問題
浣腸薬(坐剤・注入剤型)の使用方法および成分に関する次のア〜オの記述のうち、誤っているものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はイです。
浣腸薬を「毎日使っても習慣性が生じない」というのは誤りです。手引きでは、繰り返し使用すると直腸の感受性の低下(いわゆる慣れ)が生じて効果が弱くなり、医薬品の使用に頼りがちになるため、連用しないこととされています。浣腸薬の使用は一時的なものにとどめ、便秘になりやすい食生活等の生活習慣の改善が重要です。
ア・ウ・エ・オはすべて正しい記述です。グリセリンやソルビトールは浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促します。グリセリン配合の浣腸薬は、痔出血の症状がある人では使用前に医師等への相談が必要です。
暗記のポイント: 「浣腸薬は連用しない・使用は一時的に」と覚えましょう。
浣腸薬の主成分と作用(手引き):
| 剤形 | 成分 | 作用 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 注入剤 | グリセリン | 浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激 | 痔出血の症状がある人、高齢者又は心臓病の診断を受けた人は使用前に相談 |
| 注入剤 | ソルビトール | 同上 | 直腸内の浸透圧変化に伴い、使用時の体調によっては肛門部に熱感を生じることがある(注入剤共通) |
| 坐剤 | 炭酸水素ナトリウム | 直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生し、直腸を刺激 | まれに重篤な副作用としてショック |
| 坐剤 | ビサコジル | 結腸や直腸の粘膜を刺激 | 誤って坐剤を服用しないよう留意 |
各選択肢の解説:
- ア(正): 浣腸薬は、便秘の場合に排便を促すことを目的として、直腸内に適用される医薬品です。剤形には注入剤(肛門から薬液を注入するもの)のほか、坐剤となっているものもあります。
- イ(誤・正答): 繰り返し使用すると直腸の感受性の低下(いわゆる慣れ)が生じて効果が弱くなり、医薬品の使用に頼りがちになるため、連用しないこととされています。「習慣性が生じない」「慢性便秘の長期管理に適した」はいずれも誤りです。
- ウ(正): 注入剤の用法に関連した注意として、薬液を注入した後すぐに排便を試みると薬液のみが排出されて効果が十分得られないことから、便意が強まるまでしばらく我慢するとされています。薬液が漏れ出しそうな場合は肛門を脱脂綿等で押さえておくとよいとされます。
- エ(正): グリセリンが配合された浣腸薬が、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに使用されると、グリセリンが傷口から血管内に入って赤血球の破壊(溶血)を引き起こす、また、腎不全を起こすおそれがあります。痔出血の症状がある人では、使用する前にその適否につき医師等に相談がなされるべきとされています。
- オ(正): 注入剤の配合成分として、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して、グリセリンやソルビトールが用いられます。
【浣腸薬に共通する留意点(手引きⅢ-4-1))】
- 繰り返し使用すると直腸の感受性の低下(いわゆる慣れ)が生じて効果が弱くなり、医薬品の使用に頼りがちになるため、連用しないこととされている。便秘以外のときに直腸内容物の排除を目的として用いることは適当でない。
- 便秘については、瀉下薬と同様、便秘になりやすい食生活等の生活習慣の改善が図られることが重要で、浣腸薬の使用は一時的なものにとどめるべき。特に乳幼児では安易な使用を避けることとされている。
- 浣腸薬は一般に、直腸の急激な動きに刺激されて流産・早産を誘発するおそれがあるため、妊婦又は妊娠していると思われる女性では使用を避けるべきとされている。
- 腹痛が著しい場合や便秘に伴って吐きけや嘔吐が現れた場合には、急性腹症(腸管の狭窄、閉塞、腹腔内器官の炎症等)の可能性があり、配合成分の刺激によって症状を悪化させるおそれがある。排便時に出血を生じる場合は、痔出血のほか、直腸ポリープや直腸癌等に伴う出血であることもあり、医師の診療を受けるなどの対応が必要。
【注入剤の用法に関連した注意】
1. 薬液の放出部を肛門に差し込み、薬液だまりの部分を絞って、薬液を押し込むように注入する。
2. 注入するときはゆっくりと押し込み、注入が終わったら放出部をゆっくりと抜き取る。注入する薬液は人肌程度に温めておくと、不快感を生じることが少ない。
3. 薬液を注入した後すぐに排便を試みると、薬液のみが排出されて効果が十分得られないことから、便意が強まるまでしばらく我慢する。薬液が漏れ出しそうな場合は肛門を脱脂綿等で押さえておくとよい。
4. 半量等を使用する用法がある場合、残量を再利用すると感染のおそれがあるので使用後は廃棄する。
【グリセリン配合の浣腸薬で「相談」とされる人】
| 対象 | 理由(手引き) | 区分 |
|---|---|---|
| 高齢者又は心臓病の診断を受けた人 | 排便時に血圧低下を生じて立ちくらみの症状が現れるとの報告があり、体力の衰えている高齢者や心臓に基礎疾患がある人で特に現れやすい | 使用する前に医師等に相談 |
| 痔出血の症状がある人 | 肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに使用されると、グリセリンが傷口から血管内に入って溶血を引き起こす、また腎不全を起こすおそれ | 使用する前に医師等に相談 |
手引きはこれらを「使用を避ける」ではなく「使用する前にその適否につき、治療を行っている医師等に相談がなされるべき」としています。一方、妊婦又は妊娠していると思われる女性は、浣腸薬全般について「使用を避けるべき」とされており、区分の違いが問われやすいポイントです。
【坐剤の用法と配合成分】
- 柔らかい場合には、しばらく冷やした後に使用する。硬すぎる場合には、柔らかくなった後に使用する。無理に挿入すると直腸粘膜を傷つけるおそれがある。
- 坐剤を挿入した後すぐに排便を試みると、坐剤が排出されて効果が十分得られないことから、便意が強まるまでしばらく我慢する。
- ビサコジルは瀉下薬の有効成分として内服でも用いられるが、誤って坐剤を服用することのないよう留意される必要がある。
- 炭酸水素ナトリウムは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられ、これを主薬とする坐剤では、まれに重篤な副作用としてショックを生じることがある。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅲ-4
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章Ⅲ-4-1)「浣腸薬」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

