社労士
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

社労士 労働安全衛生法 問2|安全衛生管理体制

問題

社労士 | 労働安全衛生法 | 令和9年度(2027年度)試験対応・数値確認日 2026-10-01

安全衛生管理体制に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。なお、特段の定めがない限り、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点で施行されている制度を前提とする。

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答え合わせ

正解は オ
  • ア
  • イ
  • ウ
  • エ
  • オ

自信の3択

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解説

正答はオ(誤っている記述)です。

安全衛生推進者と衛生推進者は、選任が必要な業種が異なります。安全衛生推進者の選任が義務付けられるのは、建設業・製造業等の安全管理者選任が必要な業種(危険業種)の10〜49人規模の事業場です。一方、衛生推進者の選任が義務付けられるのは、それ以外の業種(医療・教育・金融・その他のサービス業等)の10〜49人の事業場です。「同一の業種で両方が必要」ではなく、業種によってどちらか一方の選任が義務付けられます。

アは正しく、総括安全衛生管理者の100人以上の要件は林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業に適用されます(製造業等は300人以上、その他の業種は1,000人以上。安衛令第2条)。イは正しく、安全管理者は50人以上・一定業種で選任義務があります。ウは正しく、衛生管理者は50人以上の全業種が対象で、常時1,000人を超える事業場(1,001人以上)では専任義務があります(安衛規則第7条第1項第5号)。エは正しく、産業医は50人以上の全業種が対象で、常時3,000人を超える事業場では2人以上の選任が必要です(安衛規則第13条第1項第4号)。

安全衛生管理体制 選任要件まとめ(令和8年度試験必須):

役職選任義務の規模対象業種主な資格要件専任義務
総括安全衛生管理者業種により100人・300人・1,000人以上全業種(規模が業種で異なる)当該事業場の統括管理できる者不要(専任でなくてよい)
安全管理者常時50人以上安全管理者対象業種(建設・製造等)学歴+実務経験に加えて厚生労働大臣が定める研修の修了、または労働安全コンサルタント等(安衛則第5条)規模により専任あり
衛生管理者常時50人以上全業種衛生管理者免許・医師・歯科医師・労働衛生コンサルタント等1,000人を超える事業場等で専任1人以上
産業医常時50人以上全業種医師(産業医研修修了等の要件あり)3,000人超で2人以上
安全衛生推進者常時10人〜49人安全管理者が必要な業種(危険業種)都道府県労働局長の登録研修修了等専任義務なし
衛生推進者常時10人〜49人上記以外の業種衛生推進者の要件(研修修了等)専任義務なし

総括安全衛生管理者の業種別選任規模(条文値):

規模対象業種
常時100人以上林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業
常時300人以上製造業(物の加工業を含む)・電気業・ガス業・熱供給業・水道業・通信業・各種商品卸売業・家具・建具・じゅう器等卸売業・各種商品小売業・家具・建具・じゅう器小売業・燃料小売業・旅館業・ゴルフ場業・自動車整備業・機械修理業(安衛令第2条第2号)
常時1,000人以上その他の業種

各選択肢の解説:

  • ア(正): 総括安全衛生管理者の100人以上は林業・鉱業・建設業・運送業・清掃業(5業種)が対象。製造業は300人以上。選任規模の数値の組み合わせが頻出。
  • イ(正): 安全管理者の選任義務は安衛令第3条(令第2条第1号・第2号の業種で常時50人以上)。資格は安衛規則第5条に定め、一定の学歴+実務経験に加えて厚生労働大臣が定める研修を修了した者(第1号)、労働安全コンサルタント(第2号)等。
  • ウ(正): 衛生管理者の専任義務は常時1,000人を超える事業場(=1,001人以上)に1人(安衛規則第7条第1項第5号)。条文表現は「以上」ではなく「を超える」である点に注意(実務では「1,000人超」と表現)。なお衛生管理者数は規模別に50〜200人で1人・201〜500人で2人・501〜1,000人で3人・1,001〜2,000人で4人・2,001〜3,000人で5人・3,001人以上で6人以上と規模で増加(同条第1項第4号)。
  • エ(正): 産業医の2人以上選任義務は常時3,000人を超える事業場(=3,001人以上)から(安衛規則第13条第1項第4号)。なお常時1,000人以上の事業場・一定の有害業務に常時500人以上を従事させる事業場では専属の産業医が必要(同項第3号)。
  • オ(誤・正答): 安全衛生推進者(危険業種)と衛生推進者(その他業種)は対象業種が異なる。「同一である」は誤り。

