衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 関係法令(有害業務) 問52|有機則の附属設備・洗浄設備・作業場の衛生設備

問題

衛生管理者 | 関係法令(有害業務) | 第一種

有機溶剤業務を行う作業場の設備等に関する次の記述のうち、有機溶剤中毒予防規則(有機則)および労働安全衛生規則の規定に照らして誤っているものはどれか。

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答え合わせ

正解は ウ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

誤りはウです。有害なガス・蒸気・粉じんを発散する作業場では、休憩の設備を作業場外に設けなければならず(安衛則第614条)、食事の設備も作業場外に設けなければなりません(安衛則第629条)。「保護具を着用すれば作業場内で休憩・食事をしてよい」という規定はありません。

各正しい記述: ア・エ→身体又は被服を汚染するおそれのある業務では、洗眼・洗身・うがいの設備、更衣設備、洗たくのための設備を設ける(安衛則第625条)。イ→第1種・第2種は密閉設備・局所排気装置・プッシュプル型換気装置、タンク等の内部の第3種は全体換気装置も可(有機則第5条・第6条)。オ→有機則第36条の規定。

有機溶剤業務の作業場と休憩・食事の場所:

有機溶剤業務を行う作業場は、有機溶剤の蒸気を発散する作業場です。安衛則は、このような有害な作業場について、休憩・食事の設備を作業場の外に設けるよう定めています。

規定根拠ポイント
休憩の設備安衛則第614条有害なガス・蒸気・粉じんを発散する作業場等では作業場外に設ける
食事の設備安衛則第629条第614条本文の作業場では作業場外に適当な食事の設備を設ける
洗浄設備等安衛則第625条身体又は被服を汚染するおそれのある業務では洗眼・洗身・うがい・更衣・洗たくの設備を設ける

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(正): 安衛則第625条は、身体又は被服を汚染するおそれのある業務に労働者を従事させるときは、洗眼、洗身若しくはうがいの設備等を設け、必要な用具を備えるよう定めています。
  • イ(正): 有機則第5条は、屋内作業場等の第1種・第2種有機溶剤等に係る業務に、発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置を求めています。第6条第1項は、タンク等の内部における第3種有機溶剤等に係る業務(吹付けを除く)について、全体換気装置も選択肢に含めています。
  • ウ(誤): 有害な作業場では休憩の設備・食事の設備を作業場外に設けなければなりません(安衛則第614条・第629条)。作業場内で休憩・食事をしてよいとする記述は誤りです。
  • エ(正): 安衛則第625条は、更衣設備・洗たくのための設備も同条の設備として掲げており、これは努力義務ではなく「設けなければならない」と定める義務規定です。
  • オ(正): 有機則第36条により、有機溶剤等を入れてあった空容器で蒸気が発散するおそれのあるものは、密閉するか屋外の一定の場所に集積しておかなければなりません。

【理論的背景】

有機溶剤業務における衛生設備の規定は、有機溶剤の曝露経路(吸入・経皮・経口)に対応した多層的な防護体制を実現するための法的枠組みです。工学的対策(局所排気装置・換気設備)が第一防護線、保護具(防毒マスク・保護手袋・保護衣)が第二防護線、そして作業場外の休憩・食事の設備・洗浄設備・更衣設備等の衛生管理が第三防護線として機能します。

有機溶剤の主要な曝露経路と衛生設備の対応:

  • 吸入(最重要経路): 換気設備(局所排気・全体換気)・呼吸用保護具で対応
  • 経皮吸収(有機溶剤の皮膚透過): 保護衣・保護手袋・洗浄設備(皮膚洗浄)で対応
  • 経口(汚染された手での飲食等): 休憩・食事の設備を作業場外に設ける・洗浄設備で対応

休憩・食事の設備(安衛則第614条・第629条):

  • 第614条: 著しく暑熱・寒冷・多湿の作業場、有害なガス・蒸気・粉じんを発散する作業場その他有害な作業場では、作業場外に休憩の設備を設ける(坑内等特殊な作業場でやむを得ない事由があるときを除く)
  • 第629条: 第614条本文の作業場では、作業場外に適当な食事の設備を設ける(労働者が事業場内で食事をしないときを除く)

