第3章 主な医薬品とその作用47主な医薬品とその作用(口腔咽喉薬・口内炎用薬)

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問47:主な医薬品とその作用(口腔咽喉薬・口内炎用薬)

口内炎・歯周炎等の口腔内の炎症に用いられる薬の成分・使用方法に関する次のア〜オの記述のうち、**誤っているもの**はどれか。

  • アズレンスルホン酸ナトリウムは抗炎症・組織修復を促進する成分であり、口腔炎・口内炎・喉の炎症・うがい薬に配合されて、患部の炎症・腫れ・痛みを緩和する。
  • グリチルリチン酸(カンゾウ由来)は抗炎症作用を持ち、口内炎用の薬に配合されることがあるが、同成分を含む内服薬・外用薬を重複して大量に使用すると偽アルドステロン症を引き起こすリスクがある。
  • 口内炎用の外用薬(貼付型・塗布型)にステロイド性抗炎症成分(トリアムシノロンアセトニド等)が配合されている場合、長期連用や感染症(ウイルス性・細菌性)が原因の口内炎には使用を避け、原因が不明な長期の口内炎(2週間以上)は専門家への受診を勧奨する必要がある。
  • セチルピリジニウム塩化物は口腔内に生息する細菌の増殖を抑制する殺菌成分であり、口内炎による傷口の二次感染予防を目的として配合されることがある。
  • 口内炎は通常1〜2週間で自然に治癒するが、2週間以上続く口内炎・再発を繰り返す口内炎・白板症(はくばんしょう)様の白色病変は、口腔癌・ベーチェット病等の可能性があり、必ず医師への受診を勧奨する必要はなく、まずは市販の口内炎薬で対処してよい。正答
正答:口内炎は通常1〜2週間で自然に治癒するが、2週間以上続く口内炎・再発を繰り返す口内炎・白板症(はくばんしょう)様の白色病変は、口腔癌・ベーチェット病等の可能性があり、必ず医師への受診を勧奨する必要はなく、まずは市販の口内炎薬で対処してよい。

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正答はオです。

「2週間以上続く口内炎・再発を繰り返す口内炎・白板症様の白色病変は、まずは市販薬で対処してよい」という記述が誤りです。2週間以上続く口内炎・白色病変(白板症)は口腔癌・ベーチェット病・自己免疫疾患等の深刻な疾患のサインである可能性があり、市販薬での自己対処を続けることなく、必ず医師・歯科医師への受診を勧奨しなければなりません。

ア(アズレンスルホン酸ナトリウムの抗炎症・組織修復)、イ(グリチルリチン酸の偽アルドステロン症リスク)、ウ(ステロイド口内炎薬の感染症禁忌・長期受診勧奨)、エ(セチルピリジニウムの殺菌成分)はすべて正しい内容です。

標準試験対策の基準レベル

口内炎用薬の主な成分まとめ:

| 成分 | 分類 | 主な作用 | 注意点 |

|---|---|---|---|

| アズレンスルホン酸ナトリウム | 抗炎症・組織修復 | 粘膜の炎症・潰瘍を修復促進 | 感染症への使用は適切な抗菌薬が必要 |

| グリチルリチン酸 | 抗炎症(カンゾウ由来) | 粘膜炎症の軽減 | 重複使用で偽アルドステロン症リスク |

| トリアムシノロンアセトニド | ステロイド性抗炎症 | 炎症・痛みの強力な抑制 | 感染性口内炎禁忌・長期使用不可 |

| セチルピリジニウム塩化物 | 殺菌(第四級アンモニウム塩) | 口腔内細菌の増殖抑制 | 常在菌にも影響 |

| 塩酸クロルヘキシジン | 殺菌 | 広域殺菌 | アナフィラキシーリスク(まれ) |

各選択肢の解説:

  • ア(正): アズレンスルホン酸ナトリウムはカモミール由来のアズレン誘導体(水溶性)で、プロスタグランジン合成阻害・組織修復促進・抗酸化作用を持ちます。うがい薬・洗口液・口内炎用薬(塗布型・噴霧型)に配合されます。
  • イ(正): グリチルリチン酸は口内炎外用薬に配合されることがありますが、同成分を含む他の内服薬(カンゾウ含有漢方薬・かぜ薬等)と重複すると偽アルドステロン症(グリチルリチン酸過剰→ミネラルコルチコイド様作用→低K血症・浮腫・高血圧)のリスクが生じます。特に高齢者・腎障害患者で注意です。
  • ウ(正): トリアムシノロンアセトニド等のステロイド含有口内炎薬(貼付型:アフタッチ等)は感染症が原因の口内炎(ウイルス性口内炎:ヘルペス性・手足口病等、細菌性)への使用は禁忌です。感染を悪化させる可能性があります。また2週間以上症状が続く場合は受診勧奨が必要です。
  • エ(正): セチルピリジニウム塩化物(CPC)はうがい薬・口内炎薬に配合される殺菌成分で、カチオン性界面活性剤として口腔内の細菌膜を破壊します。二次感染予防の目的での配合が多いです。
  • オ(誤・正答): 「2週間以上の口内炎・白板症様病変は、まず市販薬で対処してよい」という記述は危険です。2週間以上続く口腔内潰瘍・白色病変は口腔癌・白板症(前癌病変)・ベーチェット病・天疱瘡等の疾患サインである可能性があり、必ず早期に医師・歯科医師への受診を勧奨する必要があります。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【口内炎(アフタ性潰瘍)の病態と治癒機序】

