衛生管理者
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

衛生管理者 関係法令(有害業務) 問51|鉛則・特殊健康診断の検査項目と生物学的モニタリング

問題

衛生管理者 | 関係法令(有害業務) | 第一種

鉛中毒予防規則(鉛則)に基づく鉛業務従事者への特殊健康診断に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正しいのはオです。鉛作業主任者は鉛作業主任者技能講習を修了した者から選任され(安衛令第6条第19号・鉛則第33条)、設備の点検・保護具の使用状況の監視・労働者の身体が汚染されないよう指揮すること等を職務とします(鉛則第34条)。

各誤りの要点: ア→鉛業務の特殊健診は原則「6か月以内ごとに1回」(1年ではなく半年ごと。一部の鉛業務は1年以内ごと)。イ→鉛の生物学的モニタリングの主要指標は「血中鉛濃度(血鉛)」であり、鉛則第53条の検査項目は血液中の鉛の量と尿中デルタアミノレブリン酸(ALA)であって、尿中鉛を主要指標とするのは誤り。ウ→神経学的検査は医師が必要と認める者に行う追加項目(鉛則第53条第3項)。エ→「配転先がない場合に就業継続が許可される」という規定は存在しない。

鉛の生物学的モニタリング指標(鉛則第53条の健診検査項目):

検査項目意義
血液中の鉛の量(血中鉛・血鉛)体内鉛曝露の最重要指標(鉛則第53条の法定検査項目)
尿中δ-アミノレブリン酸(ALA)の量ポルフィリン生合成障害の指標(鉛則第53条の法定検査項目)
業務の経歴・作業条件の調査曝露状況の把握
自覚症状・他覚症状の有無の検査鉛中毒症状の早期把握

※医師が必要と認める者には、作業条件の調査・貧血検査・赤血球中のプロトポルフィリンの量の検査・神経学的検査の全部又は一部を追加して行う(鉛則第53条第3項)。

各選択肢の正誤と根拠:

  • ア(誤): 鉛則第53条第1項により、鉛業務従事者への健康診断は雇入れ時・配置替え時と、その後「6か月以内ごとに1回」が原則です(令別表第4第17号の業務等は1年以内ごと。作業環境の評価等の条件を満たす場合も1年以内ごとに緩和・同条第4項)。
  • イ(誤): 鉛則第53条第1項が定める検査項目は「血液中の鉛の量」と「尿中のデルタアミノレブリン酸の量」等であり、尿中鉛は法定検査項目ではありません。
  • ウ(誤): 神経学的検査は、常時従事する労働者で医師が必要と認めるものについて追加して行う項目です(鉛則第53条第3項第4号)。すべての労働者に必ず行う項目ではありません。
  • エ(誤): 安衛法第66条の5は、医師の意見を勘案し必要があると認めるときに就業場所の変更・作業の転換等の措置を講じるよう事業者に求めていますが、「配転先がない場合に就業継続を許可する」という仕組みはありません。
  • オ(正): 鉛作業主任者の選任資格(技能講習修了・鉛則第33条)・選任すべき作業(安衛令第6条第19号)・職務(鉛則第34条:労働者の指揮・局所排気装置等の点検・労働衛生保護具等の使用状況の監視等)の通りです。

【理論的背景】

鉛則の健康診断は、血液中の鉛の量と尿中のデルタアミノレブリン酸の量を基本の検査項目とし、医師が必要と認める者には貧血検査・赤血球中のプロトポルフィリンの量の検査・神経学的検査等を追加する二段構えの構成です。基本項目と追加項目の区別は、選択肢の正誤判断で頻繁に問われます。

鉛則が症状に着目して定める措置:

  • 健康診断の検査項目に「鉛による自覚症状又は他覚症状と通常認められる症状の有無の検査」がある(第53条第1項第4号)
  • 鉛業務に従事させている期間又は従事させなくなってから4週間以内に、腹部の疝痛、四肢の伸筋麻痺若しくは知覚異常、蒼白、関節痛若しくは筋肉痛が認められ、又はこれらを訴える労働者には、速やかに医師の診断を受けさせる(第56条)

【実務・条文構造】

鉛業務の健康診断(鉛則第53条・第54条):

実施頻度(鉛則第53条):

  • 雇入れの際・当該業務への配置替えの際
  • その後6か月以内ごとに1回(定期)※令別表第4第17号の業務等は1年以内ごと
  • 直近3回の作業環境の評価が連続して第1管理区分で、作業方法の変更がなく、直近3回の健康診断で新たな異常所見がない労働者は、定期健診を1年以内ごとに1回とできる(第53条第4項)
  • 前回の健康診断で血中鉛・尿中ALAを受けた者は、医師が必要でないと認めるときは定期健診でこれらを省略できる(第53条第2項)

