第3章 主な医薬品とその作用117主な医薬品とその作用(漢方処方製剤)

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問117:主な医薬品とその作用(漢方処方製剤)

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)および黄連湯(おうれんとう)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 半夏瀉心湯は体力中等度以上の人に用い、みぞおちのつかえ・悪心・腸鳴・下痢に適する処方である。
  • 黄連湯はダイオウを含む処方であり、実証(体力充実)の人の便秘・腹痛に用いられる。
  • 半夏瀉心湯はダイオウを含む瀉下処方であり、体力充実した実証の人の便秘・腹部膨満に用いる。
  • 黄連湯はオウレンを含む処方であり、比較的体力があり胸やけ・腹痛・嘔吐に用いられる。正答
  • 半夏瀉心湯と黄連湯はともにダイオウを含み、便秘傾向の患者に特に適している。
正答:黄連湯はオウレンを含む処方であり、比較的体力があり胸やけ・腹痛・嘔吐に用いられる。

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正答はエです。

黄連湯はオウレン(黄連)を含む処方で、比較的体力がある人の胸やけ・腹痛・嘔吐に使います。

誤りの選択肢のポイントです。

  • ア:半夏瀉心湯は体力「中等度」(特に虚弱でも充実でもない)向けです。「中等度以上」は誤り。
  • イ:黄連湯にダイオウは含まれません。ダイオウは便秘の実証処方(大柴胡湯・通導散等)に入る成分です。
  • ウ:半夏瀉心湯はダイオウを含まず、体力中等度の人のみぞおちのつかえ・悪心・腸鳴・下痢に用います。「ダイオウ含有・実証・便秘向け」は事実と逆で誤り。
  • オ:半夏瀉心湯・黄連湯はどちらもダイオウを含みません。

語呂:「黄連湯(おうれんとう)はオウレンで胸やけ嘔吐腹痛」

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半夏瀉心湯 vs 黄連湯:瀉心湯類の比較

| 項目 | 半夏瀉心湯 | 黄連湯 |

|---|---|---|

| 体力(証) | 中等度 | 比較的体力あり |

| 主な適応 | みぞおちのつかえ・悪心・嘔吐・腸鳴・下痢 | 胸やけ・腹痛・嘔吐。上熱下寒(上に熱・下に冷え)のパターン |

| オウレン含有 | あり | あり(黄連湯の名の由来) |

| ダイオウ含有 | なし | なし |

| カンゾウ含有 | あり | あり |

| マオウ含有 | なし | なし |

| 特徴 | 「心下痞(しんかひ)」=みぞおちがつかえた感じ | 上部(胸・食道)の熱感と下部(腹)の冷えが混在 |

「瀉心湯」類の理解:

「瀉心」とは「心下(みぞおち)の邪気を瀉(排除)する」の意味。瀉心湯類(半夏瀉心湯・黄連瀉心湯・三黄瀉心湯等)はいずれもオウレンまたはオウゴンを含む苦寒清熱薬(熱を冷ます)が特徴。

各選択肢の正誤:

  • ア(誤):半夏瀉心湯は「体力中等度」であり「中等度以上(実証)」ではない。また腸鳴・下痢が主症状で「便秘」の処方ではない。
  • イ(誤):黄連湯にダイオウは含まれない。黄連湯の主成分はオウレン・ケイヒ・ハンゲ等で、便秘よりも嘔吐・腹痛が適応。
  • ウ(誤):半夏瀉心湯はダイオウを含まず、体力中等度の人の「みぞおちのつかえ・悪心・腸鳴・下痢」に用いる処方。「ダイオウ含有」「実証の便秘・腹部膨満向け」はいずれも事実と逆で誤り。
  • エ(正):黄連湯はオウレン含有で比較的体力がある人の胸やけ・腹痛・嘔吐に用いる処方として正しい。
  • オ(誤):どちらもダイオウを含まない。便秘の実証処方ではない。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【半夏瀉心湯の生薬組成と「心下痞」の病態生理】

半夏瀉心湯(7生薬構成)は傷寒論由来の古典処方で、「痞(ひ)=痞え(つかえ)・腹満」の証に対応する。

| 生薬 | カテゴリ | 主な薬理作用 |

|---|---|---|

| ハンゲ(半夏) | 化痰・降逆 | 鎮吐・去痰・鎮咳。胃酸逆流を抑制 |

| オウレン(黄連) | 清熱燥湿 | 抗菌・抗炎症・健胃苦味。胃腸の「熱」を冷やす |

| オウゴン(黄芩) | 清熱燥湿 | 抗炎症・抗菌・鎮静。消化管炎症を鎮める |

| カンキョウ(乾姜) | 温裏 | 胃腸を温める。カンゾウ・ニンジンとともに脾胃を補う |

| ニンジン(人参) | 補気 | 胃腸機能賦活・疲労回復 |

| カンゾウ(甘草) | 調和 | 各生薬を調和。偽アルドステロン症注意 |

| タイソウ(大棗) | 補脾 | 胃腸を整える。緩和作用 |

半夏瀉心湯は「寒熱錯雑(かんねつさくざつ)」の典型処方である。オウレン・オウゴンの清熱(冷やす)とカンキョウの温裏(温める)が共存することで、上部(胃)の熱と下部(腸)の冷えが混在する複雑な病態に対応できる。現代医学的には、機能性ディスペプシア・逆流性食道炎・過敏性腸症候群の一部に効果があるとする研究もある。

