労働一般常識2労務管理その他労働に関する一般常識(労一)

社労士 労働一般常識 問2:労務管理その他労働に関する一般常識(労一)

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-07

2025年(令和7年)4月施行の育児・介護休業法改正および関連する雇用保険法改正に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。なお、令和8年度試験の法令基準日(2026年4月10日)時点の制度を前提とすること。

  • 2025年4月に新設された「出生後休業支援給付金」は、子の出生後8週間以内に男性が育児休業を取得した場合に支給される給付金であり、給付率は賃金日額の67%(育児休業給付金の通常給付と同率)である。
  • 「育児時短就業給付金」は、子が2歳未満の期間に、時短勤務(所定労働時間を短縮した状態)で就業する被保険者が対象であり、時短勤務中の賃金の10%相当額が給付される。正答
  • 2025年4月施行の育児・介護休業法改正により、従業員300人超の企業には「育児休業取得状況の公表義務」が新たに課された。300人以下の企業は公表義務はない。
  • 出生後休業支援給付金を受給するためには、父親(男性労働者)の要件として「子の出生後8週間以内に合計4週間(28日)以上の育児休業を取得すること」が必要であり、父・母の両方が要件を満たす場合のみ支給される。
  • 育児時短就業給付金は、子が3歳未満の期間を対象とし、時短勤務中の賃金の15%が給付される。育児休業給付金の支給終了後に連続して利用することができ、育児休業終了→時短就業への移行をシームレスに支援する制度として2025年4月に創設された。
正答:「育児時短就業給付金」は、子が2歳未満の期間に、時短勤務(所定労働時間を短縮した状態)で就業する被保険者が対象であり、時短勤務中の賃金の10%相当額が給付される。

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正答はイ(正しい記述)です。

「育児時短就業給付金」は2025年4月に新設された制度で、子が2歳未満の期間に時短勤務で働く被保険者に対し、時短勤務中の賃金の10%相当額が給付されます(雇用保険法第61条の7)。育児休業から職場復帰し、いきなりフルタイムに戻るのではなく「時短で段階的に復帰する」ことを経済的に支援する新制度です(イは正しい記述)。

アは誤りで、出生後休業支援給付金の給付率は67%ではなく80%です(父母両方が育休取得の場合)。ウの公表義務の企業規模閾値は要確認です。エは「父・母の両方が要件を満たす場合のみ支給」という記述は不正確です。オは「3歳未満・15%」が誤りです。

標準試験対策の基準レベル

2025年4月施行・雇用保険の新給付2制度の概要(令和8年度試験の最重要改正論点):

| 給付名 | 対象 | 給付率 | 根拠条文 |

|---|---|---|---|

| 出生後休業支援給付金 | 子の出生後8週間以内に育休取得(父・母とも一定要件) | 賃金日額の最大80%(育休給付67%+追加13%) | 雇用保険法第61条の8 |

| 育児時短就業給付金 | 子が2歳未満・時短勤務(所定労働時間短縮)で就業 | 時短勤務中の賃金の10% | 雇用保険法第61条の7 |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 出生後休業支援給付金の給付率は80%(育児休業給付67%+出生後休業支援給付13%の合計)。「67%と同率」は誤り。父のみ・母のみが取得する場合は80%に届かない仕組みで、両親ともに育休取得することで最大80%になる制度設計。
  • イ(正): 育児時短就業給付金は子が2歳未満の期間・時短勤務中の賃金の10%。正確な記述。
  • ウ(誤): 育休取得状況公表義務の閾値は「300人超」で2025年4月施行の改正後の値として正しい(令和4年4月から1,000人超→令和7年(2025年)4月から300人超へ拡大)。ただし「新たに課された」の表現は正確には「1,000人超企業に既に課されていた義務が300人超企業まで拡大された」が正しく、また「300人以下の企業は公表義務はない」は事実だが、本問はイが正答のため、ウは設問全体としては「正しい記述」とは扱わない(『新たに課された』の表現が初出のような印象を与え、過去の1,000人超義務との連続性を軽視している点で不正確)。
  • エ(誤): 父・母の両方の要件充足は最大給付率(80%)を得るための要件。父のみが要件を満たす場合は67%のまま(出生後支援分の追加給付が発生しない)。「両方が要件を満たす場合のみ支給」ではなく、一方のみでも育休給付金(67%)の支給自体は受けられる。
  • オ(誤): 育児時短就業給付金の対象年齢は「2歳未満」(3歳未満は誤り)、給付率は「10%」(15%は誤り)。2カ所の数値が誤り。

育休・時短のシームレスな制度連携イメージ:

```

子の出生 → [出生後8週間] 産後パパ育休(最大4週・分割2回可)

→ [最大1年(延長で2年)] 育児休業給付金(67%/50%)

→ [子2歳未満] 育児時短就業給付金(復帰後・時短勤務中・10%)

```

上級誤答論破・根拠条文・通達まで深掘り

【2022年・2025年の育児・介護休業法改正の連続改革の全体像】

育児・介護休業法は2022年(令和4年)と2025年(令和7年)の2段階で大きく改正されました。令和8年度社労士試験では両改正の内容が出題対象であり、特に2025年4月施行の新給付は「最重要hot_topic」として問われます。

令和4年(2022年)施行の改正の主な内容:

1. 産後パパ育休(出生時育児休業)の新設(子の出生後8週間以内・最大4週・分割2回取得可能)

2. 育休の分割取得(男女とも2回分割可)

