電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度上期 電力 問11|送電(地中ケーブル)

問題

電験三種 | 電力 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

地中送電線路の故障点位置標定に関する記述として,誤っているものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

地中送電線路の故障点位置標定法に関する正誤判定問題(令和4年度上期 問11)。誤っているものは(5)です。

3つの標定法と適用できる事故の組合せが正しくは、地絡事故にはパルスレーダ法とマーレーループ法、断線事故にはパルスレーダ法と静電容量測定法が適用できます。選択肢(5)は断線事故の組合せを「静電容量測定法とマーレーループ法」としていますが、マーレーループ法はブリッジ回路(健全相と故障相を抵抗測定でつなぐ)を使うため、導体が断線していると電流のループが作れず原理的に適用できません。断線事故に使えるのはパルスレーダ法と静電容量測定法です。

【地中送電線路の故障点標定3手法と適用事故】(令和4年度上期 問11)

本問は「誤っているもの」を選ぶ問題で、3つの標定法の原理と適用範囲を個別に検証します。

(1) 正。故障点位置標定は、地中送電線路で地絡・断線事故が発生した際に事故点を特定し、掘削範囲を最小化して迅速に復旧するために必要な作業である。

(2) 正。パルスレーダ法は、健全相と故障点のサージインピーダンスの違いを利用し、パルス電圧を入力してから反射波が戻るまでの時間と伝搬速度から故障点までの距離を求める方法。地絡・断線のいずれにも適用できる。

(3) 正。静電容量測定法は、ケーブルの静電容量が長さに比例する性質を利用し、健全相と故障相の静電容量を比較してケーブルこう長から故障点(断線点)を標定する方法で、主に断線事故に用いられる。

(4) 正。マーレーループ法は、健全相と故障相の2本のケーブルでホイートストンブリッジ回路を構成し、ブリッジの平衡条件とケーブルこう長から地絡点までの距離を求める方法。導体が導通している地絡事故に適用される。

(5) 誤(正答)。マーレーループ法はブリッジ回路に電流を流して平衡をとる原理のため、ケーブルが物理的に断線している断線事故には適用できない。断線事故に適用できるのはパルスレーダ法と静電容量測定法であり、マーレーループ法ではない。地絡事故に適用できるのはパルスレーダ法とマーレーループ法で、こちらは正しい。

以上より、断線事故への適用法を誤って組み合わせた(5)が正答。

【故障点標定法の原理と地絡・断線での適用可否】(令和4年度上期 問11)

本問の核心は、3つの故障点標定法がそれぞれ「電気的に導通しているか」を前提とするかどうかという原理的な違いである。マーレーループ法はホイートストンブリッジの原理を用いる手法で、健全相と故障相のケーブルを遠端で接続してループを作り、ブリッジの電源側から電流を流して平衡条件(抵抗比とケーブル長の比例関係)から故障点までの距離を算出する。この方法は、地絡事故(導体は健全で絶縁被覆のみが破損し大地と導通した状態)では導体自体が切れていないためループが形成でき適用可能だが、断線事故(導体そのものが物理的に切れている)では電流のループが作れず原理的に使用できない。

一方、パルスレーダ法は、ケーブルの特性インピーダンスが不連続になる箇所(地絡点・断線点のいずれも)でパルス電圧の一部が反射する現象を利用するため、地絡・断線のどちらにも適用できる汎用性の高い手法である。静電容量測定法は、ケーブルの単位長さあたりの静電容量が一定であることを利用し、健全相と故障相(断線により短くなった部分)の静電容量を比較してケーブル長の違いから断線点を求める手法で、主に断線事故に用いられる(地絡事故には通常使用しない)。

このように、3つの手法は「電気的導通を前提とするか」「静電容量という物理量で距離を測るか」「反射波の伝搬時間で距離を測るか」という異なる原理に基づいており、それぞれの適用範囲(地絡向き・断線向き・両方向き)を原理から導けるようにしておくことが、本問のような組合せ問題を確実に解く鍵となる。

マーレーループ法の計算も確認しておく。こう長Lの健全相と故障相を遠端で短絡してループ(全長2L)を作り、測定端から故障点までの距離をxとすると、ブリッジの比例辺のうち故障相の端子につながる辺の抵抗をa、健全相の端子につながる辺の抵抗をbとすると、導体抵抗は長さに比例するので平衡条件は a(2L−x)=bx となり、x=2aL/(a+b) で故障点までの距離が求まる。導体抵抗が長さに比例することを使っているので、ループのどこかで導体が切れていれば成り立たない、という点が(5)の誤りの根拠そのものである。

この問題の根拠出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度上期 第三種電気主任技術者試験 電力(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。