電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和7年度上期 電力 問12|送電(架空送電線路)

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

ある架空電線路の支持点間は200 m,たるみは3.0 m である。この架空電線路の電線と単位長さあたりの重量が同じ電線を用い,この架空電線路と同じ水平方向の引張強さで支持点間240 m を架線する。このときの電線の実長L[m]として,最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。ただし,いずれの架空電線路においても二つの支持点の高さは同一とする。

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正解は 4
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解説

電験三種「電力」送電(架空電線路のたるみ・実長)に関する計算問題(令和7年度上期 問12)。正答は(4)です。

支持点間200m・たるみ3.0mの条件から,電線の単位重量と水平張力の比w/Tを求め,その比を使って支持点間240mのときのたるみD₂を計算すると,D₂=4.32mになります。たるみから電線の実長を求める近似式L≈S+8D²/(3S)に240mと4.32mを代入すると,L≈240+0.21=240.21mとなります。よって正答は(4)です。

支持点間200m・たるみ3.0mの架空電線路と同じ電線(同じ単位重量)・同じ水平張力で支持点間240mに架線したときの電線の実長Lを求める計算問題(令和7年度上期 問12)。

【解法】

① たるみの公式D=WS²/(8T)(W:単位長さあたりの重量,S:径間,T:水平張力)より,W/T=8D/S²。

② 条件1(S₁=200m,D₁=3.0m)からW/T=8×3.0/200²=24/40000=0.0006[1/m]。

③ 同じ電線・同じ水平張力(同じW/T)で径間S₂=240mのたるみD₂を求める。D₂=(W/T)×S₂²/8=0.0006×240²/8=0.0006×57600/8=4.32m。

④ 電線の実長の近似式L≈S+8D²/(3S)にS₂=240,D₂=4.32を代入。8D₂²=8×18.6624=149.30,3S₂=720なので,149.30/720≈0.207。

⑤ L≈240+0.207≈240.21m。

最も近い選択肢は(4)の240.21であり,正答は(4)。「同じ水平張力」という条件からW/T(たるみ係数)が共通になる点を見抜くのが最初のポイント。

本問は電験三種「電力」科目の送電分野から,架空電線路のたるみ(弛度)と実長の関係を問う計算問題(令和7年度上期 問12)。

【たるみの基本式】

架空電線は支持点間で自重によりわずかに垂れ下がり,この垂れ下がりの量を「たるみ(弛度)」Dという。電線を放物線とみなす近似のもとで,径間(支持点間距離)S,電線の単位長さあたりの重量W,電線にかかる水平方向の張力Tの間には

D=WS²/(8T) [m]

という関係が成り立つ。この式から,同じ電線(同じW)・同じ水平張力Tで架線する限り,たるみDは径間Sの2乗に比例して大きくなることが分かる。

【比例関係を使った解法】

本問では,異なる径間(200mと240m)に対して「同じ電線(単位重量W共通)」かつ「同じ水平方向の引張強さ(張力T共通)」という条件が与えられているため,W/Tの値は両方の径間で共通となる。

まず径間200m・たるみ3.0mの条件からW/Tを求めると

W/T=8D₁/S₁²=8×3.0/200²=24/40000=6.0×10⁻⁴ [1/m]

次に,この共通のW/Tを使って径間240mのたるみD₂を求めると

D₂=(W/T)×S₂²/8=6.0×10⁻⁴×240²/8=6.0×10⁻⁴×7200=4.32m

【実長の近似式と計算】

電線は放物線状にたるむため,支持点間の直線距離Sよりも電線自体の長さ(実長)Lの方がわずかに長くなる。この差は,放物線の弧長を級数展開して得られる近似式

L≈S+8D²/(3S)

で評価できる。D₂=4.32m,S₂=240mを代入すると

8D₂²=8×4.32²=8×18.6624=149.30

8D₂²/(3S₂)=149.30/720≈0.2074

L≈240+0.2074≈240.21m

選択肢の中で最も近いのは(4)の240.21であり,これが正答となる。

【誤りやすい点】

たるみを径間に単純比例させて D₂=3.0×240/200=3.6m とすると,8×3.6²/720=0.144 から L≈240.14m となり,(3)を選んでしまう。たるみは径間の2乗に比例する(D∝S²)ので,正しくは 3.0×(240/200)²=3.0×1.44=4.32m である。たるみ・実長の公式は,ただし書きのとおり二つの支持点の高さが同じ場合の式であることも確認しておきたい。また,実長の増加分(L-S)は0.2m程度とごくわずかで,選択肢どうしの差も小数第2位の違いしかないため,途中の数値を丸めすぎないことが大切である。

この問題の根拠出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和7年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

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執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。