労働安全衛生法2労働安全衛生法

社労士 労働安全衛生法 問2:労働安全衛生法

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07

安全衛生管理体制に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。なお、特段の定めがない限り、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点で施行されている制度を前提とする。

  • 総括安全衛生管理者は、常時100人以上の労働者を使用する事業場(林業・鉱業・建設業・製造業等の一定業種)に選任義務がある。事業場の規模は常時使用する労働者数で判断する。
  • 安全管理者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場(建設業・製造業等の一定業種)に選任義務があり、安全管理者には学歴・実務経験等の要件または安全管理者の資格が必要である。
  • 衛生管理者は、常時50人以上の労働者を使用するすべての業種の事業場に選任義務があり、常時1,000人を超える事業場では少なくとも1人の衛生管理者を専任(他の業務と兼任しない)としなければならない。
  • 産業医は、常時50人以上の労働者を使用する事業場に選任義務があり、常時3,000人を超える労働者を使用する事業場では、2人以上の産業医を選任しなければならない。
  • 安全衛生推進者または衛生推進者は、常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場に選任義務があり、安全衛生推進者の選任が必要な業種と衛生推進者の選任が必要な業種は同一である。正答
正答:安全衛生推進者または衛生推進者は、常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場に選任義務があり、安全衛生推進者の選任が必要な業種と衛生推進者の選任が必要な業種は同一である。

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正答はオ(誤っている記述)です。

安全衛生推進者と衛生推進者は、選任が必要な業種が異なります。安全衛生推進者の選任が義務付けられるのは、建設業・製造業等の安全管理者選任が必要な業種(危険業種)の10〜49人規模の事業場です。一方、衛生推進者の選任が義務付けられるのは、それ以外の業種(医療・教育・金融・その他のサービス業等)の10〜49人の事業場です。「同一の業種で両方が必要」ではなく、業種によってどちらか一方の選任が義務付けられます。

アは正しく、総括安全衛生管理者の100人以上の要件は建設業・製造業等の一定業種に適用されます(業種により300人以上・1,000人以上と異なる)。イは正しく、安全管理者は50人以上・一定業種で選任義務があります。ウは正しく、衛生管理者は50人以上の全業種が対象で、常時1,000人を超える事業場(1,001人以上)では専任義務があります(安衛規則第7条第1項第5号)。エは正しく、産業医は50人以上の全業種が対象で、常時3,000人を超える事業場では2人以上の選任が必要です(安衛規則第13条第1項第4号)。

標準試験対策の基準レベル

安全衛生管理体制 選任要件まとめ(令和8年度試験必須):

| 役職 | 選任義務の規模 | 対象業種 | 主な資格要件 | 専任義務 |

|---|---|---|---|---|

| 総括安全衛生管理者 | 業種により100人・300人・1,000人以上 | 一定業種(建設・製造等) | 当該事業場の統括管理できる者 | 不要(専任でなくてよい) |

| 安全管理者 | 常時50人以上 | 安全管理者対象業種(建設・製造等) | 安全管理者選任資格(学歴+実務)または厚労省研修修了 | 規模により専任あり |

| 衛生管理者 | 常時50人以上 | 全業種 | 衛生管理者免許・医師・歯科医師・労働衛生コンサルタント等 | 1,000人以上で専任1人 |

| 産業医 | 常時50人以上 | 全業種 | 医師(産業医研修修了等の要件あり) | 3,000人超で2人以上 |

| 安全衛生推進者 | 常時10人〜49人 | 安全管理者が必要な業種(危険業種) | 都道府県労働局長の登録研修修了等 | 専任義務なし |

| 衛生推進者 | 常時10人〜49人 | 上記以外の業種 | 衛生推進者の要件(研修修了等) | 専任義務なし |

総括安全衛生管理者の業種別選任規模(条文値):

| 規模 | 対象業種 |

|---|---|

| 常時100人以上 | 林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業 |

| 常時300人以上 | 製造業・電気業・ガス業・熱供給業・水道業・通信業・各種商品小売業・家具等小売業・燃料小売業・旅館業・ゴルフ場業・自動車整備業・機械修理業 |

| 常時1,000人以上 | その他の業種 |

各選択肢の解説:

  • ア(正): 総括安全衛生管理者の100人以上は林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業(5業種)が対象。製造業は300人以上。選任規模の数値の組み合わせが頻出。
  • イ(正): 安全管理者の要件は安衛規則第5条に定め。一定の学歴+実務経験または安全管理者資格が必要。
  • ウ(正): 衛生管理者の専任義務は常時1,000人を超える事業場(=1,001人以上)に1人(安衛規則第7条第1項第5号)。条文表現は「以上」ではなく「を超える」である点に注意(実務では「1,000人超」と表現)。なお総衛生管理者数は規模別に200〜500人で2人・500〜1,000人で3人・1,000〜2,000人で4人・2,000〜3,000人で5人・3,000人超で6人と規模で増加(同条第1項第4号)。
  • エ(正): 産業医の2人以上選任義務は常時3,000人を超える事業場(=3,001人以上)から(安衛規則第13条第1項第4号)。なお常時1,000人を超える事業場・特定有害業務500人以上の事業場では専属の産業医が必要。
  • オ(誤・正答): 安全衛生推進者(危険業種)と衛生推進者(その他業種)は対象業種が異なる。「同一である」は誤り。
上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【安全衛生管理体制の立法趣旨と企業規模別の二段階構造】