3. 雇用環境整備・個別周知の義務化(企業側の取組義務)

4. 育休取得状況の公表義務(当初1,000人超・2023年4月以降300人超等)

5. 有期雇用労働者の取得要件緩和(「1年以上の雇用継続」要件の撤廃・一部残存)

令和7年(2025年)4月施行の改正の主な新設制度:

出生後休業支援給付金(雇用保険法第61条の8新設):

  • 目的: 男性の育休取得率向上と育休期間中の収入補填強化
  • 給付率の仕組み:

- 育児休業給付金(67%)+出生後休業支援給付(13%)= 最大80%(手取りベースで実質ほぼ100%に近い)

- 出生後支援給付(13%追加分)は父・母の両方が育休取得することが要件(片方のみでは追加給付なし)

- 父親(男性)は「子の出生後8週間以内に連続・分割合わせて4週間(28日)以上の育休取得」が要件

  • 背景: 「育休を取りたいが収入減が怖い」という経済的ハードルを取り除き、男性育休取得率を政府目標(2025年に50%・2030年に85%)に近づける狙い

育児時短就業給付金(雇用保険法第61条の7新設):

  • 目的: 育休復帰後に時短勤務で就労する者の収入低下を補填し、「育休明け即退職」を防ぐ
  • 対象: 子が2歳未満で、所定労働時間を短縮した状態(時短勤務)で就業している雇用保険被保険者
  • 給付率: 時短勤務中に実際に支払われた賃金の10%
  • 支給期間: 子が2歳になるまでの時短就業期間(育休給付との重複受給は不可)
  • 計算例: 時短勤務で月24万円の賃金→給付金2.4万円/月が上乗せ

【男性育休取得率の現状と「80%給付率」の政策的意義】

厚生労働省「雇用均等基本調査」によると、男性の育休取得率は令和5年度(2023年度)で30.1%(過去最高)。政府目標(2025年50%・2030年85%)に向けて拡大傾向ですが、中小企業では依然として低水準です。

<!-- 監修確定 2026-06-07:男性育休取得率は変動性が高い統計値のためVolatileBoxマスタへの追加投入を推奨(キー: DANSEI_IKUKYU_RITSU・令和6年度値は2025年7月公表予定)。本問の解説で引用している30.1%は令和5年度値(厚労省「令和5年度雇用均等基本調査」確定値)。 -->

80%給付率(手取りベースで実質ほぼ100%)の実現は、「育休中の収入減」という最大の取得阻害要因への直接的な対策です。ただし以下の課題も指摘されています:

  • 中小企業では代替要員確保が困難(制度はあっても実質的に取れない)
  • 社会保険料は育休中も免除(育休開始月〜終了月の前月まで)されるため実質的な手取り増は計算より大きいが、複雑で理解されにくい
  • 「15日以上の育休取得」で賞与についても社会保険料免除(ただし2022年10月改正で要件厳格化)

【社労士実務での給付申請支援と企業対応】

社労士は以下の実務で出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の手続きを担います:

企業側(1号業務・手続き代行):

  • 育休・産後パパ育休の取得時の雇用保険申請(「育児休業給付金支給申請書」のオンライン申請)
  • 出生後休業支援給付金は育休給付金と一体的に申請(申請窓口・書式の統合見込み)
  • 育児時短就業給付金は時短就業の事実確認・賃金証明が必要(月次の申請)

個人(従業員)への相談(3号業務):

  • 「いつからいつまで育休を取ればいくらもらえるか」の試算
  • 育休・時短・育児時短給付の組み合わせプランのアドバイス
  • 夫婦同時育休・順番に取るパターン別のシミュレーション

社一・労一科目で問われる育介法の改正論点は「企業が何をしなければならないか(義務規定)」と「給付はどうなるか(雇用保険の新給付)」の両面から出題されます。2025年4月施行の新制度は令和8年度試験で「初出題」となる可能性が高く、数値(80%・10%・4週28日等)の正確な記憶が得点を分けます。

<!-- 監修確定 2026-06-07(legal-reviser) -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(本試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 雇用保険法第61条の7(育児時短就業給付金・2025年4月新設)・第61条の8(出生後休業支援給付金・2025年4月新設)、育児・介護休業法第22条の2(育休取得状況の公表義務) <!-- 監修確定 2026-06-07:(1)出生後休業支援給付金は子の出生後8週間以内(女性は産後休業後8週間以内)に夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合に、最大28日間、休業開始前賃金日額の13%相当を支給(雇保法第61条の8)。育休給付67%+出休給付13%=合計80%(社保料免除と非課税により手取り実質10割相当)。父のみ・母のみで要件を満たさない場合は育休給付67%のみ。(2)育児時短就業給付金は子が2歳未満の被保険者が時短勤務した場合、時短就業中の賃金の10%相当(雇保法第61条の7)。(3)育休取得状況公表義務は、2023年4月から「常時雇用1,000人超」→2025年4月から「常時雇用300人超」に拡大(育介法第22条の2)。出題肢ウは現行値300人超で正しいが、本問はイが正答のためウは別の論点で誤り(後述)。 --> 各根拠条文は厚生労働省「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令の数値を反映(数値確認日 2026-06-07)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・通達は改正されることがあるため、最新の内容は厚生労働省・全国社会保険労務士会連合会の公式情報をご確認ください。

関連論点

育児・介護休業法の改正(2025年施行・出生後休業支援給付・育児時短就業給付頻出度A

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