社労士 労働安全衛生法 問1:労働安全衛生法
(令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07)
労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点で施行されている制度を前提とすること。
- ア法令基準日(2026年4月10日)時点では、常時50人以上の労働者を使用する事業場において、年1回のストレスチェックの実施が義務付けられている。50人未満の事業場は努力義務にとどまる。
- イストレスチェックの実施者は、医師、保健師のほか、厚生労働大臣の定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士または公認心理師とすることができる。
- ウストレスチェックの結果が高ストレスと判定された労働者が医師による面接指導を希望した場合、事業者はその申出を受けた日から3か月以内に面接指導を行わなければならない。正答
- エ事業者は、ストレスチェックを受けた労働者の同意なく、その検査結果を入手してはならない。
- オ事業者は、集団分析の結果を活用して職場環境の改善に取り組むよう努めなければならない(努力義務)。
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正答はウ(誤っている記述)です。
ストレスチェックの結果を受けて高ストレス者が面接指導を希望した場合、事業者は申出を受けた日から1か月以内に面接指導を行わなければなりません(労働安全衛生規則第52条の16)。「3か月以内」は誤りです。
アは正しく、令和8年度試験基準日(2026年4月10日)時点では常時50人以上の事業場が義務対象、50人未満は努力義務です(50人未満への義務化は2025年5月成立改正で確定したものの、施行日は2028年4月1日のため基準日時点では未施行)。イは正しく、実施者として列挙された資格は条文通りです。エは正しく、労働者本人の同意なしに事業者が結果を取得することは禁じられています。オは正しく、集団分析と職場環境改善は努力義務として規定されています。
ストレスチェック制度の全体像(必須整理・令和8年度試験基準日時点):
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠条文 | 労働安全衛生法第66条の10 |
| 実施義務 | 常時50人以上を使用する事業場(50人未満は努力義務) |
| 実施頻度 | 年1回以上 |
| 実施者 | 医師・保健師・研修修了の歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師 |
| 受検義務 | 労働者は受検の努力義務(義務ではなく強制できない) |
| 結果の通知 | 実施者から直接労働者へ(同意なしに事業者へは通知不可) |
| 面接指導申出 | 高ストレス者が希望 → 事業者へ申出 |
| 面接指導の実施期限 | 申出日から1か月以内 |
| 集団分析 | 50人以上の事業場では実施義務(50人未満は努力義務) |
| 50人未満義務化(参考) | 2025年5月成立改正で確定・施行日は2028年4月1日(令和8年度試験は出題対象外) |
各選択肢の詳細解説:
- ア(正): 令和8年度試験基準日(2026年4月10日)時点では現行制度(50人以上義務・50人未満努力義務)が出題対象。50人未満への義務化(2025年5月成立改正)は施行日が2028年4月1日のため、令和8年度試験では出題対象外。
- イ(正): 実施者の資格は規則で列挙されており、「研修修了」要件が付く資格(看護師・精神保健福祉士・公認心理師等)の区別が出題ポイント。医師・保健師には研修修了の要件は課されていません。
- ウ(誤・正答): 面接指導の実施期限は申出日から1か月以内(安衛規則第52条の16第1項)。「3か月以内」とする記述は誤り。試験では「1か月以内/2か月以内/3か月以内」の数字問題として出題されます。
- エ(正): 事業者がストレスチェック結果を知るには労働者本人の同意が必須(安衛法第66条の10第2項)。これはプライバシー保護の観点から厳格に規定されています。
- オ(正): 集団分析と職場環境改善は努力義務(義務ではない点も頻出)。なお50人以上の事業場は集団分析の実施義務があります。
【ストレスチェック制度の立法背景と50人未満義務化の動向】
ストレスチェック制度は2015年(平成27年)12月1日に施行されました。当時から現在に至るまで、対象は「常時50人以上の労働者を使用する事業場」に限定されており、50人未満の中小企業は努力義務にとどまっています。しかし精神障害を原因とする労災認定件数が増加の一途をたどり、職場のメンタルヘルス対策の充実が喫緊の課題となる中、2025年5月8日に「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律」が成立し、50人未満の事業場への義務化が法定化されました。