労働安全衛生法(1972年制定)は、労働災害の防止と労働者の健康確保を目的として、事業場の規模に応じた安全衛生管理組織の設置を義務付けています。制度の基本構造は「大規模事業場=専任専門家配置」「中規模事業場=兼任専門家配置」「小規模事業場=推進者(簡易資格者)配置」という段階設計です。

【「常時」の算定方法(管理体制選任の規模判断)】

選任義務の有無を判断する「常時使用する労働者数」の算定は、ストレスチェックの算定と同様、パート・有期・日雇い(継続使用)を含めて計算します。派遣労働者については:

  • 派遣先: 派遣労働者を「常時使用する労働者数」に算入して管理体制を決定する義務がある(安全衛生管理体制では派遣先が実質的な使用者として安全衛生責任を負う)。
  • 派遣元: 派遣元においても当該労働者を算入する(二重に算入される形になる)。

【産業医の権限強化(2019年4月改正以降・令和8年度試験論点)】

2019年4月施行の改正で産業医の権限・独立性が強化されました。令和8年度試験の重要論点:

1. 事業者の義務(新設): ①産業医が健康管理等に必要な情報として求める情報(時間外労働時間数・健診結果等)を提供する義務 ②産業医が行う勧告の内容と経緯を衛生委員会に報告する義務

2. 産業医の権限強化: 事業者への意見・勧告に加え、労働者に対する保健指導・健康相談の実施。

3. 解任制限: 産業医が業務を正当に行った場合、その行為を理由とした不利益取扱い(解任等)の禁止。

【衛生委員会と安全委員会(安全衛生委員会)の設置義務】

管理体制の設置とあわせて、委員会設置義務も重要論点です:

| 委員会の種類 | 設置義務規模 | 対象業種 |

|---|---|---|

| 安全委員会 | 常時50人以上 | 安全管理者選任対象業種 |

| 衛生委員会 | 常時50人以上 | 全業種 |

| 安全衛生委員会(統合) | 上記両方の設置義務がある場合 | 両方に該当する業種 |

委員会の構成・開催頻度(毎月1回以上)・議事録3年保存・周知義務も条文事項として押さえる必要があります。

【安全衛生推進者・衛生推進者の資格要件と実務的役割】

10〜49人規模の事業場で選任される安全衛生推進者・衛生推進者は、産業医・衛生管理者を置けない小規模事業場でのメンタルヘルス対策・職場環境改善の窓口となります。選任要件は「都道府県労働局長の登録講習機関が行う研修の修了」または「一定の学歴・実務経験の組み合わせ」です。この制度は事業場規模が10人未満(義務なし)→10〜49人(推進者)→50人以上(管理者・産業医)という三層構造の中間を担います。

【上位資格(社労士実務・特定社労士)への接続】

特定社労士の実務では、安全衛生管理体制の整備不備が労働災害発生時の使用者責任(安衛法違反による刑事責任・民事損害賠償責任)に直結するため、事業場の業種・規模を正確に確認した上で必要な管理者・推進者が選任されているかを就業規則や安全衛生規程のレビュー時に確認することが必須の実務スキルです。また複数の事業場を持つ企業では、各事業場の規模別の体制整備が求められ、本社一括での算定は誤りとなります。

根拠: 労働安全衛生法第10条・第11条・第12条・第12条の2・第13条、労働安全衛生規則第2条〜第5条・第7条・第13条・第14条。

<!-- 監修確定 2026-06-07(legal-reviser): 結果=軽微修正/正答変更なし。設問ウの「常時1,000人以上」を条文表現「常時1,000人を超える」に厳密化(安衛規則第7条第1項第5号は「を超える」)。これで設問ウは完全に条文どおりの正しい記述となり、正答オ(安全衛生推進者/衛生推進者の業種が異なる)の一意性が保たれる。ストレスチェック関連の出題はないため、令和8年度試験基準日(2026-04-10)時点で未施行の「2028-04-01全事業場義務化」(STRESS_CHECK_OBLIGATION_DATE)混入なし。参照=安衛法第10〜13条、安衛規則第2〜5条・第7条・第13条 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第10条(総括安全衛生管理者)、第11条(安全管理者)、第12条(衛生管理者)、第12条の2(安全衛生推進者・衛生推進者)、第13条(産業医)、労働安全衛生規則第2条・第3条・第4条・第13条 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

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