【実務・条文構造】

有機溶剤業務の主な設備規定:

換気等の設備(有機則第5条・第6条):

  • 屋内作業場等の第1種・第2種有機溶剤等に係る業務: 発散源を密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置(第5条)
  • タンク等の内部の第3種有機溶剤等に係る業務: 密閉設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置(第6条第1項)。吹付けによる業務は全体換気装置不可(同条第2項)
  • 局所排気装置・プッシュプル型換気装置の定期自主検査は1年以内ごとに1回、記録は3年間保存(第20条・第20条の2・第21条)

洗浄設備等(安衛則第625条):

  • 対象: 身体又は被服を汚染するおそれのある業務
  • 内容: 洗眼、洗身若しくはうがいの設備、更衣設備又は洗たくのための設備
  • 各設備には必要な用具を備える(第2項)

空容器・貯蔵(有機則第35条・第36条):

  • 屋内貯蔵: 蓋又は栓をした堅固な容器を用い、関係者以外の立入りを防ぐ設備と蒸気を屋外に排出する設備を設ける(第35条)
  • 空容器: 蒸気が発散するおそれのあるものは密閉するか、屋外の一定の場所に集積(第36条)

タンク等の内部の作業:

  • タンク内作業の措置(有機則第26条)
  • 換気装置の機能が低下・喪失したとき等で中毒のおそれがあるときは、直ちに作業を中止し作業従事者を退避させる(第27条)

【試験での位置づけ】

有機則・安衛則の設備問題では「有害な作業場の休憩・食事の設備は作業場外」「空容器の密閉または屋外集積義務」「洗眼・洗身・うがい・更衣・洗たくの設備」「第1種・第2種と第3種の換気設備の違い」が頻出です。「保護具を着用すれば作業場内で食事可」という誤り選択肢は、「保護具=万能な対策」という誤解から生じる典型的なミスです。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 第625条の設備は「洗眼、洗身若しくはうがいの設備、更衣設備又は洗たくのための設備」で、それぞれに必要な用具を備えなければなりません(同条第2項)。
  • イ: 第5条・第6条の設備のほか、有機則には一定の条件で設備の設置を要しない例外規定もあります。試験では「第1種・第2種に全体換気装置で足りる」とする記述に注意します。
  • ウ: 休憩・食事の設備を作業場外に設ける規定は、有機溶剤に限らず「有害なガス、蒸気又は粉じんを発散する作業場その他有害な作業場」全般に適用されます(安衛則第614条・第629条)。
  • エ: 第625条は「設けなければならない」と定める義務規定であり、努力義務ではありません。
  • オ: 第36条の対象は「有機溶剤の蒸気が発散するおそれのあるもの」に限られ、措置は「密閉」か「屋外の一定の場所に集積」のいずれかです。

【根拠法令】有機溶剤中毒予防規則第5条・第6条(換気等の設備)・第35条(貯蔵)・第36条(空容器の処理:密閉または屋外集積義務)、労働安全衛生規則第614条(有害作業場の休憩設備)・第625条(洗浄設備等)・第629条(食堂)

【補足】有害な作業場の休憩・食事の設備は作業場外(保護具を着用しても作業場内での休憩・食事を認める規定はない)。空容器は密閉または屋外集積が義務。洗眼・洗身・うがい・更衣・洗たくの設備は義務。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 有機溶剤中毒予防規則第5条・第6条(換気等の設備)・第36条(空容器の処理:密閉または屋外集積)、労働安全衛生規則第614条(有害作業場の休憩設備:作業場外に設置)・第625条(洗浄設備等:洗眼・洗身・うがい・更衣・洗たくの設備)・第629条(食堂:作業場外に食事の設備)。※有機則第34条は「労働者の保護具使用義務」であり休憩・食事の場所の条文ではない。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。