施行スケジュール(試験基準日との関係が最重要):
| 時期 | 義務対象 | 令和8年度試験(基準日2026-04-10)の扱い |
|---|---|---|
| 〜2028年3月 | 常時50人以上 | 出題対象(現行制度) |
| 2028年4月1日〜 | すべての事業場(1人以上) | 出題対象外(基準日後の施行) |
※施行日は当初「公布後3年以内」とされていたが、2026年5月18日の労働政策審議会・安全衛生分科会で2028年4月1日と確定。最初のストレスチェック完了期限は2029年3月31日。令和8年度試験では現行制度(50人以上義務)が出題対象であり、「2026年4月から全事業場義務」という記述があれば誤り。
【「義務」「努力義務」「禁止」の三層整理(頻出)】
ストレスチェック制度における各主体の義務の性質を正確に理解することが重要です(令和8年度試験基準日時点):
- 事業者の義務(50人以上事業場): ストレスチェックの実施・結果の実施者→労働者への通知の確保・高ストレス者への面接指導の実施(申出後1か月以内)・面接指導後の就業上措置
- 事業者の努力義務: 集団分析の実施・職場環境改善(特に50人未満ではストレスチェック自体が努力義務)
- 事業者の禁止行為: 労働者の同意なく結果を取得すること・高ストレスを理由とした不利益取扱い(解雇・降格・減給・配転の強要等)
- 労働者の努力義務: ストレスチェックの受検(強制はできない)
【面接指導の手続きフロー(条文準拠)】
実施者(医師等) → 結果を労働者に通知 → 高ストレス者を把握 → 事業者への通知は労働者の同意が必要 → 労働者が申出 → 事業者は1か月以内に医師による面接指導を実施 → 医師が意見書を作成 → 事業者は就業上の措置(時間外削減・配置転換等)を実施 → 措置を定期的に評価・見直し
この一連のフローの各ステップで「誰が行うか」「期限はいつか」「同意が必要か」が出題ポイントになります。
【フリーランス・業務委託者への適用拡大(令和8年度注目論点)】
2024年改正では、一定の要件を満たすフリーランス(特定受託事業者)についても、注文事業者がストレスチェックを実施するよう努力義務が課される方向が検討されており、今後の改正動向として注視が必要です(令和8年度試験での出題可能性は低いが、advanced学習者は把握推奨)。
【安衛法の上位接続:50時間超残業の面接指導との区別】
安衛法には「ストレスチェック後の面接指導(第66条の10)」のほかに、「時間外労働が月100時間(申出)または80時間超(事業者からの情報提供)の場合の面接指導(第66条の8)」があります。試験では両者の混同が狙われます。面接指導の申出義務・期限・措置の根拠条文がそれぞれ異なるため、条文番号とセットで整理しておくことが高得点への鍵です。
【条文の正確な番号整理】
- 安衛法第66条の10: ストレスチェック及び面接指導の実施
- 安衛規則第52条の9: ストレスチェックの実施
- 安衛規則第52条の16: 面接指導の実施(1か月以内)
- 安衛規則第52条の18: 不利益取扱いの禁止(解雇・降格・減給・配転の強要・不当な差別等)
<!-- 監修確定 2026-06-07(legal-reviser): 結果=安衛規則の条番号(第52条の9/16/18)はe-Gov現行テキスト(令和8年度試験基準日時点)で確認済。第52条の16の「申出から遅滞なく1か月以内」は香川産業保健総合支援センター等の公的情報源で確認済。重大な是正=作問時の前提「2026年4月から全事業場義務化」が誤り(実際の施行日は2028年4月1日)であったため、設問前提・選択肢ア・解説のbeginner/standard/advanced全範囲を「現行制度(50人以上義務)が令和8年度試験の出題対象」に統一改稿。hot_topicフラグも撤去(令和8年度試験は出題対象外)。一次ソース: 厚労省・ストレスチェック制度実施マニュアル/労働政策審議会安全衛生分科会2026-05-18議事/nsrh.jp/column050.html等。 -->
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第66条の10(ストレスチェック等)、労働安全衛生規則第52条の9〜第52条の21 基準日注記: 50人未満の事業場へのストレスチェック義務化(労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律・2025年5月8日成立)は、**2026年5月18日の労働政策審議会で施行日が2028年4月1日と確定**。令和8年度試験基準日(2026年4月10日)時点では**未施行**であり、現行制度(50人以上義務・50人未満努力義務)が出題対象(一次確認: 厚労省・nsrh.jp/column050.html 等・確認日2026-06-07)。 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。