衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 関係法令(有害業務) 問38|化学物質の自律的管理・リスクアセスメント

問題

衛生管理者 | 関係法令(有害業務) | 第一種

化学物質のリスクアセスメント等(労働安全衛生法第57条の2・第57条の3および労働安全衛生規則)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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正解は ア
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤りはアです。安衛則第577条の2は、ばく露の程度を最小限度にするための措置として、代替物の使用、発散源を密閉する設備、局所排気装置又は全体換気装置の設置及び稼働、作業の方法の改善、有効な呼吸用保護具を使用させること等を挙げています。呼吸用保護具に限られるわけではありません。

ウ(法第57条の3の調査義務)・イ(化学物質管理者の選任)・エ(通知対象物の文書による通知)・オ(保護具着用管理責任者の選任)は正しい記述です。

リスクアセスメントをめぐる主な規定:

規定内容
法第57条の3第1項事業者は、ラベル表示対象物(法第57条第1項の政令で定める物)及び通知対象物による危険性又は有害性等を調査(リスクアセスメント)しなければならない
安衛則第34条の2の7実施時期=対象物を原材料等として新規に採用・変更するとき、作業の方法・手順を新規に採用・変更するとき、危険性・有害性等に変化が生じ又は生ずるおそれがあるとき
安衛則第34条の2の8結果等の記録を作成し、次のリスクアセスメントまで(3年以内に次を行ったときは3年間)保存し、労働者に周知
安衛則第12条の5リスクアセスメント対象物を製造し又は取り扱う事業場ごとに化学物質管理者を選任
安衛則第12条の6保護具を使用させるときは保護具着用管理責任者を選任
安衛則第577条の2ばく露の程度を最小限度にする(代替物・密閉設備・局所排気装置又は全体換気装置・作業方法の改善・呼吸用保護具等)

各選択肢の正誤と根拠:

  • ウ(正): 法第57条の3第1項の文言どおりです。調査の対象は「物」で決まり、製造・取扱いの開始や変更などの時期に行います(安衛則第34条の2の7)。
  • イ(正): 安衛則第12条の5第1項の内容です。
  • ア(誤): 安衛則第577条の2第1項は、代替物の使用、発散源を密閉する設備、局所排気装置又は全体換気装置の設置及び稼働、作業の方法の改善、有効な呼吸用保護具を使用させること「等」必要な措置を挙げています。呼吸用保護具に限られません。
  • エ(正): 法第57条の2第1項の内容です(主として一般消費者の生活の用に供される製品として譲渡・提供する場合を除く)。
  • オ(正): 安衛則第12条の6第1項の内容です。

【理論的背景】

化学物質の自律的な管理は、ラベル表示・文書交付(SDS)による情報の伝達と、その情報を使った事業者自身のリスクアセスメント、結果に基づくばく露低減措置という流れで組み立てられています。

  • 情報の伝達: 法第57条(ラベル表示)・法第57条の2(通知対象物の譲渡・提供時の文書交付等)
  • リスクアセスメント: 法第57条の3第1項で、事業者は法第57条第1項の政令で定める物及び通知対象物による危険性又は有害性等を調査しなければなりません。安衛則は、この調査(主として一般消費者の生活の用に供される製品に係るものを除く)をリスクアセスメント、調査が必要な物をリスクアセスメント対象物と呼んでいます(第12条の5第1項)
  • 措置: 法第57条の3第2項は調査結果に基づく必要な措置を努力義務とし、安衛則第577条の2はリスクアセスメント対象物について、ばく露の程度を最小限度にする義務を定めています

アの誤り: 第577条の2第1項は措置の例として、代替物の使用、発散源を密閉する設備、局所排気装置又は全体換気装置の設置及び稼働、作業の方法の改善、有効な呼吸用保護具を使用させることを並べ、「等必要な措置」としています。手段を保護具に限る規定ではありません。

【実務・条文構造】

リスクアセスメントの実施と記録(安衛則第34条の2の7・第34条の2の8):

  • 実施時期: 対象物を原材料等として新規に採用・変更するとき、業務の作業方法・手順を新規に採用・変更するとき、危険性・有害性等に変化が生じ又は生ずるおそれがあるとき
  • 記録: 対象物の名称、業務の内容、結果、講ずる措置の内容を記録し、次のリスクアセスメントを行うまで(3年以内に次を行ったときは3年間)保存
  • 周知: 作業場の見やすい場所への常時掲示・備付け、書面の交付などの方法で労働者に周知

