第3章 主な医薬品とその作用61主な医薬品とその作用(漢方処方製剤・生薬)

登録販売者 第3章 主な医薬品とその作用 問61:主な医薬品とその作用(漢方処方製剤・生薬)

響声破笛丸(きょうせいはてきがん)に関する次のア〜オの記述のうち、**正しいもの**はどれか。

  • 響声破笛丸は体力が虚弱な人(虚証)に向く処方であり、声枯れ・しわがれ声が慢性化している人に最も適する。
  • 響声破笛丸はカンゾウ(甘草)を含まない処方であり、長期服用でも偽アルドステロン症のリスクはない。
  • 響声破笛丸は声が枯れる・しわがれ声になるなどのど・声帯に関わる症状に用いられる処方で、咽喉頭の炎症や使い過ぎに伴う症状に適するとされる。正答
  • 響声破笛丸はダイオウ(大黄)を主成分とする処方で、のどの症状と同時に便秘の解消にも用いられる。
  • 響声破笛丸と桔梗湯はいずれも「しわがれ声・のどの痛み」に用いる全く同一の効能を持つ処方である。
正答:響声破笛丸は声が枯れる・しわがれ声になるなどのど・声帯に関わる症状に用いられる処方で、咽喉頭の炎症や使い過ぎに伴う症状に適するとされる。

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正答はウ(正しいもの)です。

響声破笛丸のキーワードは「声枯れ・しわがれ声」。「響声破笛(きょうせいはてき)」の名前は「声を響かせ、笛の音を破るほど強い声を取り戻す」という意味です。のど・声帯の炎症や過度の使用(叫ぶ・長時間しゃべる)によるしわがれ声に用います。

証は体力の虚実に広く対応(特定の証の偏りが少ない)で、急性・慢性のどちらにも使えます。

ア(虚証限定)・イ(カンゾウ非含有)・エ(ダイオウ主成分の瀉下処方)・オ(桔梗湯と同一)はすべて誤りです。響声破笛丸はカンゾウを含み、ダイオウを含む場合がある処方です(手引きでは「カンゾウを含む。ダイオウを含む場合がある」と整理される)。エが誤りなのは「ダイオウを主成分とし便秘解消が主目的」という点で、響声破笛丸の主目的はのど・声帯への作用だからです。

標準試験対策の基準レベル

響声破笛丸の基本情報:

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 体力の目安(証) | 虚実に広く対応(特定の偏りなし) |

| 主な適応 | しわがれ声・声枯れ・のどの炎症・咽頭痛(声帯の過度使用・炎症による) |

| カンゾウ含有 | あり(甘草)→偽アルドステロン症リスクあり ← イの誤りの根拠 |

| マオウ含有 | なし |

| ダイオウ含有 | 含む場合がある(製品差あり・配合製品では少量)← エ「主成分・瀉下が主目的」は誤り |

| 代表的な使用場面 | 歌手・教師・アナウンサー等の声の酷使後、カラオケ後の声枯れ |

響声破笛丸と桔梗湯の使い分け:

| 項目 | 響声破笛丸 | 桔梗湯 |

|---|---|---|

| 主なターゲット症状 | しわがれ声・声枯れ(声帯炎・声帯使い過ぎ) | のどの腫れ・痛み(扁桃炎・咽頭炎) |

| 主な使用場面 | 声が出にくい・かすれる | のどが痛い・腫れている |

| 証の目安 | 広く対応 | 体力に関係なく広く使用 |

各選択肢の解説:

  • ア(誤): 響声破笛丸は虚証に限定されない。急性・慢性・体力問わず幅広く対応できる処方。
  • イ(誤): カンゾウを含む。偽アルドステロン症(むくみ・血圧上昇・低カリウム血症)のリスクがある。長期服用に注意。
  • ウ(正): のどの炎症・声帯の使い過ぎによる声枯れ・しわがれ声に用いる正しい説明。
  • エ(誤): 響声破笛丸はダイオウを含む場合があるが(製品差あり)、「ダイオウを主成分として便秘解消を主目的とする」処方ではない。配合される場合も量は少量で、処方の主目的はのど・声帯への作用。
  • オ(誤): 桔梗湯は「のどの腫れ・痛み」に用い、「しわがれ声・声枯れ」を主目的とする響声破笛丸とは異なる。同一ではなく使い分けが必要。
上級誤答論破・根拠(手引き)まで深掘り

【響声破笛丸の構成生薬と声帯炎への作用機序】

響声破笛丸の主な構成生薬(製品により差異あり):

| 生薬 | 基原・成分 | 声帯・咽頭への薬理 |

|---|---|---|

| キキョウ(桔梗) | キキョウ科キキョウ(Platycodon grandiflorum)の根 | サポニン(プラチコジン)→去痰・排膿・気道粘液分泌促進・声帯粘膜保護 |

| カンゾウ(甘草) | マメ科カンゾウの根 | グリチルリチン酸→抗炎症・声帯粘膜の炎症緩和・鎮痙 |

| レンギョウ(連翹) | モクセイ科レンギョウ(Forsythia suspensa)の果実 | 抗炎症・抗菌・解熱(咽頭の熱症状緩和) |

| ハッカ(薄荷)・カシ(訶子)・アセンヤク(阿仙薬)等 | シソ科ハッカ葉等 | 清涼・咽喉粘膜の鎮静・収斂(声帯の炎症緩和) |

| センキュウ・シュクシャ(縮砂)・ダイオウ(少量・配合製品のみ) | セリ科/ショウガ科/タデ科 | 血行改善・理気健胃・(ダイオウ配合時は少量で清熱作用が主) |

