問題
100 / 200 V 単相3 線式配電方式に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
電験三種「電力」配電分野の正誤問題(令和7年度上期 問11)。正答は(3)です。
バランサは,単相3線式で2つの100V回路の負荷が不平衡なときに,中性線に流れる不平衡電流を補い電圧の偏りを抑える装置です。負荷の不平衡は負荷側(末端)で生じるため,バランサは電源の近くではなく,できるだけ負荷に近い末端側に設けるほど効果が大きくなります。(3)は「電源の近くに設ける方が効果が大きい」としており,位置関係が逆のため誤りです。よって正答は(3)です。
100/200V単相3線式配電方式に関する正誤問題(令和7年度上期 問11)。選択肢を順に検討する。
(1) 単相3線式は中性線と2本の電圧線(各100V)の間で100V,2本の電圧線間で200Vが取り出せるため,単相200V負荷も使用できる。正しい。
(2) 同じ電力を送る場合,単相3線式は外線間の200Vで送る形になるため(負荷が平衡していれば)線電流が100V単相2線式の半分になる。線路損失を等しくする条件では1線あたりの断面積を1/4にでき,電線が3本でも総銅量は3×(1/4)÷2=3/8(37.5%)で済む。正しい。
(3) 「バランサは,電源の近くに設ける方が効果が大きい」という記述は誤り。バランサは2つの100V回路間の負荷不平衡によって中性線に流れる不平衡電流を抑制する装置であり,不平衡は負荷(末端)側で生じるため,電源側ではなく負荷に近い末端側に設置するほど電圧の不平衡を是正する効果が大きい。
(4) 2つの100V回路の負荷が均等でない場合,電圧降下の差により負荷電圧が不平衡になることがある。正しい。
(5) 中性線が断線すると,2つの100V回路が直列つなぎのような状態になり,負荷の抵抗比によっては一方の回路に異常な高電圧がかかることがある。正しい。
以上より誤っているのは(3)で,正答は(3)。
本問は電験三種「電力」科目の配電分野から,一般家庭にも広く使われる100/200V単相3線式配電方式の特徴を問う正誤問題(令和7年度上期 問11)。
【単相3線式の基本構成と利点((1)(2)が対応)】
単相3線式は,柱上変圧器の二次巻線の中点から中性線を引き出し,中性線と両端の電圧線(外線)との間にそれぞれ100Vを,両端の電圧線間に200Vを得られる配電方式である。負荷が平衡していれば中性線には電流が流れず,実質的に200Vで電力を送ることになるため,100V単相2線式と同じ電力を送るときの線電流は半分になり,線路損失や電圧降下を小さく抑えられる。損失を同じにするなら電線を細くでき,使用銅量が少なくて済むという経済的利点がある。これにより,一般住宅ではエアコンやIHクッキングヒーターなど200V機器と,照明・コンセントなど100V機器の両方を1つの引込線でまかなうことができる。
【負荷不平衡とバランサの正しい設置位置((3)が対応)】
単相3線式では,2つの100V回路(上相・下相)の負荷が均等でないと,中性線に両回路の差分電流(不平衡電流)が流れ,それぞれの回路の電圧降下に差が生じて負荷電圧が不平衡になる((4)で述べられている現象)。この不平衡を補正する装置がバランサ(巻数比1:1の単巻変圧器を用いることが多い)で,2つの100V回路の電流差を吸収し電圧の偏りを軽減する役割を持つ。バランサの効果は,不平衡が生じている箇所にできるだけ近い位置に設置するほど大きくなる。不平衡電流は負荷の分布に応じて配電線の末端に近いほど顕著に現れるため,バランサは電源側(変圧器の直近)ではなく,負荷に近い末端側に設置するのが効果的である。(3)は電源側に設ける方が効果的としており,位置関係を取り違えている。
【中性線断線のリスク((5)が対応)】
単相3線式で最も注意すべき異常が中性線の断線である。中性線が断線すると,2つの100V回路が直列に接続された状態になり,負荷の消費電力(インピーダンス)のバランスが崩れていると,抵抗の大きい(消費電力の小さい)側の回路に定格を大きく超える異常電圧がかかることがある。これは機器の焼損や火災につながる危険な現象であり,中性線にはヒューズを入れない(中性線だけが溶断すると断線と同じ状態になるため)のが原則とされる。
【銅量の比較((2)の裏付け)】
100V単相2線式で電流I,1線の抵抗Rとすると損失は2I²R。同じ電力を平衡負荷の単相3線式で送ると線電流はI/2となり,外線2本の損失は2×(I/2)²×R'=I²R'/2。両者を等しくするとR'=4R,つまり断面積は1/4でよい。中性線も外線と同じ太さとすれば,総銅量は(3×1/4)/(2×1)=3/8となり,(2)の「銅量が少なくてすむ」は正しい。
出典と作り方
本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。
執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