【安全衛生管理体制の立法趣旨と企業規模別の二段階構造】

労働安全衛生法(1972年制定)は、労働災害の防止と労働者の健康確保を目的として、事業場の規模に応じた安全衛生管理組織の設置を義務付けています。制度の基本構造は「大規模事業場=専任専門家配置」「中規模事業場=兼任専門家配置」「小規模事業場=推進者(簡易資格者)配置」という段階設計です。

【「常時」の算定方法(管理体制選任の規模判断)】

選任義務の有無を判断する「常時使用する労働者数」は、行政解釈上、日雇い・パートタイマー等も含め常態として使用する労働者の数で判断するとされます。派遣労働者については、労働者派遣法第45条の特例(派遣先・派遣元の一方または双方を事業者とみなす規定)により、管理者の種類ごとに算入先が定まります(本解説では詳細を扱いません)。

【産業医の権限強化(2019年4月改正以降・令和8年度試験論点)】

2019年4月施行の改正で産業医の権限・独立性が強化されました。現行条文で押さえる重要論点:

1. 事業者の義務: ①産業医に「労働時間に関する情報その他の産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報」を提供する義務(第13条第4項) ②産業医の勧告を受けたときは、勧告の内容等を衛生委員会又は安全衛生委員会に報告する義務(同条第6項)

2. 産業医の勧告・誠実義務: 産業医は必要があると認めるときは事業者に勧告でき、事業者はこれを尊重しなければならない(同条第5項)。産業医は誠実に職務を行わなければならない(同条第3項)。事業者は、産業医等が労働者からの健康相談に応じるための体制整備に努める(第13条の3・努力義務)。

3. 不利益取扱いの防止: 産業医が勧告をしたこと等を理由として、解任その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない(安衛則第14条第4項)。

【衛生委員会と安全委員会(安全衛生委員会)の設置義務】

管理体制の設置とあわせて、委員会設置義務も重要論点です:

委員会の種類設置義務規模対象業種
安全委員会常時50人以上(林業・鉱業・建設業・一部の製造業・道路貨物運送業・港湾運送業・自動車整備業・機械修理業・清掃業)/常時100人以上(その他の令第2条第1号・第2号の業種)安衛令第8条
衛生委員会常時50人以上全業種
安全衛生委員会(統合)上記両方の設置義務がある場合両方に該当する業種

委員会の構成・開催頻度(毎月1回以上)・議事録3年保存・周知義務も条文事項として押さえる必要があります。

【安全衛生推進者・衛生推進者の資格要件と実務的役割】

10〜49人規模の事業場で選任される安全衛生推進者・衛生推進者は、産業医・衛生管理者を置けない小規模事業場でのメンタルヘルス対策・職場環境改善の窓口となります。選任要件は「都道府県労働局長の登録講習機関が行う研修の修了」または「一定の学歴・実務経験の組み合わせ」です。この制度は事業場規模が10人未満(義務なし)→10〜49人(推進者)→50人以上(管理者・産業医)という三層構造の中間を担います。

【社労士実務への接続】

社労士の実務では、安全衛生管理体制の整備不備が労働災害発生時の使用者責任(安衛法違反による刑事責任・民事損害賠償責任)に直結するため、事業場の業種・規模を正確に確認した上で必要な管理者・推進者が選任されているかを就業規則や安全衛生規程のレビュー時に確認することが必須の実務スキルです。また複数の事業場を持つ企業では、各事業場の規模別の体制整備が求められ、本社一括での算定は誤りとなります。

根拠: 労働安全衛生法第10条・第11条・第12条・第12条の2・第13条、労働安全衛生規則第2条〜第5条・第7条・第13条・第14条。

この問題の根拠条番号はe-Govの本文と機械で照合しています(2026-09-13)。照合の方法
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 労働安全衛生法第10条(総括安全衛生管理者)、第11条(安全管理者)、第12条(衛生管理者)、第12条の2(安全衛生推進者・衛生推進者)、第13条(産業医)、労働安全衛生規則第2条・第3条・第4条・第13条 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和9年度(2027年度)試験に向けて2026年10月1日時点の現行法令の数値を反映(令和9年4月の法改正で変わる箇所は試験前に更新・数値確認日 2026-10-01)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

この問題の関連トピック

  • 安全衛生管理体制(総括/安全/衛生/産業医の選任要件
  • 頻出度A

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