電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度下期 電力 問2|発電(水力発電)

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

次の文章は,水車に関する記述である。 水圧管の先端がノズルになっていると,有効落差は全て (ア) エネルギーとなり,水は噴流となって噴出し,ランナのバケットにあたってランナを回転させる。このような水の力で回転する水車を (イ) 水車という。 代表的なものとして (ウ) 水車があり, (エ) で,流量の比較的少ない場所に用いられ,比速度は (オ) 。 上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

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解説

水車の種類についての空欄補充問題(令和4年度下期 問2)。正答は(5)です。

水圧管の先端がノズルになっていると、有効落差はすべて運動(ア)エネルギーになり、水が噴流となってランナのバケットに当たって回転させます。このように水の力(運動エネルギー)だけで回る水車を衝動(イ)水車といい、代表例がペルトン(ウ)水車です。これは高落差(エ)で流量の少ない場所に用いられ、比速度は小さい(オ)のが特徴です。したがって(ア)運動・(イ)衝動・(ウ)ペルトン・(エ)高落差・(オ)小さいとなり、正答は(5)です。

水車は、水のエネルギーをどのように利用するかで衝動水車と反動水車の2種類に分けられます。

衝動水車は、水圧管の先端をノズルのように絞り、有効落差が持つ圧力エネルギーをすべて運動(ア)エネルギーに変換してしまいます。ノズルから勢いよく噴出した水(噴流)がランナのバケット(羽根のようなくぼみ)に当たって、その運動の衝撃だけでランナを回転させる、これが衝動(イ)水車です。代表的な衝動水車がペルトン(ウ)水車で、ノズルから噴き出す水の運動エネルギーを効率よく受け止める構造になっています。

これに対しフランシス水車・カプラン水車のような反動水車は、ランナ内部でも水の圧力エネルギーが運動エネルギーに変化し続けており、圧力エネルギーと運動エネルギーの両方を利用します。

ペルトン水車は、高落差(エ)かつ流量が比較的少ない場所に向いています。落差が高いほど水圧管内の圧力エネルギーが大きく、わずかな流量でもノズルで高速の噴流を作れるため、少ない水量で効率よく発電できるからです。この特性に対応して、ペルトン水車の比速度(水車の形状を特徴づける指標)は小さい(オ)値になります。

以上から(ア)運動・(イ)衝動・(ウ)ペルトン・(エ)高落差・(オ)小さいの組合せとなり、正答は(5)です。選択肢2・3・4は(ア)を「圧力」「位置」とし、ノズルで全ての落差エネルギーが運動エネルギーに変わるという衝動水車の原理を取り違えています。選択肢2・3はさらに(イ)を「反動」とし、反動水車であるフランシス・カプランを挙げていますが、ノズルの噴流で回すのは衝動水車です。選択肢4は(ウ)を反動水車のフランシスとしています。選択肢1は(ア)〜(エ)が正しいものの、(オ)を「大きい」としており、高落差・小流量向きのペルトン水車の比速度は小さいという関係と逆です。

衝動水車(ペルトン水車)と反動水車(フランシス水車・カプラン水車)の違いは、ランナに水が当たる瞬間の圧力の状態にあります。衝動水車では、ノズルを出た直後の水は大気圧とほぼ同じ圧力(圧力エネルギーをすべて使い切った状態)になっており、ランナのバケットは水の運動エネルギー(速度)だけを受け取って回転します。このため、ランナの周囲は大気開放の構造でも問題なく、ケーシング内の圧力管理が比較的単純です。

一方、反動水車ではランナの内部でも水は圧力を保ったまま流れ、圧力エネルギーが運動エネルギーに変わる過程がランナの中でも続いています。したがってランナ全体が密閉された圧力容器のような構造になり、ランナ出口では大気圧より低い圧力となり、吸出し管で流速を落としながら放水面の大気圧まで戻されます。

高落差・小流量にペルトン水車が向いている理由は、水頭(圧力)が大きいほどノズルから出る噴流の速度が速くなり、少ない流量でも十分な運動エネルギーを得られるためです。逆に低落差・大流量の条件では、圧力エネルギーが小さいためペルトン水車のような衝動方式では効率が出せず、大きな流路でゆったりと水を流しながら圧力エネルギーも使うカプラン水車(反動水車)の方が適しています。

比速度(ns=n・P^(1/2)/H^(5/4))が小さいほど高落差・小流量向き、大きいほど低落差・大流量向きという関係は、この圧力エネルギーと運動エネルギーの使い方の違いから生まれています。水車の種類を選ぶ問題では、まず衝動水車か反動水車かを見極め、次に落差・流量の条件と対応させると、確実に正答を導けます。

ペルトン水車の構造上の特徴も、衝動水車であることから説明できます。流量の調整はノズル内のニードル弁で噴流の太さを変えて行い、負荷が急に減ったときはデフレクタで噴流をバケットからそらして回転速度の上昇を抑えます。ランナは大気中で回転し、水は噴流として当たるだけなので、反動水車のような吸出し管は使いません。流量の多い地点では、1台のランナに複数のノズルを設けて対応する構造もあります。本問の(エ)「高落差」と「流量の比較的少ない場所」という条件は、このような噴流を使う構造と結びつけて理解しておくと覚えやすくなります。

この問題の根拠出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。