キキョウの去痰・排膿作用(重要):

キキョウに含まれるプラチコジンD(サポニン)は、気道粘液の分泌を促進して痰の粘性を下げ、線毛運動を助けて排出しやすくします。声帯が炎症・浮腫で腫れている場合、粘膜の余分な分泌物除去が声質の回復を助けます。

【ダイオウの少量配合と「量による作用の違い」】

ダイオウの用量依存的な作用(漢方の重要概念):

  • 大量(通常の瀉下量): センノシドが腸管に到達→大腸を刺激→便秘解消
  • 少量配合: センノシドの腸管作用より、ダイオウの苦寒清熱(抗炎症・解熱)作用が前景に出る

「量が変わると作用が変わる」は漢方薬の重要原則で、ダイオウを少量配合する処方(響声破笛丸・防風通聖散の少量ダイオウ)は「便秘を治す」ために入れているわけではなく、清熱解毒(炎症・熱を冷ます)のために配合されていることが多い。

【のど処方の使い分け:桔梗湯・響声破笛丸・半夏厚朴湯の三処方比較】

| 処方 | 主なターゲット | 証 | カギとなる症状 |

|---|---|---|---|

| 桔梗湯 | のどの腫れ・痛み(扁桃炎) | 体力に関係なく使用 | のどが赤く腫れて痛い |

| 響声破笛丸 | 声枯れ・しわがれ声(声帯炎・使い過ぎ) | 広く対応 | 声が出ない・かすれる |

| 半夏厚朴湯 | のどのつかえ感(梅核気・ヒステリー球) | 中等度 | 異物感があるが炎症はない |

実務での購入者へのヒアリング例:

  • 「のどが痛い・赤くなっている」→桔梗湯
  • 「声がかすれる・声が出にくい(特に使い過ぎ後)」→響声破笛丸
  • 「のどに何か詰まっている感じがするが痛みはない・不安感がある」→半夏厚朴湯

【響声破笛丸の使用時の注意と登録販売者の実務対応】

カンゾウ含有の注意:

  • 他に漢方薬・カンゾウ含有の外用薬(口内炎薬・胃腸薬)を使用していないか確認
  • 1日量のグリチルリチン酸が上限40mgに近い場合、長期使用・複数漢方との重複に注意

ダイオウ含有の注意(少量でも確認すべき場合):

  • 妊婦: 少量でも子宮収縮リスクの観点から使用前の相談が望ましい
  • 授乳婦: センノシドの母乳移行リスク(少量でも念のため)

使用目安と受診勧奨の境界線:

  • 1週間程度使用しても声枯れが改善しない・悪化する場合
  • 声枯れとともに声帯ポリープ・腫瘍の可能性(長期・進行性の声枯れ)は耳鼻科受診が必要

上位資格への接続: 声帯炎・咽喉頭炎は感染(ウイルス・細菌)・アレルギー・乾燥・声の酷使など複合的な原因で生じる。響声破笛丸のキキョウ(去痰)・カンゾウ(抗炎症)・レンギョウ(抗菌・抗炎症)の組み合わせは、声帯粘膜の炎症を多面的にアプローチする。薬剤師国家試験では「咽喉頭処方の適応症比較」として出題されることがあり、「声枯れ=響声破笛丸」「のど痛み=桔梗湯」「のどのつかえ=半夏厚朴湯」の三択識別が重要。

<!-- 監修確定 2026-06-06(legal-reviser): 正答ウ(声枯れ・しわがれ声・のどの炎症に用いる)は正しく一意。手引きの響声破笛丸のしばりは「体力に関わらず」(→アの虚証限定は誤り)、カンゾウを含む(→イのカンゾウ非含有は誤り)、ダイオウは「含む場合がある」(製品差:JPS等は含有・松浦等は非含有)。エが誤りなのは「ダイオウを主成分とし瀉下が主目的」という点で、ダイオウ含有自体は製品により有り得るため、beginner/standardの断定表現を手引き準拠(「カンゾウを含む。ダイオウを含む場合がある」)に調整。標準組成は連翹・桔梗・甘草・大黄・縮砂・川芎・訶子・阿仙薬・薄荷で、advanced生薬表の誤り(ケイヒ=非含有)を訂正。出典: 一般用漢方製剤承認基準・JPS/松浦響声破笛丸料添付文書、独学のオキテ手引き整理。 -->

出典・根拠について

本問は合格ナビが作成したオリジナル問題です(各都道府県が公表する試験問題の転載ではありません)。 根拠・出典:根拠: 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(令和8年4月版)第3章 第15節「漢方処方製剤・生薬製剤」 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」(2026版相当)に準拠し、章節を明記しています。

関連論点

響声破笛丸のしわがれ声・桔梗湯との証の違い頻出度B

第3章 主な医薬品とその作用の他の問題

1
主な医薬品とその作用(かぜ薬・解熱鎮痛薬)
2
主な医薬品とその作用(アレルギー薬・抗ヒスタミン薬)
3
主な医薬品とその作用(漢方処方・生薬)
4
主な医薬品とその作用(かぜ薬)
5
主な医薬品とその作用(鎮咳去痰薬)
6
主な医薬品とその作用(胃腸薬・制酸薬)

章別に解いて、登録販売者に合格

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