法定検査項目(鉛則第53条第1項):

1. 業務の経歴の調査

2. 作業条件の簡易な調査

3. 鉛による自覚症状・他覚症状の既往歴の調査および既往の検査結果の調査

4. 鉛による自覚症状・他覚症状の有無の検査

5. 血液中の鉛の量の検査(血鉛)

6. 尿中のデルタアミノレブリン酸(ALA)の量の検査

(医師が必要と認める場合の法定項目(第53条第3項): 作業条件の調査・貧血検査・赤血球中のプロトポルフィリンの量の検査・神経学的検査)

記録の保存(鉛則第54条):

  • 鉛健康診断個人票を作成し、5年間保存
  • 定期健診を行ったときは、遅滞なく鉛健康診断結果報告書を所轄労働基準監督署長に提出(第55条)

鉛作業主任者(鉛則第33条=選任・第34条=職務):

  • 選任: 安衛令第6条第19号の作業について、鉛作業主任者技能講習を修了した者から選任(鉛則第33条)
  • 職務(鉛則第34条):

1. 労働者の身体ができるだけ鉛等・焼結鉱等により汚染されないように指揮

2. 労働者の身体が著しく汚染されたことを発見したときは速やかに汚染を除去させる

3. 局所排気装置・プッシュプル型換気装置・全体換気装置・除じん装置等を毎週1回以上点検

4. 労働衛生保護具等の使用状況を監視

5. 令別表第4第9号の鉛業務に労働者が従事するときは、第42条第1項各号の措置が講じられていることを確認

【試験での位置づけ】

鉛則の問題では「特殊健診は6か月ごとに1回(1年は誤り)」「法定検査項目は血液中の鉛の量と尿中デルタアミノレブリン酸の量(尿中鉛ではない)」「神経学的検査は医師が必要と認める者への追加項目」「鉛作業主任者は技能講習修了者から選任(免許ではない)」が頻出です。

【各選択肢の発展補足】

  • ア: 6か月以内ごとが原則ですが、作業環境の評価が連続3回第1管理区分であること等の条件を満たす労働者は1年以内ごとに1回とできます(第53条第4項)。条件付きの緩和である点に注意します。
  • イ: 前回の健康診断で血液中の鉛の量・尿中デルタアミノレブリン酸の量の検査を受けた者は、医師が必要でないと認めるときは、定期の健康診断でこれらの項目を省略できます(第53条第2項)。
  • ウ: 第53条第3項の追加項目(作業条件の調査・貧血検査・赤血球中のプロトポルフィリンの量の検査・神経学的検査)は、医師が必要と認める者に対して「全部又は一部」を行います。医師が必要と認めた場合には行わなければならない法定の項目です。
  • オ: 事業者は、鉛業務の一部を請負人に請け負わせる場合、身体が鉛等によって著しく汚染されたときは速やかに汚染を除去する必要がある旨を請負人に周知させなければなりません(第34条の2)。

【根拠法令】鉛中毒予防規則第33条(鉛作業主任者の選任:技能講習修了者から)・第34条(鉛作業主任者の職務)・第53条(健康診断:6月以内ごとに1回・検査項目は血液中の鉛の量・尿中デルタアミノレブリン酸の量等、医師が必要と認める者への追加項目)・第54条(鉛健康診断個人票:5年間保存)・第55条(結果報告)・第56条(診断)、労働安全衛生法施行令第6条第19号(鉛作業主任者を選任すべき作業)、労働安全衛生法第66条の5(健康診断実施後の措置)

【補足】鉛健診は原則「6か月以内ごとに1回」(1年は誤り)。法定検査項目は血液中の鉛の量・尿中δ-アミノレブリン酸(ALA)の量(尿中鉛が主要指標は誤り)。神経学的検査は医師が必要と認める者への追加項目(第53条第3項)。鉛作業主任者は技能講習修了者から選任(安衛令6条19号・鉛則33条)、職務は鉛則34条。個人票は5年保存(鉛則54条)。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(公表問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 鉛中毒予防規則(鉛則)第53条(健康診断:6月以内ごとに1回・検査項目は血液中の鉛の量・尿中デルタアミノレブリン酸の量等、医師が必要と認める者には神経学的検査等を追加)・第54条(鉛健康診断個人票:5年間保存)・第33条(鉛作業主任者の選任:技能講習修了者から選任)・第34条(鉛作業主任者の職務)、安衛令第6条第19号(鉛作業主任者を選任すべき作業)。 現行の労働安全衛生法令(2026年基準)に準拠し、根拠法令・規則を明記しています。