離則第9条第2項の通り、放射線業務従事者の線量の記録は30年間保存しなければなりません。ただし、記録を5年間保存した後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りではありません。
各誤りの要点: ア→1日の外部被ばくによる線量が1cm線量当量について1mSvを超えるおそれのある労働者は、測定結果を毎日確認しなければなりません(第9条第1項)。イ→誤って吸入摂取・経口摂取したときは、その後速やかに内部被ばくによる線量を測定します(第8条第4項ただし書)。ウ→保存期間は5年ではなく30年です。エ→内部被ばくの測定は3月以内ごと(妊娠中の女性などは1月以内ごと)に1回です(第8条第4項)。
電離則の被ばく測定・記録の要点:
| 項目 | 内容 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 外部被ばくの測定 | 管理区域内で、胸部(妊娠する可能性がないと診断された女性以外の女性は腹部)等に放射線測定器を装着させて測定 | 電離則第8条第3項 |
| 測定結果の毎日の確認 | 1日の外部被ばくによる線量が1cm線量当量について1mSvを超えるおそれのある労働者 | 電離則第9条第1項 |
| 内部被ばくの測定 | 吸入摂取・経口摂取のおそれのある場所に立ち入る者について3月以内ごと(妊娠中の女性等は1月以内ごと)に1回。誤って摂取したときは速やかに | 電離則第8条第4項 |
| 線量の算定・記録 | 3月ごと・1年ごと・5年ごとの合計等を算定して記録し、30年間保存(5年保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは不要) | 電離則第9条第2項 |
| 本人への通知 | 記録に基づき、遅滞なく本人に知らせる | 電離則第9条第3項 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 第9条第1項は、1日の外部被ばくによる線量が1cm線量当量について1mSvを超えるおそれのある労働者について、測定の結果を毎日確認するよう定めています。
- イ(誤): 第8条第4項ただし書は、誤って放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取したときは、その後速やかに内部被ばくによる線量の測定を行うと定めています。
- ウ(誤): 第9条第2項の保存期間は30年間です。
- エ(誤): 内部被ばくの測定は3月以内ごとに1回で、妊娠中の女性、緊急作業に従事する男性等は1月以内ごとに1回です(第8条第4項)。「一律に1年以内ごと」ではありません。
- オ(正): 第9条第2項の本文(30年間保存)とただし書(5年間保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りでない)のとおりです。
【理論的背景】
電離則は、放射線業務従事者、緊急作業に従事する労働者及び管理区域に一時的に立ち入る労働者について、管理区域内において受ける外部被ばくによる線量と内部被ばくによる線量の両方を測定するよう事業者に義務付けています(第8条第1項)。測定した結果は、第9条第2項により厚生労働大臣が定める方法で線量に算定し、区分ごとの合計(例: 男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性は実効線量の3月ごと・1年ごと・5年ごとの合計)として記録します。
記録の保存は30年間です。ただし、5年間保存した後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは、この限りではありません(第9条第2項ただし書)。同じ構造は電離放射線健康診断個人票にもあり、30年間保存・5年保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは不要とされています(電離則第57条)。引渡し先は「厚生労働大臣」ではなく「厚生労働大臣が指定する機関」である点に注意しましょう。
【実務・条文構造】
外部被ばくの測定(電離則第8条第2項・第3項・第6項):
- 1cm線量当量、3mm線量当量及び70μm線量当量のうち、実効線量・等価線量の別に応じて適切と認められるものについて測定
- 装着部位: 男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性は胸部、その他の女性は腹部。最も多く放射線にさらされるおそれのある部位が別にあるときはその部位にも装着
- 測定器の装着が著しく困難な場合は、線量当量率を用いた算出又は計算によることができる
- 放射線業務従事者等は、管理区域内において放射線測定器を装着しなければならない
測定結果の確認(電離則第9条第1項):
- 1日における外部被ばくによる線量が1cm線量当量について1mSvを超えるおそれのある労働者は、測定の結果を毎日確認
内部被ばくの測定(電離則第8条第4項・第5項):
- 対象: 管理区域のうち放射性物質を吸入摂取し、又は経口摂取するおそれのある場所に立ち入る者
- 頻度: 3月以内ごとに1回(緊急作業に従事する男性等、1月間に受ける実効線量が1.7mSvを超えるおそれのある女性、妊娠中の女性は1月以内ごとに1回)
- 誤って吸入摂取・経口摂取したときは、その後速やかに測定
- 値は厚生労働大臣が定める方法によって求める
記録と通知(電離則第9条第2項・第3項):
- 算定した線量を記録し30年間保存(5年保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは不要)
- 記録に基づき、算定した線量を遅滞なく本人に知らせる
【試験での位置づけ】
電離則の被ばく線量の問題では「記録は30年間保存」「5年保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは不要」「内部被ばくの測定は3月以内ごと(妊娠中の女性等は1月以内ごと)・誤って摂取したときは速やかに」「1日1mSv超のおそれがある者は毎日確認」が問われます。保存期間の比較では、特化則の特別管理物質に係る健康診断個人票も30年(特化則第40条第2項)、石綿健康診断個人票は40年(石綿則第41条)です。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 毎日の確認は、1日の外部被ばくによる線量が1cm線量当量について1mSvを超えるおそれのある労働者についての義務です(第9条第1項)。
- イ: 誤って摂取したときの測定は、定期の測定(3月以内ごと等)とは別に、摂取の後速やかに行います(第8条第4項ただし書)。測定した結果は第9条第2項の算定・記録の対象になります。
- ウ: 保存期間は30年間です。5年は、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すことができるようになるまでの保存期間として条文に出てくる数字です。
- エ: 頻度は対象者によって異なり、原則3月以内ごと、妊娠中の女性等は1月以内ごとです。
- オ: 第9条第2項の本文とただし書をそのまま述べた記述です。
【根拠法令】電離放射線障害防止規則 第8条(線量の測定:外部被ばくは放射線測定器の装着・内部被ばくは3月以内(妊娠中の女性等は1月以内)ごとに1回・誤って摂取したときは速やかに)・第9条(線量の測定結果の確認、記録等:1日1mSv超のおそれがある者は毎日確認・30年間保存・5年保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは不要・本人への通知)・第57条(電離放射線健康診断個人票の保存)
【補足】被ばく線量の記録=30年保存(5年保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは不要)。内部被ばくの測定=3月以内ごと(妊娠中の女性等は1月以内ごと)・誤って摂取したときは速やかに。
- 電離放射線障害防止規則第9条・第8条・第57条e-Govで原文を読む
- 特定化学物質障害予防規則第40条e-Govで原文を読む
- 石綿障害予防規則第41条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 電離放射線障害防止規則(電離則)第8条(線量の測定:外部被ばくは放射線測定器の装着、内部被ばくは3月以内(妊娠中の女性等は1月以内)ごとに1回・誤って摂取したときは速やかに)・第9条(線量の測定結果の確認、記録等:毎日の確認・30年間保存・5年間保存後に厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すときは保存不要)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

