問題
殺虫剤の成分・分類・作用機序に関する次のア〜オの記述のうち、正しいものはどれか。
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答え合わせ
- ア
- イ
- ウ
- エ
- オ
自信の3択
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解説
正答はアです。
有機リン系殺虫成分は、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と不可逆的に結合してその働きを阻害することで殺虫作用を示します。記述は手引きどおりです。
ほかの選択肢の誤り:
- イ:殺虫成分で唯一人体に直接適用されるのはフェノトリン(シラミの駆除を目的とする製品)
- ウ:カーバメイト系はアセチルコリンエステラーゼとの結合が「可逆的」
- エ:ピレスロイド系は比較的速やかに自然分解して残効性が低いため、家庭用殺虫剤に広く用いられている
- オ:DDT等は残留性や体内蓄積性の問題から、現在はオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除に使われているのみ
殺虫成分の系統別まとめ(手引き ⅩⅤ-2-2)):
| 系統 | 代表成分 | 殺虫作用の仕組み | 押さえどころ |
|---|---|---|---|
| 有機リン系 | ジクロルボス、ダイアジノン、フェニトロチオン等 | アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合して阻害 | ほ乳類や鳥類では速やかに分解・排泄され毒性は比較的低い |
| ピレスロイド系 | ペルメトリン、フェノトリン、フタルスリン等 | 神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害 | 比較的速やかに自然分解し残効性が低い。フェノトリンは唯一人体に直接適用 |
| カーバメイト系 | プロポクスル | アセチルコリンエステラーゼの阻害(結合は可逆的) | ピレスロイド系に抵抗性を示す害虫に。一般に有機リン系より毒性は低い |
| 有機塩素系 | DDT等 | 神経細胞に対する作用 | 現在はオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除に使われるのみ |
各選択肢の解説:
- ア(正): 有機リン系殺虫成分の殺虫作用は、アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合してその働きを阻害することによります。
- イ(誤): 殺虫成分で唯一人体に直接適用されるのはフェノトリンです(シラミの駆除を目的とする製品の場合)。ペルメトリンではありません。
- ウ(誤): カーバメイト系殺虫成分は有機リン系と同様にアセチルコリンエステラーゼを阻害しますが、有機リン系と異なり、結合は可逆的です。
- エ(誤): ピレスロイド系殺虫成分は除虫菊の成分から開発された成分で、比較的速やかに自然分解して残効性が低いため、家庭用殺虫剤に広く用いられています。
- オ(誤): 有機塩素系殺虫成分(DDT等)は日本ではかつて広く使用され感染症の撲滅に大きな効果を上げましたが、残留性や体内蓄積性の問題から、現在ではオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除の目的で使用されているのみです。
【殺虫剤の基本的な使い方】
手引きは、殺虫作用に対する抵抗性が生じるのを避けるため、同じ殺虫成分を長期間連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していくことが望ましいとしています。
【系統ごとの要点】
1. 有機リン系殺虫成分: ジクロルボス、ダイアジノン、フェニトロチオン、フェンチオン、トリクロルホン、クロルピリホスメチル、プロペタンホス等。アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合して阻害します。ほ乳類や鳥類では速やかに分解されて排泄されるため毒性は比較的低いものの、高濃度又は多量に曝露した場合(特に誤って飲み込んだ場合)には、神経の異常な興奮が起こり、縮瞳、呼吸困難、筋肉麻痺等の症状が現れるおそれがあり、直ちに医師の診断を受ける必要があります。
2. ピレスロイド系殺虫成分: 除虫菊の成分から開発され、比較的速やかに自然分解して残効性が低いため家庭用殺虫剤に広く用いられます。ペルメトリン、フェノトリン、フタルスリン等があり、フェノトリンは殺虫成分で唯一人体に直接適用されるもの(シラミの駆除を目的とする製品)です。殺虫作用は神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害することによります。
3. カーバメイト系・オキサジアゾール系殺虫成分: プロポクスル(カーバメイト系)、メトキサジアゾン(オキサジアゾール系)。有機リン系と同様にアセチルコリンエステラーゼを阻害しますが、結合は可逆的です。ピレスロイド系に抵抗性を示す害虫の駆除に用いられ、一般に有機リン系より毒性は低いとされます。
4. 有機塩素系殺虫成分: DDT等は感染症の撲滅に大きな効果を上げましたが、残留性や体内蓄積性の問題から、現在はオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除に使用されるのみです。殺虫作用はピレスロイド系と同様、神経細胞に対する作用に基づきます。
5. 昆虫成長阻害成分: 直接の殺虫作用ではなく脱皮や変態を阻害します。メトプレン、ピリプロキシフェン(幼若ホルモン類似。蛹にならない不完全変態の昆虫やダニには無効)、ジフルベンズロン(脱皮時の新しい外殻の形成を阻害)。
【「不可逆的」と「可逆的」】
同じアセチルコリンエステラーゼ阻害でも、有機リン系は不可逆的、カーバメイト系・オキサジアゾール系は可逆的です。本問のウはこの区別を逆にした誤りです。
【殺虫補助成分・忌避成分】
ピペニルブトキシド(PBO)やチオシアノ酢酸イソボルニル(IBTA)は、それ自体の殺虫作用は弱いか、又はほとんどないものの、殺虫成分とともに配合されて殺虫効果を高めます。忌避成分のディートは最も効果的で持続性も高いとされ、イカリジンは年齢による使用制限がない忌避成分です。
【根拠】厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅤ-2「殺虫剤・忌避剤」
出典と作り方
本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章ⅩⅤ-2「殺虫剤・忌避剤」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。出題範囲・法令・手引きは改正されることがあるため、最新の内容は各都道府県・厚生労働省の公式情報をご確認ください。

