電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度下期 電力 問1|発電(水力発電)

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

水力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

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正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

水力発電の基本的な性質と、我が国の電源構成の中での位置づけを問う正誤問題です(令和4年度下期 問1)。

誤っているのは(3)です。水力発電が昭和30年代前半まで発電の主力だったことは正しいのですが、その後は火力・原子力が大きく伸びたため、近年の発電電力量に占める水力の比率は1割に満たない水準で、「20%程度」ではありません。

(1)ベルヌーイの定理はエネルギー保存則、(2)起動・停止が速く寿命が長く効率が高い、(4)流況曲線は発電計画の基礎資料、(5)有効落差=総落差-損失水頭、はいずれも正しい記述です。正答は(3)です。

【水力発電の基本と発電電力量比率】(令和4年度下期 問1)

「誤っているもの」を選ぶ問題なので、各選択肢を順に確かめます。

(1) 正。ベルヌーイの定理は、単位質量あたりで (1/2)v²+gz+p/ρ=一定(v:流速、z:高さ、p:圧力、ρ:密度)と表され、運動エネルギー・位置エネルギー・圧力エネルギーの和が保存されることを示す。エネルギー保存の法則そのものである。

(2) 正。水力発電は燃料の燃焼や蒸気の発生を伴わないため、短時間で起動・停止や出力調整ができる。設備は水車・発電機とダム・水路が中心で耐用年数が長く、水のもつエネルギーを直接機械エネルギーに変えるため変換効率も高い。

(3) 誤(正答)。前半の歴史(昭和30年代前半までは水力が主力)は正しいが、その後の火力・原子力の拡大で水力の比率は大きく下がった。近年の我が国の発電電力量に占める水力の比率は1割に満たず、「20%程度」は過大である。

(4) 正。流況曲線は河川の日流量を年間で多い順に並べた曲線で、豊水量・平水量・低水量・渇水量を読み取ることができ、最大使用水量や年間発電電力量の計画に用いる。

(5) 正。総落差から導水路・水圧管などの損失水頭を引いたものが有効落差で、これが水車に与えられるエネルギーに対応する。出力は P=9.8QHη[kW](Q:流量[m³/s]、H:有効落差[m]、η:総合効率)で表される。

よって正答は(3)です。

【この問題の作り方と水力発電の要点】(令和4年度下期 問1)

本問は、(1)(2)(4)(5)が水力発電の原理・特徴・計画に関する教科書どおりの記述で、(3)だけが「数値」を入れ替えて誤りにしています。(3)の前半「昭和30年代前半まで我が国の発電の主力であった」は史実どおりで、正しい前半に誤った数値を続けるという、正誤問題でよく使われる構成です。昭和30年代以降は大容量の火力発電所の建設、のちに原子力発電の導入が進み、水力は電源構成の中心から調整用・ベース補完の役割へ移りました。近年は発電電力量の比率で1割に満たず、20%という数字は実態から大きく外れています。

(1)のベルヌーイの定理は、水頭で表すと v²/(2g)+z+p/(ρg)=一定 となり、速度水頭・位置水頭・圧力水頭の和が一定という形で水力の計算に使います。実際の管路では摩擦などで水頭が失われるため、(5)のように総落差から損失水頭を差し引いた有効落差 H を用いて出力を計算します。

出力の式 P=9.8QHη[kW] は、密度 1000kg/m³ の水が毎秒 Q[m³] 落差 H[m] を下るときの位置エネルギーの減少 ρgQH[W]=1000×9.8×Q×H[W]=9.8QH[kW] に、水車と発電機の効率の積 η を掛けたものです。例えば Q=10m³/s、H=100m、η=0.85 なら P=9.8×10×100×0.85=8330kW になります。

(4)の流況曲線は、年間の発電電力量の見込みや最大使用水量の決定に使われ、横軸の日数に応じて豊水量(95日)・平水量(185日)・低水量(275日)・渇水量(355日)が定義されます。(2)の起動・停止の速さは、揚水発電がピーク負荷や需給調整に用いられる理由にもなっています。

この形式の問題では、定義や原理の記述は基本どおりであることが多く、具体的な数値や「主力」「大部分」といった量の表現が入った選択肢から疑うのが有効です。

この問題の根拠出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。