地図編集24出典: 令和5年度 問24

測量士補 地図編集 問24:出典: 令和5年度 問24

令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-06-19

次の文は,GISについて述べたものである。ア 〜 ウ に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。 GISは,様々な地理空間情報とそれを加工・分析・表示するソフトウェアで構成される。GISでは,複数の地理空間情報について,ア ごとに分けて重ね合わせることができる。また,情報を重ね合わせるだけでなく,新たに建物や道路などの情報を追加することも可能である。この建物や道路などの情報のように,座標値を持つ点又は点列によって線や面を表現する図形データを イ データといい,名称などの属性情報を併せ持つことができる。 GISの応用分野は幅広く,特に自然災害に対する防災分野においては1995年の阪神・淡路大震災を契機にその有用性が認められ,国・地方公共団体などで広く利用されている。防災分野における具体的な利用方法としては,ネットワーク化された道路中心線データを利用して学校から避難所までの最短ルートを導き出すことや,ウ を使い山地斜面の傾斜を求め,土砂災害が発生しやすい箇所を推定することなどが挙げられる。

  • 1ア:レイヤ イ:ベクタ ウ:数値表層モデル(DSM)
  • 2ア:レベル イ:ラスタ ウ:数値表層モデル(DSM)
  • 3ア:レベル イ:ラスタ ウ:数値地形モデル(DTM)
  • 4ア:レイヤ イ:ラスタ ウ:数値表層モデル(DSM)
  • 5ア:レイヤ イ:ベクタ ウ:数値地形モデル(DTM)正答
正答:5ア:レイヤ イ:ベクタ ウ:数値地形モデル(DTM)

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GISの基本概念(レイヤ・ベクタデータ・数値地形モデル)を問う穴埋め問題(令和5年度 問24)。正答は(5)「レイヤ・ベクタ・数値地形モデル(DTM)」です。

ア「レイヤ」:GISでは,地図を種類別(道路・建物・河川・等高線など)の「レイヤ」に分けて管理し,必要なレイヤを重ね合わせて表示・分析します。「レベル」は画像処理等の用語で,GISの重ね合わせ概念ではありません。

イ「ベクタ」:座標値(点・線・面)で地物を表現するデータ形式は「ベクタ(ベクター)データ」です。建物・道路・境界線はすべてベクタデータで管理されます。「ラスタ」は格子状の画素(ピクセル)で表現する形式(航空写真・衛星画像・DEMなど)で,点列による線・面表現ではありません。

ウ「数値地形モデル(DTM)」:山地斜面の傾斜を求めるには,建物・樹木を除いた「地表面」の標高データが必要です。DTM(Digital Terrain Model)は裸地地形の標高モデルで,傾斜計算に適します。DSM(Digital Surface Model)は建物・樹木の上面を含む表層モデルで,山地の傾斜計算には不適切です。

標準試験対策の基準レベル

【GISの基本概念・穴埋め問題の解法】(令和5年度 問24)

【ア「レイヤ」の根拠】

GISのレイヤ(Layer)概念:

地理情報を主題別(道路・河川・土地利用・標高等)に分けてデータ層を構成し,透明シートを重ねるように複数のレイヤを組み合わせて分析・表示する。

「レベル」はGISの文脈では使用しない用語。GIS標準(ISO 19115等)でもLayerが正式名称。

【イ「ベクタ」の根拠:ベクタvsラスタの明確な区別】

ベクタデータ:

  • 点(Point):一つの座標(x,y)で表現→測量基準点・住所点
  • 線(Line/Polyline):点列(x₁y₁,x₂y₂,...)で表現→道路・河川中心線
  • 面(Polygon):閉じた点列で表現→建物・湖・行政区域

ラスタデータ:

  • 格子状のセル(ピクセル)に値を格納→航空写真・衛星画像・DEM/DSM
  • 問題文の「座標値を持つ点又は点列によって線や面を表現」→ベクタの定義

【ウ「DTM」の根拠:DTMとDSMの使い分け】

DSM(Digital Surface Model:数値表層モデル):