アフタ性口内炎(再発性アフタ)は最も一般的な口内炎で、以下の特徴を持ちます:

  • 外観: 白色〜黄白色の円形潰瘍(中央が陥没)・周囲に発赤した赤い縁
  • 直径: 通常5mm未満(小アフタ: 軽症)〜10mm以上(大アフタ: 重症)
  • 疼痛: 食事・会話時の強い疼痛
  • 治癒: 通常7〜14日で自然治癒(小アフタ)

原因(まだ不明な部分が多い):

  • 口腔内の微小外傷(咬傷・歯ブラシの傷)
  • 栄養欠乏(ビタミンB₁₂・葉酸・鉄分不足)
  • ストレス・睡眠不足(免疫低下)
  • 口腔内細菌叢の変化
  • ホルモン変動(月経周期)
  • 食物アレルギー(チョコレート・ナッツ等)

治癒機序: 口腔粘膜は再生能力が高く(交代周期約7日)、炎症収束後に上皮細胞が潰瘍部を覆って修復します。アズレンスルホン酸ナトリウムはこの修復を促進し、ステロイド成分は炎症反応(マクロファージ・好中球の浸潤)を強力に抑制して疼痛を早期に緩和します。

【アズレンスルホン酸ナトリウムの化学的特性】

アズレン(Azulene)は天然にはカモミール(Matricaria chamomilla)の精油に含まれるカマズレンという成分が由来で、鮮やかな青色を呈します。薬用に使用されるアズレンスルホン酸ナトリウム(Sodium azulenesulfonate)は水溶性化した合成誘導体です。

主な薬理作用:

1. 抗炎症: PGE₂(プロスタグランジンE₂)合成阻害・5-リポキシゲナーゼ阻害→炎症性メディエーター産生抑制

2. 組織修復促進: 線維芽細胞の増殖促進・コラーゲン産生促進

3. 抗ヒスタミン: ヒスタミンH₁受容体への弱い拮抗作用(かゆみ・血管拡張抑制の一部)

4. 抗酸化: フリーラジカル消去

うがい薬への配合意義: 溶液として使用することで口腔全体・咽頭の炎症(咽頭炎・扁桃炎)にも到達できます。塗布型・貼付型では患部への直接作用が優先されます。

【ステロイド口内炎薬と感染症リスクの科学的根拠】

ステロイド性抗炎症薬(トリアムシノロンアセトニド等)が感染性口内炎に禁忌な理由:

感染性口内炎の種類:

| 原因 | 疾患名 | 禁忌理由 |

|---|---|---|

| 単純ヘルペスウイルス(HSV-1) | 口唇ヘルペス・ヘルペス性口内炎 | ステロイドでウイルス増殖促進→感染拡大・重症化 |

| コクサッキーウイルス | 手足口病・ヘルパンギーナ | 同上(ウイルス感染全般) |

| カンジダ菌(真菌) | 口腔カンジダ症(白板様病変) | ステロイドで真菌過増殖→重症化 |

| 細菌感染 | 急性壊死性潰瘍性歯肉炎等 | ステロイドで抗菌免疫低下→感染悪化 |

実務的な区別方法(登録販売者の観点):

  • アフタ性口内炎: 白色円形潰瘍・強い痛み・発熱なし・1〜2個が孤立
  • ヘルペス性口内炎: 小水疱→破れて痛い潰瘍・高熱・頚部リンパ節腫脹・多数の小潰瘍が群発
  • 口腔カンジダ: 舌・頬粘膜の白色苔状(こすると取れる)・痛みは少ない

ヘルペス性口内炎や口腔カンジダの疑いがある場合は、OTCステロイド口内炎薬の使用を勧めず、医師への受診を案内することが安全です。

【白板症・2週間以上の口内炎:受診勧奨の根拠】

2週間以上続く口腔内の変化で見逃してはいけない疾患:

| 所見 | 疑われる疾患 | 緊急度 |

|---|---|---|

| 2週間以上治らない潰瘍 | 口腔癌・天疱瘡・ベーチェット病 | 高 |

| 白色の除去できない病変(白板症) | 前癌病変(白板症)・口腔扁平上皮癌 | 高 |

| 赤い斑点(紅板症) | 前癌病変(紅板症)→悪性化率が白板症より高い | 最高 |

| 再発を繰り返す大型アフタ | ベーチェット病(眼・皮膚・性器症状も確認) | 中〜高 |

登録販売者が伝えるべき受診勧奨のメッセージ:

「口内炎は通常2週間以内に治りますが、2週間を超えても治らない・繰り返す場合や、白い染みがこすっても取れない場合は、口腔癌等の可能性も否定できません。自己判断での市販薬の使用を続けず、早めに歯科医師・内科・耳鼻科への受診をお勧めします。」

このような適切な受診勧奨は「要指導医薬品」とOTCの境界を守る登録販売者の最重要の役割の一つです。

【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章第9節

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第9節「口腔咽喉薬・うがい薬等(口内炎用薬)」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

口内炎用薬=アズレン/グリチルリチン酸/ステロイドと受診勧奨頻出度B

第3章 主な医薬品とその作用の他の問題

1
主な医薬品とその作用(かぜ薬・解熱鎮痛薬)
2
主な医薬品とその作用(アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)
3
主な医薬品とその作用(漢方処方・生薬)
4
主な医薬品とその作用(かぜ薬)
5
主な医薬品とその作用(鎮咳去痰薬)
6
主な医薬品とその作用(胃腸薬・制酸薬)

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