問題
石綿障害予防規則(石綿則)が規定する石綿等の除去等の作業における呼吸用保護具・作業衣等の措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正しいのはオです。石綿則第14条第3項は、石綿等の切断等の作業等に労働者を従事させるときは作業衣を使用させなければならないとし、ただし保護衣を使用させるときはこの限りでないと定めています。
各誤りの要点: ア→吹付石綿等除去作業では電動ファン付き呼吸用保護具等(防じん機能付きPAPR、同等以上の空気呼吸器・酸素呼吸器・送気マスク)に限られる(第14条第1項)。イ→同時に就業する労働者の人数と同数以上を備える(第45条)。ウ→付着した物を除去した後でなければ作業場外に持ち出せず、他の衣服等から隔離して保管する(第46条)。エ→作業場所の隔離、前室・洗身室・更衣室の設置等が必要(第6条第2項)。
石綿等の除去等の作業における保護具等の規定(石綿則):
| 規定 | 内容 |
|---|---|
| 呼吸用保護具(第14条第1項) | 石綿等の切断等の作業等では呼吸用保護具を使用させる。吹付石綿等除去作業では電動ファン付き呼吸用保護具等に限る |
| 作業衣・保護衣(第14条第3項) | 作業衣を使用させる。保護衣を使用させるときはこの限りでない |
| 呼吸用保護具の備付け(第44条・第45条) | 必要な呼吸用保護具を備え、同時に就業する労働者の人数と同数以上を備え、常時有効かつ清潔に保持 |
| 保護具等の管理(第46条) | 使用された保護具等は他の衣服等から隔離して保管。付着した物を除去した後でなければ作業場外に持ち出さない(廃棄のため容器等に梱包したときを除く) |
| 吹付け石綿等の除去(第6条第2項) | 作業場所の隔離、ろ過集じん方式の集じん・排気装置、前室・洗身室・更衣室の設置、負圧の保持 等 |
各選択肢の正誤と根拠:
- ア(誤): 第14条第1項により、吹付石綿等除去作業では「防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具」等、又はこれと同等以上の性能を有する空気呼吸器・酸素呼吸器・送気マスクに限られます。
- イ(誤): 第45条により、第44条の呼吸用保護具は同時に就業する労働者の人数と同数以上を備えなければなりません。
- ウ(誤): 第46条により、使用された保護具等は他の衣服等から隔離して保管し、付着した物を除去した後でなければ作業場外に持ち出してはなりません。
- エ(誤): 第6条第2項により、作業場所の隔離、前室・洗身室・更衣室の設置等の措置が必要です。
- オ(正): 第14条第3項の通りです。
【理論的背景】
石綿則の保護具等の規定は、石綿等の粉じんを「吸わせない(呼吸用保護具)」「身体・衣服に付けない(作業衣・保護衣)」「作業場の外に持ち出さない(保護具等の管理)」の3段で組み立てられています。さらに、発散源の対策として、石綿等を湿潤な状態のものとすること・除じん性能を有する電動工具の使用等の粉じん発散防止措置(第13条)や、吹き付けられた石綿等の除去作業での隔離・負圧保持(第6条)が定められています。
規定の組み立て:
- 吸わせない: 石綿等の切断等の作業等では呼吸用保護具を使用させる。吹付石綿等除去作業では電動ファン付き呼吸用保護具等に限る(第14条第1項)
- 付けない: 作業衣を使用させる。保護衣を使用させるときはこの限りでない(第14条第3項)
- 持ち出さない: 使用された保護具等は他の衣服等から隔離して保管し、付着した物を除去してから作業場外へ(第46条)
- 労働者も、事業者から保護具等の使用を命じられたときは使用しなければならない(第14条第5項)
【実務・条文構造】
石綿則の保護具等の規定:
呼吸用保護具(第14条第1項・第2項、第44条・第45条):
- 石綿等の切断等の作業等: 呼吸用保護具を使用させる
- 吹付石綿等除去作業(第6条第2項第1号により隔離した作業場所での吹き付けられた石綿等の除去): 防じん機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具、防毒機能を有する電動ファン付き呼吸用保護具であって防じん機能を有するもの、又はこれと同等以上の性能を有する空気呼吸器・酸素呼吸器・送気マスクに限る