  • 地表面上の全地物(建物・樹木・橋梁等)の上面標高を含む
  • 計測:航空レーザー測量・空中写真測量(SfM/MVS)で直接取得
  • 用途:都市部の建物高さ解析,樹木高推定,電波伝播シミュレーション

DTM(Digital Terrain Model:数値地形モデル):

  • 建物・樹木を除いた裸地地表面の標高
  • 計算:DSMから建物・植生のフィルタリングで生成(グラウンドデータ)
  • 用途:山地斜面の傾斜計算・土砂災害危険度評価・洪水シミュレーション・切盛土計算

「山地斜面の傾斜を求め,土砂災害が発生しやすい箇所を推定する」→地表面形状の解析=DTMが正解。DSMを使うと建物・樹木の高さが混入し,傾斜計算が地形を反映しなくなる。

上級誤答論破・根拠条文・実務応用まで深掘り

【GISデータ形式の技術詳細・防災GIS応用の体系的理解】(令和5年度 問24)

【ベクタデータの技術的特徴】

ベクタデータの主要ファイル形式:

  • Shape(ESRI Shapefile):.shp(幾何)+.dbf(属性)+.shx(インデックス)のセット
  • GeoJSON:JSON形式のベクタデータ標準(Web GIS向け)
  • GML(Geography Markup Language):XML/ISO規格の地理情報交換形式(国土交通省の電子納品標準)
  • KML/KMZ:Google Earth用形式(可視化向け)
  • GeoPackage(GPKG):SQLiteベースの単一ファイルGISデータ形式(QGIS推奨)

属性テーブル:各地物(フィーチャ)の非空間情報(名称・分類・面積等)をテーブル形式で管理。外部DB(PostgreSQL+PostGIS等)との結合も可能。

【DTMの傾斜・傾斜方向解析の原理】

傾斜(Slope)の計算方法(Horn法・3×3移動窓):

3×3セルの標高値行列:

z₁ z₂ z₃

z₄ z₅ z₆

z₇ z₈ z₉

東西方向の変化率:dz/dx = [(z₃+2z₆+z₉)−(z₁+2z₄+z₇)]/(8×Δx)

南北方向の変化率:dz/dy = [(z₇+2z₈+z₉)−(z₁+2z₂+z₃)]/(8×Δy)

傾斜角:slope = arctan(√((dz/dx)² + (dz/dy)²))

傾斜方向:aspect = arctan(−dz/dy / (−dz/dx))(北を0°として時計回り)

土砂災害危険度評価では,傾斜30°以上の急傾斜地(砂防法・急傾斜地法の規制対象)を抽出し,地質・植生・降水量データと重ね合わせてリスク評価を行う。

【最短ルート解析(ネットワーク解析)の原理】

ダイクストラアルゴリズム:

重み付きグラフ(道路ネットワーク)において,始点から全ノードへの最短経路を求める。

計算量:O(V² )(V=ノード数)またはヒープを使って O((V+E)logV)(E=辺数)

GISでの実装:ArcGIS Network Analyst / QGIS GRASS r.shortest.path / pgRouting(PostgreSQL拡張)

道路データの属性(速度制限・一方通行・通行止め・橋梁耐荷重等)を重みとして設定。

防災応用:避難所ルート計算では,高齢者・障害者向けの「道路勾配が緩やかなルート優先」「段差なしルート」等の制約条件をネットワーク属性として設定することで,要配慮者向けの避難支援GISが実現できる。

【測量士試験への接続】

測量士では,GISデータモデル(ベクタ・ラスタ・TIN)の数学的定義,空間演算(バッファ・オーバーレイ・クリップ・ディゾルブ),座標変換・投影変換の計算,GIS精度管理(位置精度・属性精度・論理整合性),国土空間データ基盤(NSDI)の整備動向が出題される。

出典・根拠について

本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和5年度 測量士補試験 問24(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。

執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報) / 測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき段差性のあるAI解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

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