黄連湯の生薬組成と「上熱下寒」の病態:

| 生薬 | カテゴリ | 主な薬理作用 |

|---|---|---|

| オウレン(黄連) | 清熱燥湿 | 胃・食道の熱感(胸やけ)を冷やす |

| ケイヒ(桂皮) | 温裏・通陽 | 腹部の冷えを温める。桂枝湯の君薬 |

| ハンゲ(半夏) | 降逆・化痰 | 嘔吐・悪心を制する |

| カンキョウ(乾姜) | 温裏 | 腹部を温める |

| ニンジン(人参) | 補気 | 胃腸を補い回復を助ける |

| タイソウ(大棗) | 補脾 | 胃腸を整える |

| カンゾウ(甘草) | 調和 | 各生薬の調和 |

黄連湯は「オウレン(上の熱を冷やす)」と「ケイヒ・カンキョウ(下の冷えを温める)」の対比が特徴で、「上熱下寒」の病態に対応する。食道・上部胃の灼熱感と、腹部の冷えや腸のけいれん性腹痛が混在する患者に向く。

瀉心湯類の横断比較(試験でよく問われる処方群):

| 処方名 | 主成分の特徴 | 主な適応 | ダイオウ |

|---|---|---|---|

| 半夏瀉心湯 | ハンゲ+オウレン+オウゴン | みぞおちのつかえ・悪心・腸鳴・下痢 | なし |

| 黄連湯 | オウレン+ケイヒ | 胸やけ・嘔吐・腹痛(上熱下寒) | なし |

| 三黄瀉心湯 | オウレン+オウゴン+ダイオウ | 実証の便秘・高血圧・鼻出血・不眠 | あり |

| 黄連解毒湯 | オウレン+オウゴン+オウバク+サンシシ | 熱症状全般(ほてり・のぼせ・出血) | なし |

三黄瀉心湯のみダイオウを含む点は試験頻出。「瀉心湯類はすべてダイオウを含む」という誤りを誘う選択肢に注意。

登録販売者の実務:購入者への確認ポイント(半夏瀉心湯・黄連湯)

1. カンゾウを含むため他の漢方薬との重複チェック(偽アルドステロン症)

2. 体力の確認:半夏瀉心湯は中等度(虚弱な人には不向き)

3. 症状の確認:「みぞおちがつかえる感じ・腸鳴・下痢」→半夏瀉心湯、「胸やけ・嘔吐・上部の熱感」→黄連湯と症状で使い分け

4. どちらもダイオウを含まないため妊婦禁忌ではないが、カンゾウ含有のため妊婦は一般的な漢方の注意事項に準ずる

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 黄連湯=ハンゲ/オウレン/カンキョウ/カンゾウ/ケイヒ/タイソウ/ニンジンの7生薬(ツムラ120番)でオウレン含有・ダイオウ非含有。正答エ(黄連湯はオウレン含有で比較的体力ある人の胸やけ・腹痛・嘔吐)は正。半夏瀉心湯=ハンゲ/オウゴン/カンキョウ/カンゾウ/タイソウ/ニンジン/オウレン(ツムラ14番)でダイオウ非含有・体力中等度。二重正答防止のため選択肢ウを「半夏瀉心湯はダイオウ含有・実証の便秘向け」の明確な誤りに改変し正答をエに一意化(旧ウは『胸やけ』が半夏瀉心湯の効能にも含まれ誤り判定が曖昧だった)。出典:ツムラ黄連湯/半夏瀉心湯 医療用添付文書。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第15節「漢方処方製剤・生薬製剤」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

胃腸の漢方・半夏瀉心湯/黄連湯の証頻出度A

第3章 主な医薬品とその作用の他の問題

1
主な医薬品とその作用(かぜ薬・解熱鎮痛薬)
2
主な医薬品とその作用(アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)
3
主な医薬品とその作用(漢方処方・生薬)
4
主な医薬品とその作用(かぜ薬)
5
主な医薬品とその作用(鎮咳去痰薬)
6
主な医薬品とその作用(胃腸薬・制酸薬)

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