- 作業の一部を請負人に請け負わせるときは、呼吸用保護具を使用する必要がある旨を周知させる(第14条第2項)
- 作業場には必要な呼吸用保護具を備え(第44条)、同時に就業する労働者の人数と同数以上を、常時有効かつ清潔に保持する(第45条)
作業衣・保護衣(第14条第3項・第4項):
- 作業衣を使用させる。保護衣を使用させるときはこの限りでない
- 請負人には作業衣又は保護衣を使用する必要がある旨を周知させる
保護具等の管理(第46条):
- 使用された保護具等は他の衣服等から隔離して保管する(第1項)
- 事業者及び労働者は、付着した物を除去した後でなければ作業場外に持ち出してはならない。ただし、廃棄のため容器等に梱包したときはこの限りでない(第3項)
吹き付けられた石綿等の除去等に係る措置(第6条第2項):
- 作業場所の隔離/ろ過集じん方式の集じん・排気装置による排気/出入口に前室・洗身室・更衣室を設置(退出時にこの順に通過)/作業場所と前室を負圧に保つ/排気口からの漏えいや前室の負圧の点検、異常時は作業中止と補修等
- 当該措置と同等以上の効果を有する措置を講じたときは、この限りでない(第6条第1項ただし書)
参考: 呼吸用保護具のフィットテストは石綿則には規定がありません。通達(基発0525第3号)は、金属アーク溶接等作業を行う作業場所と第三管理区分場所では1年以内ごとに1回の実施を義務とし、リスクアセスメントに基づき呼吸用保護具を使用させる事業場でも1年以内ごとに1回行うこととしています。
【試験での位置づけ】
石綿の保護具問題では「吹付石綿等除去作業は電動ファン付き呼吸用保護具等に限る(半面形防じんマスクでは不可)」「作業衣又は保護衣」「保護具は同時就業人数と同数以上」「使用後の保護具等は隔離保管・付着物除去後に持ち出し」が頻出です。
【各選択肢の発展補足】
- ア: 「電動ファン付き呼吸用保護具等」には、防じん機能を有するPAPRのほか、同等以上の性能を有する空気呼吸器・酸素呼吸器・送気マスクも含まれます(第14条第1項)。
- イ: 第45条は第44条の呼吸用保護具について「同時に就業する労働者の人数と同数以上」を求めるほか、「常時有効かつ清潔に保持」することも求めています。
- ウ: 請負人の作業従事者が保護具等を使用したときも、事業者は請負人に対し隔離して保管する必要がある旨を周知させ、必要に応じ保管場所を提供する等の配慮をしなければなりません(第46条第2項)。
- エ: 前室・洗身室・更衣室は、作業場所から退出するときにこれらの順に通過するように互いに連接させます(第6条第2項第3号)。
- オ: 労働者は、事業者から第14条第1項・第3項の保護具等の使用を命じられたときは、これを使用しなければなりません(第14条第5項)。
【根拠法令】石綿障害予防規則第6条(吹き付けられた石綿等の除去等に係る措置)・第13条(粉じん発散防止措置)・第14条(呼吸用保護具・作業衣又は保護衣の使用)・第44条(呼吸用保護具の備付け)・第45条(保護具の数等)・第46条(保護具等の管理)、防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について(基発0525第3号・令和5年5月25日)
【補足】吹付石綿等除去作業は電動ファン付き呼吸用保護具等に限る。作業衣(保護衣を使用させるときは不要)。呼吸用保護具は同時就業人数と同数以上。使用後の保護具等は隔離保管し、付着物を除去してから持ち出す。
- 石綿障害予防規則第14条・第6条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 石綿障害予防規則第6条(吹き付けられた石綿等の除去等に係る措置:隔離・負圧・前室等)・第13条(石綿等の切断等の作業等に係る措置)・第14条(呼吸用保護具・作業衣又は保護衣の使用)・第44条(呼吸用保護具の備付け)・第45条(保護具の数等)・第46条(保護具等の管理)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。