化学物質管理者(安衛則第12条の5):

  • 選任: リスクアセスメント対象物を製造し、又は取り扱う事業場ごと。選任すべき事由が発生した日から14日以内
  • 資格: リスクアセスメント対象物を製造している事業場では、厚生労働大臣が定める化学物質の管理に関する講習の修了者又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者
  • 管理事項: 表示・文書・通知、リスクアセスメントの実施、第577条の2の措置、労働災害発生時の対応、記録の作成・保存・周知、労働者への教育など

保護具着用管理責任者(安衛則第12条の6):

  • 選任: 化学物質管理者を選任した事業者が、リスクアセスメントの結果に基づく措置として保護具を使用させるとき。事由発生から14日以内
  • 管理事項: 保護具の適正な選択、労働者の保護具の適正な使用、保護具の保守管理

健康診断(安衛則第577条の2第3項):

  • リスクアセスメント対象物を製造し又は取り扱う業務に常時従事する労働者に対し、リスクアセスメントの結果に基づき、関係労働者の意見を聴き、必要があると認めるときは、医師又は歯科医師が必要と認める項目について健康診断を行う

【試験での位置づけ】

化学物質の自律的管理では「調査義務の対象=ラベル表示対象物及び通知対象物」「化学物質管理者=リスクアセスメント対象物を製造・取扱う事業場ごと」「保護具着用管理責任者=保護具を使用させるとき」「記録の保存=次のリスクアセスメントまで(最低3年)」「ばく露の最小化の手段=代替物・密閉・換気・作業方法・保護具等」が問われます。アのように措置の範囲を一つに絞った記述は、条文の列挙と「等」を確認すれば誤りと判断できます。

【各選択肢の発展補足】

  • ウ: 調査義務の対象は物(ラベル表示対象物・通知対象物)で決まり、実施時期は安衛則第34条の2の7で定められています。調査の結果に基づく措置は法第57条の3第2項では努力義務ですが、リスクアセスメント対象物については安衛則第577条の2がばく露を最小限度にする義務を定めています。
  • イ: 化学物質管理者には、管理事項をなし得る権限を与え、氏名を事業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させます(安衛則第12条の5第4項・第5項)。
  • ア: 厚生労働大臣が定める物を製造し又は取り扱う屋内作業場では、ばく露の程度を厚生労働大臣が定める濃度の基準以下としなければなりません(安衛則第577条の2第2項)。
  • エ: 通知事項には、名称、成分及びその含有量、物理的及び化学的性質、人体に及ぼす作用、貯蔵又は取扱い上の注意、流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急の措置などがあります。主として一般消費者の生活の用に供される製品として譲渡・提供する場合は除かれます。
  • オ: 保護具着用管理責任者は、保護具に関する知識及び経験を有すると認められる者のうちから選任し、氏名を掲示する等により関係労働者に周知させます(安衛則第12条の6第2項・第4項)。

【根拠法令】労働安全衛生法 第57条の2(文書の交付等)・第57条の3(事業者が行うべき調査等)、労働安全衛生規則 第12条の5(化学物質管理者)・第12条の6(保護具着用管理責任者)・第34条の2の7(リスクアセスメントの実施時期等)・第34条の2の8(記録の保存・周知)・第577条の2(ばく露の程度の低減等)

【補足】調査義務=ラベル表示対象物及び通知対象物。化学物質管理者=リスクアセスメント対象物を製造・取扱う事業場ごと(14日以内)。保護具着用管理責任者=保護具を使用させるとき。記録=次のリスクアセスメントまで(最低3年)。ばく露の最小化の手段は保護具に限られない。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第57条の2(文書の交付等)・第57条の3(第57条第1項の政令で定める物及び通知対象物について事業者が行うべき調査等)、労働安全衛生規則第12条の5(化学物質管理者)・第12条の6(保護具着用管理責任者)・第34条の2の7(リスクアセスメントの実施時期等)・第34条の2の8(記録の保存・周知)・第577条の2(ばく露の程度の低減等)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。